サイパンマラソン2014
オリンピックのマラソンでは、その年のランキング上位者が金メダリストとなることはあまりありません。それはマラソンという競技がどちらかいうと気温の低い冬季のスポーツで、トップ選手が気温の高い季節にレースに慣れていないからです。よってロンドン五輪でもそうでしたが、夏期に行われるオリンピックでは伏兵が優勝することが多いのだと思います。
自分は2010年から4年連続でグアムで行われるココロードレースに出場していますが、湿度が高く30度近い環境下では駅伝の1区間のたった5kmを走るのも辛かったです。一昨年は知り合いがハーフマラソンに出走しましたが、1時間30分台のタイムを持つ彼が2時間を超えるタイムでゴールしたのが記憶にあったので、同じ気候条件のミクロネシア地域で行われるサイパンマラソン2014年にニューバランスジャパンのご厚意で招待されたときに、50km、フルマラソン、ハーフマラソン、10kmから迷わずにハーフマラソンを選びました。さすがに10kmは選べないですからね(笑)高温に加えてミクロネシアの高い湿度、刺すような強い陽射しを知っているので、今回の目標タイムはベストよりも20分遅い1時間58分台に設定します。これにはワケがあって、知り合いのランナーが翌日に行われる東日本国際親善マラソンが初めてのレースエントリーで、ハーフマラソン2時間切りにチャレンジするから。本当は一緒に走ってペースメーカーを務めるつもりだったのですが、こちらの大会に出走することになったので、ペースメーカーはチームメイトに任せ、自分はいくら悪条件とはいえ先輩ランナーとして前日に2時間は切っておきたいというのがあったのです。なので今回のテーマは「ファンランで2時間切り」で、着用シューズもフレッシュフォームをミッドソールに使用した足の保護性能の高いニューバランスM980にしました。
ハーフマラソンはフルマラソンと50kmの1時間15分後の5時45分にスタート。まだ真っ暗です。ハーフ部門のエントリーは150人前後とのことで、ここまで出走者の少ない大会は初めて。いつものレースなら先頭の位置を上位を狙うランナーが場所の取り合いをして殺伐とした雰囲気になるのですが、今回はダチョウ倶楽部のネタ状態で「どうぞどうぞ!」といった感じで最前列に。スタートすると最初は「グアムよりも暑くないかな?」と思いましたが、それは間違いで、しばらく走るとまとわりつくような湿気が襲い、すぐに大量の汗をかき始めます。3kmほどを走った時点で「楽しんでる余裕ないなぁ」と思い始めました。日の出以降はグングン気温が上昇し、30度を超え、強烈な陽射しも体力を消耗させます。kmあたり5分41秒をキープすれば2時間は切れる計算になるのですが、陽射しの強いところではどうしてもペースが落ち、5分50秒台に。19kmほどに到達したところでゴールタイムを計算するとギリギリということに気付きます。このままではヤバイのでペースアップを試みるのですが、前日のランニングレクチャーで徳本一善選手が「走りにもリズムが大事!」と言っていたのを思い出し、なぜか「野球拳」のリズムを口ずさみながら走るとグイグイペースが上がる。例の「テロリロリーラ、テロリラリ…」ってやつです。このおかげで20kmのラップは5分23秒、21kmのラップは5分04秒まで上がりゴール!タイムはグロスで1時間58分31秒で、何とか2時間は切れました。
ヨガには高温下で行うホットヨガというのがありますが、南国のマラソンはホットマラソンと名付けてもよいくらい、冬季のマラソンとは別物。サイパンマラソンはエントリー総数は全カテゴリーあわせても数百名のランナーしか集まりませんし、基本的にトップランナーが争う大会でもない。ニューヨークシティマラソンや東京マラソンが名を連ねるワールドマラソンメジャーズのように、シンガポールマラソン、プーケットマラソンといった熱帯地域で行われるマラソンをシリーズ化してトロピカルマラソングランプリのようにしたら、「寒冷地での2時間5分台のレースでは勝てないけど、熱帯での耐久戦なら自信がある!」という上級ランナーが出走して盛り上がるかもしれません。ちなみにサイパンマラソンのフルマラソンと50kmレースの優勝者には1000ドルの賞金が贈られました。
記録は平凡でしたが総合で13位、カテゴリー別で3位というまさかの好成績。ペースをある程度キープして、前半飛ばしたランナーが脱落するのを着実に捉えた結果です。本当にキツイレースでしたが、最後まで諦めなくてよかったです。それにしても、この過酷な条件でフルマラソンをサブ4で走った榎本さんには心から尊敬します。
レース終了後に伝統的な衣装を身に纏ったチャモロ族の青年たちと「いいね!」。美女以外とも「いいね!」はするのです(笑)今回着用したニューバランスM980はクッション性と足とのフィット感が秀逸でとても走りやすかったです。
自分たちが昼食を終えた13時頃にゴールを目指していたIT関連企業に勤務するという50kmレースに出場した20代の日本人青年。スタートから8時間30分以上、本当に過酷だったと思うけど、ゴールしたときに得るものは大きいはず。ちなみにサイパンマラソンは暑さ対策か、他のレースと比較して給水所の数がとても多く、水を含ませたスポンジを供してくれるのが本当にありがたかったです。
先にゴールしたランナーが完走証とフィニッシャーTシャツを持って、知り合いのランナーと併走するという微笑ましい光景。メジャーな大会ではありえないですが、サイパンマラソンでは頻繁に見られました。こういうのいいですね。
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