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COLUMN

連載企画 「Unbreaking PB -失敗レースから学ぶ-」 VOL.9

2022.09.15
Shun Sato

「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~にも登場してもらったランチューバーのランニング食堂さん。自身の課題である腹痛を抱え、PBを更新できないレースが続く中、長野マラソンでの失敗の中で見つけた光明とは?

第26回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

ランニング食堂(ランチューバー) 「レースを愉しむ」  


レース:長野マラソン(2022年4月17日)
タイム:2時間22分06秒(目標タイム:2時間17分36秒/自己ベスト更新)
自己ベスト:2時間17分37秒(びわ湖毎日マラソン/2021年3月4日)

■Before the start (スタート前)
長野マラソンに至るまで、5つのレースを走りました。金沢マラソンから始まり、福岡国際マラソン、防府読売マラソン、ビヨンド、今年に入って別府大分マラソンです。そのいずれも自己ベストを出せず、トイレという問題もあったのですが、自分の中で取り組みが失敗したなぁと感じました。昨年の2月のびわ湖毎日マラソンで、僕は2時間17分の自己ベストを出したのですが、その際に新しく取り組んだのがレース時間を走るという練習でした。僕の場合は2時間30分をレースペースではなく、もう少しゆっくりしたペースで走るというものです。びわ湖の前に1度、その練習をして、めちゃキツかったのですが、レースの時に最後までもってタイムが上がったんです。それを金沢マラソンからのレースにも活かしていこうと思って継続したのですが、2時間20分を切れないことが続いて、「スランプかなぁ?」って感じが続いていたのです。長野マラソンは、シーズンラストなので、なんとか結果を出したいなと思っていました。

■Start line(スタート)
スタート前、天気が良くて、暑くなるなぁと思いましたが、心配はトイレだけでした。高校の時に走り始めた時から走るとお腹が痛くなって、トイレによく駆け込んでいたのですが、それは今も変わらず、最大の問題になっていて・・・、30キロ過ぎに腹痛が発動してトイレへ、というパターンが多いです。金沢マラソンも36キロにトイレで離脱した後、レースに戻ると集団がいなくて単独走になり、「もういいや」となってトイレを重ね、2時間21分30秒かかりました。長野はレース直前までトイレに行き、絞り出していたのですが、なんか出し切れていない感があって、「今日もトイレ行くんだろうな。」と思っていました。30キロ過ぎからは田園風景が広がり、コンビニもないのでトイレのある場所を確認してはいたのですが、大丈夫かなという不安が大きくてスタート前からなかなかレースに集中しきれていなかったですね。

■スタート~20km
レース序盤から「どっかでトイレに行くだろうな。」と思いながら走っていたのですが、スライドするところがあったので、そこでは「まるお製作所」のメンバーを探して、「お互いに頑張りましょう。」とか声をかけ、逆にランナーさんに声をかけられたりしていました。そうしていると気持ちがポジティブになるのか、トイレの不安を忘れて走れていました。

■20km~30km
ハーフを越えてスライドがなくなり、暑さも出てきたので、少し熱中症気味になり、徐々に腹痛が出てきました。この時、僕は、偏頭痛を防ぐためにレース前に水分を多めに摂っていたのですが、必要以上の水分は脱水を防ぐ効果はなく、余剰な水分はお腹を緩くする原因になっているようです。今後は事前の水分の摂り方を考えていかないといけないのですが、この時はそれがまだ明確ではなくて・・・。腹痛が出たので、「あぁやばい。これはトイレ行かないとな。」と思って、レースよりもどこでトイレに行こうか、そればっかり考えて走っていました。

■30km~40km
僕は、2時間20分前後を狙う集団にいたのですが、ちょっと動きがあってペースが上がりました。その時は、すでにお腹が痛かったので、その集団のペースには合わせず、ペースを下げました。そのまま集団から離れて走り、36キロ付近でトイレに入りました。大会用のトイレって、しゃがむタイプが多くて、それだと30キロ以上走った状態でスクワットする感じになるので、けっこう足がつるんですよ。トイレを終えた後、レースに戻ったのですが、フルスクワットした状態で足はきついし、コース上は誰もいなくて、レースをほぼ諦めてしまいました。普通は、ここからがレースだぞって感じになるのですが、一番おもしろいところなのにトイレで離脱するのは、「もったいないなぁ。」と思いますし、「レースを楽しめていない。」と思いましたね。

■40km~Finish
タイムを諦めていたのですが、最後はそれ以上に楽しめたことがありました。レースのラスト、弟と並走したのです。同じブランドの服を着て、帽子に同じカメラをつけているので、中継のアナウンサーが「同じチームで競り合っている。」みたいなことを言ってくれて、テレビにその映像が流れたのです。そのまま一緒に走って、最後は胸の差でゴールしたのですが、久しぶりに一緒に走って、すごく楽しかった。タイムだけを見るとすごく悔しいのですけど、最後に弟と競り合えてマラソンの醍醐味を味わうことができたので、「楽しく終われてよかった!」と思いました。

■長野マラソン(2022年4月17日)とびわ湖毎日マラソン (2021年3月4日)の比較

  長野マラソン びわ湖毎日マラソン
 5㎞  16:22 16:06
 10㎞  16:14 16:08
 15㎞  16:32 15:50
 20㎞  16:32 17:22
 25㎞  16:27 15:36
 30㎞  16:24 16:24
 35㎞  17:39 16:29
 40㎞  18:39 16:44
 Finish  07:17 06:58
Result 2:22:06 2:17:37

教訓(1)「レースを楽しむ」
ユーチューバーとしては、タイムを出した方がファンの人が喜んでくれると思うんです。でも、昨年シーズンは、6レースすべてダメで・・・。毎回、トイレに行っていると「またこいつトイレに行って、トイレだから自己ベスト出せなかったと言い訳するんだろ。」っていう見えない声というか、「こいつ毎回トイレで失敗してるじゃん!」って思われるのが怖いので、ちゃんと走ってタイムを出さないといけないって思っていたのです。でも、そう思い過ぎてしまうと、それがストレスになっていたようで・・・。本来、レースは楽しむべきものであるし、僕は自己ベストを更新するのが一番の楽しみなんです。淡々とトレーニングを積んで自己ベストを出す。ファンの人もそれを楽しみにしてくれていると思うので、変に動画のためにというよりも、自分が普通に楽しく走ることを追求していくことが最終的にタイムにも繋がると、今回走っていて思いました。今シーズンは、あまりタイムにこだわらずに練習して、レースを楽しむスタイルを続けていきたいと思います。

〈今後の目標〉
11月の富山マラソンが、今シーズン最初のレースになります。まずは、富山で昨シーズンできなかった2時間20分を切って、ワンチャン自己ベストまでもっていけたらいいですね。その後は、福岡国際マラソンにエントリーできれば走って、年末はビヨンドです。来年は3月に東京マラソン、そして3月24日に地元の佐賀さくらマラソンを走る予定です。たぶん、どのレースもトイレの時間が必要になると思いますが、トレイを含めて僕です。腹痛やトイレで悩んでいる人も多いと思うので、そういう人たちのために助言できることが少しでも見つけられたらいいなと思っています。

連載企画 「Unbreaking PB -失敗レースから学ぶ-」 VOL.8

Shun Sato
佐藤 俊
北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て93年にフリーランスに転向。現在はサッカーを中心に陸上(駅伝)、卓球など様々なスポーツや伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「駅伝王者青学 光と影」(主婦と生活社)など多数。
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