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第34回山崎夕貴（市民ランナー）限界の先が見えたから、また走れる。－Breaking 4’00”－

もともとダイエットをするために山崎さんが始めたのは、ビリーズブートキャンプ。それがウォーキングになり、ランニングになっていった。そして、決して急ぐことなくマラソンに行きついた。簡単ではないレースでサブ4を達成して分かったこととは？

山崎夕貴
職業：エステサロン店長
年齢：30代
ラン歴：2年半
フルPB：3時間58分33秒（2019年12月8日　袋井クラウンメロンマラソン）

３months Challenge—breaking 4’00”

Start（走り始めたキッカケ）
走り始めたキッカケは、ダイエットでした。最初は70キロくらい体重があったのですが、ビリーズブートキャンプを半年くらい続けてダイエットをしたら痩せたんです。さらに痩せようとウォーキングを1日1、2時間ほど始めたのですが、それなら走った方がより早く痩せるかなって思って走り始めました。最初は、30分走るのもつらかったのですが、知人に「30分走ると24時間脂肪が燃焼するよ。」と言われて、素直に信じて走り続けました（笑）。それで走る習慣がついたのですが、まだ楽しいとまで思えなかったのです。でも、走っているうちにランナーさんが1キロ何分で走っているのか、自分の早さとかが分からなかったので、私ってどのくらいで走っているのかなと思ってタイムを見始めたのです。それからですね。自分の早さとかが分かって、走るのが楽しくなって、レースをやろうと気持ちが盛り上がったのは。

Marathon（マラソン）
マラソンに出ようかなと思ったのは、「自分がどのくらい走れるのだろう？」と思ったのと「何か新しいことに挑戦したい！」という気持ちが強かったからです。練習を始めて3ヶ月でマラソンに出たのですが、実はその前にハーフを一度走りました。「日本平さくらマラソン」というアップ＆ダウンが激しくて完走率がすごく低いレースです。そのレースにまったくトレーニングもせずに参加して、2時間33分で完走できたのです。「私って走れるんだ！」、「3ヶ月あれば42キロも行ける」。そう思ってマラソン挑戦を決めました。

Training Menu（トレーニングメニュー）

★３months（3ヶ月前）/Training Menu Point

（１）hill running（山登り）
近くに山があって、神社から入って登れるのですが、低い山なのでサクッと上って下りる感じです。脚力のトレーニングを意識するというよりも、山登りはただ楽しくて、ダイエットのためというのが大きかったです。そのため、わざと厚着をして、汗かいて上っていました（笑）。でも、あとでよく考えると、楽しみながら山を登ることで足がけっこう作られたと思います。

（２）jog（ジョグ）
ジョグは、できるだけ欠かさずに続けていました。心肺機能を高めてくれるだけではなく、走るベースになりますし、10キロをきちんと走ると体の調子が良くなったからです。ペースは、3ヶ月前のこの頃は6分半とか7分ペースですけど、レース月になると5分半くらいになっています。早いジョグになったのは、いつも駿府公園の周回コースを走っていたのですが、最初はダイエットを兼ねていたのでかなりゆっくりのペースだったのです。そのスピードで走っていると、めちゃ抜かれるんですよ（苦笑）。「私ってこんなに遅いの？」と思うとすごく悔しかったですし、負けず嫌いな性格なので抜かれるのが本当にイヤで・・・。もうちょっと早く走ろうと思ったのがジョグのペースが上がった理由のひとつです。

★２month （2ヶ月前）/Training Menu Point

（１）tempo running（ペース走）
10キロをキロ5分30秒‐50秒くらいの間で走ることを目標にして、最後の1キロはスピードを上げて終わらせるようにしていました。この設定は、ほぼ毎回クリアできていました。10キロはサブ4のタイムで走っていましたが、走る以外でもけっこうトレーニングをしていました。スクワットは1日200－300回、腹筋はYouTubeで割れる腹筋の動画を見て、毎日やっていました。この月はトレーニングをした影響でかなり絞れてきて、腹筋が4つに割れていましたね。かなり痩せて、ガリガリになって「大丈夫？」と周囲の人に心配されました（笑）。

★１month （1ヶ月前）/Training Menu Point

（１）long running（30キロ走）
あまり長い距離は走りたくなかったのですが、マラソンは42キロなので一度は長い距離を走っておこうとトライしました。設定ペースは特にMぺースとかは意識していなくて、あくまでも自分が楽に走れるペース（5分50秒）にしています。途中、給水タイムを取ったりしましたが、なんとか走れました。走っている時は、30キロは長いなって思ったのですが、走り終えると意外とイケるなとも思いました。疲労は筋肉痛がなくて、ただ足が重いなという程度。フルマラソンは、ここから残り12キロなので、これならマラソンを完走できるという自信がつきました。

（２）marathon bule（マラソンブルー）
実は、このレースの2週間前から病んでしまいました。もともと、私は「絶対に走れる。余裕だね。」というタイプなのですが、そのくらいの時期から「どうしよう、走れないかもしれない。やっぱりやめようかな？」という気持ちになり、やる気がなくなってしまったのです。それでもやらなきゃいけないという気持ちがあったので、ペース走をしながらラスト1キロを4分55秒まで上げて、練習をこなしていました。でも、結局、レース直前まで走れなかったらどうしようって、そればかり考えていましたね。初めてマラソンを走る人のあるあるなのかもしれないですけど、あんな気持ちになるなんて不思議でした。

Another Point -1
Q.「今後の目標は？」

A.次、目標にしているのは、サブ3.5です。ただ、今は前ほど走れていなくて・・・。昨年6月に膝を故障して半年くらい走れなくて、ようやく走り始めたばかりです。仕事が変わったのも大きいですね。前は午後5時に仕事が終わって、その後、走りに行けたのですが、今は帰宅が午後9時ごろなので疲れてしまい、なかなか思うように走れていません。その代わりに通勤ランを始めたので、行き帰りでまずはしっかり走っていこうと思っています。レースは、4月焼津みなとマラソンを予定しています。ハーフマラソンですが、これはいつも一緒に走っている友人が出るので、そのペーサーになる予定です。2時間を切るのが目標なので、なんとか達成できるようにゴールまで引っ張っていこうと思っています。私自身のレースは、まだ決めていませんが秋以降に体を絞ってレースに臨み、サブ3.5を達成したいですね。

2019年12月8日　袋井クラウンメロンマラソン　3時間58分33秒。
0km -5km 26分22秒
5km-10km 25分24秒
10km-15km 26分33秒
15km-20km 26分32秒
20km-25km 27分48秒
25km-30km 28分38秒
30km-35km 30分31秒
35km-40km 33分28秒
40km-FINISH 13分17秒

レースがスタートする直前までどうしよう、やめようかなって考えていました。でも、いざスタートするとそんな不安は吹っ飛んで、「なに、これ？すごく楽しい！」ってスイッチが入ってしまいました（笑）。初めてのレースで、遅いタイムでエントリ―していたので、スタートがかなりうしろだったのです。周囲はゆっくりなペースのランナーさんばかりだったので、いつも通り走り出したら「えっ、いいのかな？　私、行っちゃうよ。」という感じで、みなさんを抜いていくのがすごく気持ち良くて。沿道では吹奏楽部の応援があったり、エイドも充実していて、イチゴや厄除け団子とかいろいろあって、そういうところも楽しめました。レースは、キロ5分15秒前後のペースでしたが、携帯でイチゴを撮って、そのままインスタに上げて走るくらい余裕がありました（笑）。そのまま調子に乗って、30キロくらいまで行ったのですが、そこから急に足が動かなくなって・・・。35キロを越えて、本当に足がヤバいと思って走っていたら転けたのです。沿道の人から「大丈夫？ファイト！！」と声を掛けられて、泣きそうになったのですが、泣くのを我慢していたら今度は過呼吸になって・・・。そのまましばらく歩いていたら8分以上かかってかなりタイムロスをしてしまいました。レース後は、あまりにも後半がつらかったのとゴールした安堵感があって涙が止まりませんでした。でも、走ってよかったなと思いましたし、達成感で満たされました。同時に諦めずに最後まで走るのはすごいこと、限界の先ってあるんだなというのが分かって、また走りたいと思ったのです。その時、これかって思いました（笑）。マラソンにハマる人の気持ちや理由が分かった気がしました。

連載第34回「Breaking Limit」 ～3ヶ月の練習note～

第34回 山崎夕貴（市民ランナー） 限界の先が見えたから、また走れる。－Breaking 4’00”－

連載第34回「Breaking Limit」～3ヶ月の練習note～

第34回山崎夕貴（市民ランナー）限界の先が見えたから、また走れる。－Breaking 4’00”－