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第32回曽川乃麻（市民ランナー）言い訳せずに走るマインドが大事。－Breaking 4’00”－

ダイエットのためにランニングを始めた曽川さん。いつからか、マラソンを走ると人生観が変わると言われて、紆余曲折を経て、実際にサブ4を達成。その時、彼女が気づいたこととは？

曽川乃麻
職業：起業支援コーディネーター
ラン歴：5年
フルPB：3時間57分31秒（2021年3月14日　名古屋ウイメンズマラソン2021）

３months Challenge—breaking 4’00”

Start（走り始めたキッカケ）
最初は、ダイエットがキッカケでした。子育て期間中になかなか自由時間が取れなくて、ひとりになれる時間が取れるとそのストレスなのか、ものすごく食べてしまっていたのです。そういう自分に自己嫌悪を抱いていて、毎日モヤモヤしていました。ある時、食べるならその分運動したらいいんじゃないかって思って、朝5時に起きて家の周りを3キロくらいですけど、ゆっくり走り始めたのです。それが本当に気持ち良かったのです。走り続けていればそのうち痩せるかなって思って、朝のランニングが習慣化していきましたし、職場に行って「今日、走ってきたんです。」というと、「すごいね！」と言われることもなんかうれしくて・・・。走り始めて3ヶ月くらいでインスタを始めたのですが、それが私のモチベーションをさらに加速してくれましたね。

Experience（経験）
これまで一番うれしかったレースは、昨年の名古屋ウイメンズなのですが、走り始めてから最初に本気で取り組んだのが、2019年の大阪ハーフマラソンでした。当時、私のハーフのタイムが2時間25分だったのです。大阪ハーフは制限時間が2時間だったので、長居公園の練習会に参加して、相当頑張らないといけないなって思っていたのですが、周囲のランナーさんからは「それは無理だよ。」と言われたのです。そう言われながらも必死でがんばったら1時間58分で完走出来て、この時はめちゃくちゃうれしかったですね。逆に、一番苦しかったのがその大阪ハーフの後の名古屋ウイメンズ（初フルマラソン）でした。4時間15分くらいを目標にしていたのですが、36キロ付近でお腹が大噴火してしまって（苦笑）。トイレが1キロ先だったのでコースを外れて地下街に行き、一般の人と並んでトイレを待っていました。20分以上ロスした上に今度は差し込みが来て・・・、もう散々なレースでしたね。

Marathon（マラソン）
マラソンを走ると人生観が変わるとか言われるので、最初はどんな風に世界が変わるのかなって思っていたのですが、よくわからなくて・・・（笑）。でも、ダイエットで始めたランニングですが、今はもうダイエットのことは考えなくなりましたし、マラソンは毎回しんどいですが、ゴールするとやっぱり達成感があります。今、私は40歳になったのですが、大人になって自分の成長に気づけている人って少ないのかなと思うのです。でも、私はマラソンを通してもっと成長できると思いますし、自分にできることがまだまだあるのだなと思えるのはすごく幸せなことだと思っています。

Training Menu（トレーニングメニュー）

★３months（3ヶ月前）/Training Menu Point

（１）jog（ジョグ）
名古屋ウイメンズに向けての練習は、ジョグがベースになっています。この前の金沢マラソンの時は、海外の有料サービスを使用して作ってもらった練習をこなしていたのですが、思うような結果が得られなかったのです。「全然速くならないし、サブ4を達成できない。」とメソメソしていたら、友人から「もうジョグだけやっておけばいいから。」と言われて、それからはジョグ中心にやってきました。夏場はジョグがしんどい時もあって、メンタル的に落ち込むこともありました。でも、今は続けていくことで足の強化になっていますし、疲労を軽減させることもできています。ここまで、大きな怪我なく走れているのはジョグのおかげだと思っています。

（２）Long Slow Distance（LSD）
3時間、足を止めずに走り切るという練習です。10日に30キロ走に参加したのですが、24キロで終わってしまいました。もう1回トライしようと考えたのですが、疲労がちょっと残っていたのです。それで距離ではなく、3時間走で体を動かしつづけることを優先して、このメニューを入れました。私は、どちらかというとスタミナ派で、ひとりで長距離を淡々と走れるタイプなのでLSDとか3時間走とかは苦になりません。逆にスピード系の練習は、苦手と言いたくはないですが、いつも困難を極めています（苦笑）。

★２month （2ヶ月前）/Training Menu Point

（１）long running（30キロ走）
設定は、レースペースよりも少し早いキロ5分30秒からMペースの40秒くらいでした。でも、途中でお腹が痛くなったりしてペースを上げられず、トータルではMペースよりもちょっと遅いペースで終わりました。それでも30キロをしっかり走り終えたことをプラスに考えて、「ヨシ」としています。ロング走は、基本的に一人で走っています。集団で長い距離を走るのが苦手で、それだと最後まで行けないことが多いです。集団で走るとついていかないといけないとか、みんなはラクに走っているのにひとりだけゼーハーしているからどうしようとか思ってしまい、自分の走りに集中できないのです。人と比べがちなのが問題なのですが、そういう弱さはマラソンの経験を積むことで強くなっていければと思っています。

★１month （1ヶ月前）/Training Menu Point

（１）cross country jog（不整地ジョグ）
公園の芝生の上をゆっくり走っています。この時、私は右のお尻の筋肉痛に悩まされていて、椅子に座っているだけでも痛かったのです。でも、不整地でゆっくりと走っているとお尻がめちゃくちゃほぐれるんです。走り終える頃には痛みがなくなっているので、ほぐしの目的とフォームとかを整えるために不整地ジョグをよく取り入れています。

Another Point -1
Q.「腹痛はどのように克服したのですか？」

A.2019年の名古屋ウイメンズもそうだったのですが、けっこうトイレに行きたくなることが多かったのです。最初は原因がよく分からないので、薬を飲んだり、カイロで温めたり、いろんなことを試したりしたのですが、なかなか克服できませんでした。もう「お腹ピーピーランナー」でやっていこうかなと思ったのですが（笑）、そんなことではいつまで経っても克服できないし、サブ4も無理。改めて自分の腹痛を振り返って考えた時、お通じがちゃんとある時は大丈夫なのです。でも、中途半端だとお腹の中にまだ残っているので、それが走っている最中に降りてくるのです。それが分かったので、今はレースやロング走の時はお通じを最優先にして、「今日は出し切った！」と気持ちをすっきりさせて臨むようにしています。

もうひとつ、メンタル的なこともあったかなと思いますね。レース中、目標の達成が難しくなりそうになった時、風が強いから、お腹が痛くなったからとか、いろいろ言い訳を考えてしまうことってよくあると思うんです。そうすると、気持ちが弱くなってしまい、目標達成をできなくてもしょうがないと思ってしまう。知り合いの強いランナーさんが強さの秘訣として「言い訳をしない！」と教えてくれたこともあって、私もそのことを意識しています。言い訳をしない、覚悟を決めて走ることで、レースがうまく走れるようになりましたし、ここ最近のレース本番では腹痛も起きていません。

Another Point -2
Q.「今後の目標は？」

A.今の目標は3時間45分、サブ3.75をクリアすることですね。昨年の名古屋ウイメンズでサブ4を達成できたので、次の目標として45分切りを掲げたのですが、その時はまだ全然先の話だなって思っていたのです。でも、最近はそのタイムに近づいている感がありますね。サブ3.75は、キロ5分20秒くらいですが、長居公園ではヒーヒーいいながらも走れているので、クリアできないことはないなと思っています。今シーズンは、あと大阪マラソンと名古屋ウイメンズにエントリ―をしていたのですが、大阪がエリートのみのレースになったので、名古屋で達成出来たらいいなと思っています。ただ、今の私にとって5分20秒はけっこう頑張らないといけないタイムなので、45分切りは大きなチャレンジになりますね。

2021年3月14日　名古屋ウイメンズマラソン2021　3時間57分31秒。
0km -5km 28分42秒
5km-10km 27分57秒
10km-15km 27分53秒
15km-20km 27分46秒
20km-25km 27分23秒
25km-30km 28分25秒
30km-35km 28分30秒
35km-40km 28分18秒
40km-FINISH 12分37秒

この時の名古屋ウイメンズ直前に、風邪をひいたり、体調は万全ではなかったのですが、エントリ―費や宿泊交通費などけっこうかかっていたので、「こんなにお金を使って苦しむなんてありえない、もう楽しむしかない！」って思っていました（笑）。レース前もインスタつながりの皆さんから「楽しんで！」とか、優しいコメントをくださることが多くてありがたかったですし、友人からは「キラキラしておいで。」って言われたことがすごくいいなと思って、そうしようと決めてスタートラインに立ちました。レースコンディションは、暴風で大変だったのですが、それすら楽しいと思えましたね。ペースも5分40秒くらいの安定したペースで、たまに上がることもあったのですが、「楽しい！」と思いながら30キロまでたどり着いたのです。途中、何人かのドクターランナーさんに風除けになってもらったのですが、その中の一人の方が「いいペースで走れているよ。誰にも抜かれていないよ！」と声かけをしてくれました。その応援がうれしくて、「もう抜かれたくない。」と思い、そこからごぼう抜きでゴールしようという気持ちになりました。35キロを越えると足が上がらない感じはありましたが、体は元気でしたね。懸念材料だったお腹もこの時は何の問題もありませんでした。36キロ付近、名古屋丸の内付近を通った時は、2年前のレースのことを思い出しました。あの時は、ここでお腹が大爆発して大変だったけど、今回はこんなに楽しく走れていることがすごくうれしかったです。その頃にはサブ4達成を確信していたのですが、ちょうど名古屋ドームに入る前にサブ4のペーサーさんに追いついたのです。「あと少しですよ！」って、止まって声かけてしてくれたので、「ありがとうございます！」と言いながらドームに入りました。ドーム内はダンシングクィーンの曲が流れていたのですが、それに感動してウルウルきて・・・、ゴールした時は目標を達成できた喜びで涙が止まりませんでした。

連載第32回「Breaking Limit」 ～3ヶ月の練習note～

第32回 曽川乃麻（市民ランナー） 言い訳せずに走るマインドが大事。－Breaking 4’00”－

連載第32回「Breaking Limit」～3ヶ月の練習note～

第32回曽川乃麻（市民ランナー）言い訳せずに走るマインドが大事。－Breaking 4’00”－