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COLUMN

連載第28回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2022.01.20
Shun Sato

第28回 山田政俊(市民ランナー) 初フル、サブ3達成のベースはジョグ。-Breaking 3’00”-

中高と陸上部だった山田さん。10年以上のブランクから復活して、初のフルマラソンでサブ3を達成。その成功の秘訣とは?

山田政俊
職業:会社員
年齢:30代
ラン歴:2年
フルPB:2時間55分13秒 (2021年3月28日 なにわ淀川マラソン)

3months Challenge—breaking 3’00”

Start(走り始めたキッカケ)
もともと、中高まで陸上部で走っていました。中学まではかなりガチにやっていたのですが、高校は進学校で、部活よりも勉強で楽しみながらという感じだったですね。高校卒業後は、一度陸上から離れて、10年以上、走っていなかったです。再び走るようになったキッカケは、転職後に社内で催された駅伝大会でした。面接で陸上部にいたことを話していたので、会社のチームに入って駅伝に出ることになったのです。この時は会社の駅伝なので、それほど練習しなくても走れるだろうって甘く見ていたのです。1区を走ったのですが、実際はレベルが高くて20番くらいでした。もっと行けるかなと思ったのですが、思ったよりも走れなくて、すごく悔しかったですね。1年後、見返してやると思って練習を始めたら火がついて、本格的に走るようになりました。

Marathon(マラソン)
マラソンに挑戦しようと思ったのは、ちょうど駅伝の練習をしている時でした。インスタで友人が走った記録とかを投稿している人が多いよって教えてくれて、自分も始めたのです。全国でランニングしている人と繋がっていくと、マラソンでサブ3が目標みたいになっているのをよく見かけました。僕もランニング中心の投稿をしていたので、1回はマラソンを走って、どうせならサブ3を達成しようと思ったのが、マラソンを始めたキッカケになります。マラソンはまだ1回しか経験していないのですが、楽しかったです。同時にタイムを狙うには、いかにラクに走れるか、手を抜いて走れるかが大事かなって思いました。あと、やっぱり沿道の応援ですね。走っているとその声が力になりますし、そういう人達が身近に感じられるのもマラソンの面白さの一つだと思います。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)jog(ジョグ)
サブ3までは、ジョグの延長で行けると思っています。もちろん4分15秒ペースで走れるスピードが必要になりますが、それさえできれば、ジョグで距離を踏んでいけば目標を達成できると思います。ジョグは、その日の気持ちいいスピードで走ることを意識しています。今日は5キロを確実に走ろうとか、キロ5分30秒でいこうとか最初に距離やペースを設定するのではなく、ジョグをしていたらキロ5分だったとか、今日は体が軽いから4分45秒まで上げていけたとか、ぼんやりと10キロくらいかなぁと思って走ったら12キロまでいけたとか、逆に体が重く感じたら7キロで終わらせるとか、自分の感覚を大事にして走るのが大切だと思います。そうして日々、距離を重ねていくのがジョグの目的だと思います。

(2)repetition running(レペティション)
この1ヶ月前、4ヶ月前から本格的にマラソンの練習にシフトしてきたのですが、主にジョグで距離を踏んでいました。この月もほとんどジョグなのですが、それだけだと心肺に刺激が入らないし、スピードが落ちていく可能性があります。たまにキロ4分でペース走を入れていますが、それよりも早い動きを入れて、心肺への刺激と早く走るフォームを思い出し、スピードを蘇らせるというメニューです。夏にこのメニューをけっこう入れてスピードを強化していたのですが、その振り返りという意味もあります。

(3)wave running(変化走)
LT走では、キロ4分で頑張って走っても10キロくらいが限界だったのです。でも、変化走で、2キロをLT走にして、次落として、またLT走で2キロを走ってというのを繰り返すと、10キロ以上走れました。これは、けっこう効果的でしたね。マラソンのレースは一定のペースで走ることがあまりないですし、ペースの上下ってすごくしんどいです。変化走は実戦的な練習になりますし、心肺機能や足の強化になります。距離も伸ばせるので、自分のなかでハマって、今も変化走をよくメニューに入れています。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point



(1)long slow distance(LSD)
この練習は、今回の中で一番効いた練習でした。30キロ走もしているのですが、翌日、足のダメージが大きくて、走れなくなります。でも、3時間のLSDは、ゆっくりペースなので、足は疲れるけど、ダメージがあまりなくて、翌日にジョグで繋いだり、ペース走もできるので、いい感じで練習を組み立てられます。それにマラソンを想定すると、サブ3は3時間走らないといけないので、その時間、体を動かし続けるというトレーニングとしても最適です。この時は、3時間をなんとか無事に動けたので、マラソン本番もいけそうだなという感覚を掴むことができました。

(2)half(ハーフ)
本番の2ヶ月前にハーフのレースを入れるメリットはすごく大きいですね。レースは、アドレナリンが出て、やる気が全然違います。この時は、1時間20分台で走ったのですが、練習で3分50秒くらいのペース走とかはできず、キロ4分ぐらいが一人でやる限界でした。でも、レースになると、それまでの練習よりも早いペースが刻めますし、自分の潜在能力みたいなものが出るので、自分の実力を知るいい機会になります。また、マラソン本番を見据えて、レースの展開をシュミレーションすることも大事ですね。この時は、走り始めは3分45秒くらいの集団について走りました。最後遅れてしまったのですが、普段一人で走っているので、集団走そのものや集団の中での位置取りとかを考えて走ることができるので、そういう意味でもレースを入れるのは必要だと思います。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point



(1)pace running(ペース走
本番までもう1ヶ月を切っているので、この時期は焦っていろんなことをしないことですね。マラソンのペース走ですが、この時は本番を想定して、レースで履くシューズ、ジェルなども持って走っています。本番の慣らし運転みたいな感じです。インターバルは、レースペースよりも早く走り、体に刺激を入れています。1週間ごとに本数を減らしていき、疲労を残さず、かつ心肺に刺激を入れてスピードを落とさないように維持するための練習です。

Another Point -1
Q.「練習メニューを作る上で大事なことは?」

A. 目的意識を持つことだと思います。普通になんとなくインターバルをやろうというのではなく、スピードを維持するためとか、心肺機能を高めるためとか、この練習は何のためにやるのかを考えて作ると、効果的な練習メニューが作れると思います。あと、必要以上に練習をやりすぎないことも大事です。僕は、サブ3を達成するには、4分15秒で走れるスピードと3時間走れるだけの体力があればイケると思っていたので、それだけを考えて、必要以上に走ろうと思いませんでした。そういう割り切りをして練習をしていくことも大事だと思います。必要以上にやり過ぎてしまうと故障に繋がってしまいます。

Another Point -2
Q.「今後の目標は?」

A. 初フルでサブ3を達成できましたが、陸連公認のレースでの記録が欲しいと思っていますので、2月末に「いわきサンシャインマラソン」に出場予定です。3月には地元の「にしおマラソン」、5月は「黒部名水マラソン」にエントリ―しています。来年、「大分別府マラソン」に出場したいので、公認レースでサブ3を確実にクリアしたいですし、できればサブエガまで行きたいと思っています。先日、ハイテクハーフに出場して1時間18分で走れました。「いわきサンシャインマラソン」では2時間45分くらいのペースで刻んでいって、ちょっとバテても2時間50分を切れればと思っています。最終的には、2時間30分を目標に、エリートランナーとしてレースを走りたいですね。マラソン以外では、全日本マスターズの年齢別の1500mで勝ちたいと思っています。

2021年3月28日 なにわ淀川マラソン 2時間55分13秒。
0km -5km 20分42秒
5km-10km 20分37秒
10km-15km 20分38秒
15km-20km 20分47秒
20km-25km 20分48秒
25km-30km 20分38秒
30km-35km 20分19秒
35km-40km 21分00秒
40km-FINISH 9分44秒

スタート直後は、4分15秒くらいのペースを刻んでいる集団を探しながら1、2キロを走りました。ちょうど4分13秒くらいの集団があったのですが、感覚的にちょっと遅いなと感じて、もう少し前にいくと4分7秒前後の集団があったのです。7‐8人くらいの集団だったのですが、ほぼその中にいましたね。10キロくらいから小雨がパラついてきたのですが、集団の中でうまく雨、風よけしながらラクに走ることができました。ハーフは、1時間27分くらいでサブ3に3分くらい貯金ができていました。30キロを越えてもラクに走れていて、「余裕でサブ3はいけるな。」と思っていました。32キロくらいから集団のスピードが落ちてきたので、前に飛び出して4分くらいにペースを上げたのです。そうしたら36キロくらいから足が重くなって、4分13秒から15秒くらいまで落ちました。前に進まず、ラスト2キロは足がつりかけて4分30秒まで落ちて・・・。とにかく足がつらないようにかばいながら走ったのですが、かなりヘロヘロの状態で「早く終わってくれ!」とそればかり考えていました。32キロまではマラソンは余裕だなって思っていたのですが、甘くはなかったですね。ただ、1度走ることでマラソンのイメージを得られたので、今後はこれをベースにスピードを強化し、距離を踏んでいけば、さらにタイムを伸ばしていけると思いました。

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