• instagram
  • youtube
  • rss
スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
  • instagram
  • youtube
  • rss
COLUMN

連載第27回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2022.01.13
Shun Sato

第27回 三好佑貴(市民ランナー) 名古屋ウイメンズの悔しさを乗り越えて。-次はBreaking 3’30”-

走り始めたキッカケはみんなをびっくりさせることからだった三好さん。大阪マラソンでの自己記録更新が途絶えて変わったこととは? さらにサブ3.5へかける情熱とは。

三好佑貴
職業:セレクトショップ「theater」オーナー
年齢:30代
ラン歴:5年
フルPB:3時間33分18秒(2021年3月14日 名古屋ウイメンズマラソン2021)

3months Challenge—breaking 3’35”

Start(走り始めたキッカケ)
走り始めたのは、おかやまマラソン(2016年)がきっかけです。私は陸上の経験もなく、周囲からは1番走らなそうなイメージを持たれていました。そんな私がフルマラソンを走ったら、みんなびっくりするだろうな、っていうのが始めた動機です。でも、いざ練習を始めてみると、まぁ走れない(苦笑)。最初は、「途中で倒れたらいけない。」と母が心配して、自転車で並走してくれていました。でも、走れる距離が増えていくごとに楽しくなって、大人になってからそんな風に面白いって感じることがなかったのです。私は性格的にやると決めたらやりきりたいタイプ、ここでフルマラソンを走る切ることが自分にとって重要なことなんだって思って、レースまで4ヶ月弱、ひとりで練習していました。

Marathon(マラソン)
マラソンを続けているのは、最初のおかやまマラソンの印象が大きかったからです。レースは本当に楽しくて、最初から最後まで感動の連続で、体が疲れる感覚がまったくなかったのです。家族は制限時間の6時間ぎりぎりで戻ってくるだろうと思っていたらしく、私が4時間54分で戻ってきたとき、ゴール地点のスタジアムに誰も来ていなかったんですよ(笑)。疲れて倒れ込むように戻ってくると思われていたのですが、めちゃめちゃ笑顔でゴールしたので、みんなに驚かれましたね。マラソンってこんなに楽しくて、これほど満足感を得られるものはないなって思って、そこからまた走りたいと思ってマラソンを続けるようになりました。これまで9回マラソンを走りましたが、記録を更新することが楽しさや達成感に繋がって、自分の自信にもなります。マラソンは、そのためにやっているところがありますね。

Turning point(ターニングポイント)
私の中で大きなターニングポイントになったのは、2019年の大阪マラソンでした。そこまでずっと自己ベストを更新してきたのですが、そのレースで初めて自己ベストを出せなかったのです。結果が出ないとやっぱり楽しくないですし、その時に、自分が記録を更新することでいかに満足感を得られていたのか分かったのです。それから練習が変わりましたね。前は朝起きた自分のテンションでメニューを決める感じだったのですが、練習内容を調べて、スケジュールを考えて、ノートに記録するようにしたのです。3ヶ月後の名古屋ウイメンズをターゲットにして真剣に取り組んだのですが、コロナ禍の影響でレースがなくなって・・・。調子が良すぎて絶対にサブ3.5達成できると思っていたのです。だからこそ悔しくて、しょうがないと思えるまでしばらく時間がかかりました。でも、ここまでやったのだからもう1回、名古屋に挑戦しようと決めて翌年に出た時、自己ベストを更新することができました。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)buildup running(ビルドアップ)
2019年の大阪マラソン以降に練習ノートを書くようにしたのですが、それ以前は特に記録もしていなくて、ただ楽しいなって思えていた練習がビルドアップでした。最初は、体がまだ寝ている感じなので、体をならす感じで入って、体が起きてくるとペースを上げて、最後はレースペースを越えて自分がきついなって思うくらいで終わっていました。基本的にビルドアップが好きなので、テンションが低い状態で走り始めた時は、ビルドアップしていくとテンションが上がります。

(2)long running(30キロ走)
ロング走はとても重要ですね。足を作るという目的とともにやり切ることで自信にもつながります。本番のレースで、「私は30キロを走っていたし、やりこなせていたのだから大丈夫。」と思うと走れると思うのです。この時の30キロ走は、5分10秒でレースペースよりも遅いのですが、もうちょっと遅くてもよかったかなと思っています。名古屋でサブ3.5を達成できなかった要因のひとつとして、3時間以上体を動かす練習ができていなかったことが、大きかったのかなと思いましたし、いろんな人にもそう言われました。距離はあまり気にせず、長い時間、体を動かすことを優先してほしいですね。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point



(1)long running(20キロ走)
20キロを繰り返すことで、やり切ったという自信を得ることが私にとっては大きいです。本番の3ヶ月前から同じ時間に同じコースを走り、先週と比べてラクに走れているなら、なぜラクに走れていたのか、振り返ってノートに記していました。私はけっこう姿勢が悪くなるので、腹筋を意識して上半身を起こして走ることでラクになったりするのです。ちょっと意識を変えるだけでラクに走れるという気づきの練習でもありましたね。

(2)Marathon Pace,Threshold Pace(Mペース走&Tペース走)
ある雑誌にこの組み合わせのセット練がいいよって書いてあったのです。実際に試してみると、自分にめちゃくちゃハマったと思いました。土曜日に閾値走をやって、日曜日にマラソンペースで走るのですが、土曜日のきつい練習のせいか、日曜日のマラソンペースがすごくラクに感じます。翌週の火曜日に20キロ走をマラソンペースで走りますが、その時もすごくラクに走ることができました。この20キロを含めて3つでセット練になっていますが、今の私にはすごく合っている練習ですし、効果があるので、これが練習メニューの軸になっています。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point



(1)mental(メンタル
レースの月にあまり長い距離を走らないのは、疲れを残したくないのが一番ですが、長く走った時に良い感じで終われないとメンタルに影響するのが怖いからです。私にとっては、メンタルがすごく重要で、ちょっとしたことで気分が落ち込むのです。ひとりで練習しているのもその影響が大きいからです。岡山で仲良くさせてもらっているランニング仲間の方もいるのですが、「走れたよ。」とか「よかった!」とか聞くと、自分と比べてしまって気分が落ち込むのです。練習でもいいイメージで終われないとメンタルに響いてきます。レースはできるだけポジティブな精神状態で迎えたいので、その前は無理をしないようにしていますし、ノートにはこういうことを意識したらポジティブな気持ちになれたとかを書いているので、それを読み返ししたりしてメンタルを整えることを重視しています。

Another Point -1
Q.「今後の目標は?」

A. まずは、サブ3.5をどこかで達成しないといけないと思っています。ただ、この時の名古屋ウイメンズがちょっとトラウマになっていて、3月の名古屋はエントリ―していません。今年の秋、おかやまマラソンに当選したら、そこで達成したいなと思っています。サブ3.5を達成したら、地元のマラソン大会とかで5時間くらいのペーサーをやりたいですね。走り始めた時から沿道の方やいろんな人に応援されましたし、今のお店をオープンする時もいろんな方に支えていただきました。いつも応援される側だったので、これからは応援する側になりたいなと思っています。

2021年3月14日 名古屋ウイメンズマラソン2021 3時間33分18秒。
0km -5km 24分19秒
5km-10km 24分57秒
10km-15km 25分16秒
15km-20km 24分49秒
20km-25km 24分27秒
25km-30km 24分42秒
30km-35km 25分23秒
35km-40km 27分49秒
40km-FINISH 11分36秒

この時は、スタートからずっと調子が良くて、サブ3.5のペーサーの集団にいました。35キロ地点までは、体も心もまったくしんどくなかったですね。「このままついていけばいいんだ!」と思っていましたし、人について走るのはこんなにラクなんだって、初めてのことで感動していました。しかも集団のメンバーは、みんな同じ目標を持った人ばかりですし、久しぶりにレースを走れることが本当に楽しかったのです。これで目標を達成できたら「今日は人生で最高の日になるのだろうな。」とさえ思っていました。でも、35キロを越えたときに、初めて右足のふくらはぎがつったのです。それまで練習でも足をつるという経験をしたことがなかったのでパニックになってしまって、とりあえずペースを落として走りました。ちょっと良くなったかなと思うと今度は左足がつって、そうして集団からどんどん離れていった時、そのショックでメンタルがやられて・・・。でも、ここまでサブ3.5を達成するために一生懸命に走ってきたので、この足でもできるベストを絶対残そうと思って走りました。2019年の大阪マラソンの時も含めて、それまではヘラヘラと走っていたのです(笑)。大阪マラソンで初めて自己ベストが出せずに終わったあと、レース中の写真を見た家族から「これ、スゴイ余裕あるよね、この地点でこんなに笑えるなら最後まで本気出して走ってみてもいいんじゃない?」って言われたのです。そう言われてみて、たしかに今までちゃんと本気で取り組んだことはなかったかもと気づいて、初めて、練習もレースも集中して本気で臨んだのが、この名古屋でした。足がつってもなんとか自己ベストを死守できたのはその強い思いがあったからかもしれませんが、やっぱりサブ3.5を達成できなかった悔しさがあって、レース後、初めて泣いたのです。正直、この名古屋は自分の記憶から抹消したいくらいのレースでしたが(笑)、今はノートを見て振り返り、もっとこんなことができたんじゃないかと、次に活かせるレースになったかなと思っています。

■関連記事
第26回 ランニング食堂さん(ランチューバー) サブ3.5はジョグの延長でクリアする。-Breaking 3’30”-
第25回 平田ひより(市民ランナー) 走るのは、いつも誰かのために。-Breaking 3’15”-
第24回 藤井千裕(市民ランナー) 目標はタイムではなく、自分の成長。 -Breaking 3.0-
第23回 横山航希(市民ランナー) 24時間勤務明けでもジョグで足作り。-Breaking 2.5-
第22回 井本政幸(市民ランナー) 時短練習でも目標はクリアできる。-Breaking 3.5-
第21回 池田慎矢(市民ランナー) 1096日、毎日走り続けて。-Breaking 3.0-
第20回 勝山真衣(市民ランナー) ノージョグでもタイムは伸びる。-次はBreaking サブ2’45”-
第19回 正田浩一(市民ランナー) 「猫トレ」で限界を越える。-次はBreaking 3’00”-
第18回 釜萢 文(市民ランナー) 単独ロング走でメンタル強化。-サブ4達成-
第17回 平沢侑花(市民ランナー) 今、走るのは心と体を定位置に戻すため。-サブ3.5達成-
第16回 修平さん(市民ランナー) レースこそ最高の練習。-次はBreaking 3’00″-
第15回 丸山芳明 (市民ランナー) 速いジョグでベース作り。-サブ3.15突破-
第14回 岩出玲亜 レース60日前からは攻めて、自信をつける。-Breaking 3’30″-
第13回 YUIさん(市民ランナー) 2週連続のフル、2週連続のPB。-サブ3.5に迫る-
第12回 冨井菜月(市民ランナー) 皇居ランが私のベース。-サブ3達成-
第11回 松永健士(市民ランナー) 健ちゃん練メソッド。-サブエガ達成-
第10回 近藤浩志(市民ランナー) 50代でどこまで速くなれるか!-サブエガへの挑戦-
第9回 キヨさん(市民ランナー) コツコツと11回連続PB更新中。-サブ3.15ブレイク-
第8回 小山成祐(市民ランナー) 12年間のブランクを経てリスタート、サブ2.5を目指す。
第7回 芦野さやか(市民ランナー) 楽しく、できっこないをやりきる -サブ3.10突破-。
第6回 廣瀬ゆう子(市民ランナー) 初フル、ヨガ効果でサブ4ブレイク。
第5回 田中友浩(市民ランナー) 20キロ減でサブ4クリア。
第4回 マリランさん(市民ランナー) ロングでの脚作りが生命線 -サブ4突破-。
第3回 大城絵里奈(市民ランナー) 早朝4時半からのチャレンジ -サブ3.15突破-。
第2回 海野敬太郎(市民ランナー) ネガティブスプリットでサブ3.5をブレイク。
第1回 神野大地 「継続」の先に、サブ4達成が見えてくる。

runnerspulse
runnerspulse
RECOMMEND
CATEGORIES