Runners Pulse

第22回井本政幸（市民ランナー）時短練習でも目標はクリアできる。－Breaking 3.5－

会社のランニングイベントで悔しい思いをした井本さん。ダイエットも兼ねて走り始めたものの、初めてのマラソンでの挫折や育児に追われる中、サブ3.5を達成できた時短術とは？

井本政幸
職業：会社経営
年齢：40代
ラン歴：4年
フルPB：3時間25分07秒（2021年10月31日　金沢マラソン）

３months Challenge—breaking 3’30”

Start（走り始めたキッカケ）
最初は、皇居を10キロ走る会社のイベントに参加したことでした。当時は体重が70キロくらいあって、「マラソンする人って頭おかしいのとちゃうかな。」と思っていたんですよ（笑）。走ると、もうダメダメで、年上の人や女性社員に抜かれて、僕だけ5キロでやめてしまい、見事に最下位だった。それがもうめちゃくちゃ悔しくて、ダイエットも兼ねて走り始めたのがキッカケですね。それから体重が落ち始めてきたので、タイムを気にせずに「完走できたらいいな。」というレベルで河川敷などの草レースに出ていました。初めてのマラソンは、京都の木津川マラソンです。6時間36分かかりました（苦笑）。その頃は、ハーフくらい走れるようになっていたので、フルだと4時間ちょっとくらいでいけるかなって思ったのですが、甘かったですね。何の知識もなく、ジェルとかも携帯せずに丸腰で突っ込んでいった状況なので、ハーフまではいけたのですが、それ以上は完全にエネルギー切れでほぼ歩き。ゴールした時は「もう絶対にやらへん！」と思いました。

Marathon（マラソン）
マラソンの面白さは、普段の練習分だけがそのまま返ってくるところですね。ゴルフとかは、練習していなくても、その日たまたまついていてスコアが良かったり、運的な要素も大きいですけど、マラソンは、一切ごまかしが利かないですよね。運が良くて42.195km走れたとかないと思うんですよ。運的要素が排除されて、自分の脚だけで勝負するところが好きです。走ることやマラソンは、ビジネスにもいい影響を与えてくれています。走り出してからは、会社の業績も上がりました。走っているといいアイデア、おもしろい発想が浮かんでくるのです。自分の頭の中でひとり営業会議をして、「こういう事業展開したらおもしろい。」「こういう人員配置をしたら効率が良くなる。」とか、仕事の整理ができるのです。以前はダイエット目的なところもあったのですが、今は走りながらビジネスのことを考えていることが多いです。

Training Menu（トレーニングメニュー）

★３months（3ヶ月前）/Training Menu Point

（１）run & bike（ラン＆バイク）
毎日走っていた時は、脚のどこかが痛いとか、腰が痛くなったりしていたのです。練習は、走るのが一番ですけど、そればかりしていると怪我が怖いんですよ。その予防とトレーニングを兼ねて自転車を買って通勤しています。毎日、同じ場所に刺激を入れるのではなく、自転車で違うところにも刺激を入れるという考えです。これを取り入れてからは、ランペースが上がりましたし、怪我がまったくなりました。

（２）interval（インターバル）
400m×5本のインターバルは、ランだけだと、気持ちいいだけで終わってしまいますし、上のレベルに行くにはスピードを上げないと対応しきれないと思ったのでメニューに入れました。インターバルはトラックではなく、住之江公園や長居公園でしていました。練習は、ミズノの練習会に行く以外はひとりで走っています。いつもひとりなので、練習会などで自分よりも早い人と一緒に走ると刺激になりますし、ペーサーがつくとラクに走れるなって思います。本当は、どこかのチームに入って練習したい気持ちもありますが、まだ子どもが小さいので、もう少し時間的な余裕ができたらと考えています。

★２month （2ヶ月前）/Training Menu Point

（１）long running（ロング走）
それまでまったくレースを走っていなかったですし、ロング走も出来ていなかったのです。仕事が終わってから30キロ走って家に帰ると時間が遅くなりますし、子どもの面倒を見ないといけないので、なかなか時間が取れなくて。この時のペースは、キロ4分40秒から50秒くらいです。20キロくらいまでは、ペースを維持できていたのですが、25キロ過ぎになるとガクッとペースが落ちました。ロング走をしていないし、それが弱点だとわかっていたので、それは想定内だったのですが、全体を見ると4分39秒ペースでいけたのでちょっとホッとしました。

（２）high altitude training（ハイアルチ）
前に横浜マラソンでサブ4を目指して走ったのですが、力及ばす、4時間を切れなかったのです。休日に、ロング走とかなかなか走る時間が取れないので、少しでもプラスになるようにと考えて、家の近くにあるハイアルチに入りました。3000mくらいの高地の設定で、30分走るのですが、心肺機能が高まりましたね。ガーミンをつけて外で走った時、心拍数があまり上がらなくなりましたし、すごく効果があると思います。

★１month （1ヶ月前）/Training Menu Point

（１）long running（ロング走）
自分に足りないのは、距離走だとわかっていたので、あえて20キロと30キロを入れています。豊洲の20キロの部は、設定タイムをクリアできましたし、自分ひとりだけだったので、表彰してもらいました（笑）。30キロのロードレースは、2時間20分切りを目標にしました。キロ4分40秒くらいで刻んでいったのですけど、後半落ちて来て、何とかクリアできた感じです。性格的にネガティブスプリットとかイーブンで走ることができなくて、「撃沈上等」で突っ込んでいく、いけるところまでいって、30キロで止まったらあとは歩いてもいいというタイプです。僕は、タイムの割に月間走行距離が120キロくらいなので、非常に少ないと思いますが、その分、ハイアルチやトレッドミルで斜度をマックスにして3キロ走をするなどして、走れない分を補っています。

Another Point -1
Q.「今後の目標について？」

A. 3時間15分切りが目標です。ただ、今のままの練習量だと厳しいなって思っています。ここから上のレベルを目指すとなると、ミズノでの練習会で話を聞いたりするのですが、質の高い練習をある程度の量をこなしていかないといけないなと思います。基本的にひとりで練習をしているので、なかなかしんどい部分もあるのですが、練習できない分、レースに出ることで力をつけて行けたらと思っています。今後、奈良、愛媛、大阪と3本マラソンを入れています。コロナ禍の影響で中止になることを考えてエントリーしたのですが、3本とも走れそうなので、ロング走の一環として、走ろうと思っています。

2021年10月31日　金沢マラソン　3時間25分07秒。
0km -5km 23分39秒
5km-10km 23分16秒
10km-15km 22分52秒
15km-20km 23分06秒
20km-25km 23分26秒
25km-30km 24分18秒
30km-35km 24分51秒
35km-40km 25分30秒
40km-FINISH 11分24秒
※ネットタイム参照（3時間22分32秒）

公認レースでサブ3.5を達成するためにキロ4分40秒ペースで走ろうと思い、25キロまではそのペースで行けました。ただ、その後は予想通り落ちて、30キロを越えると足が動かなくなりました。「30キロの壁、いらっしゃい！」という感じでしたね（笑）。暑さもあり、5分台にペースダウンした時もあったのですけど、いつものことなので、あとは気持ちで走りました。キツかったですけど、久しぶりの都市型マラソンでワクワクしていましたし、走っていることに酔いしれていたところもあったので楽しかったです。そのせいか、苦しいけど滅茶苦茶しんどいというのはなかったですね。河川敷のレースとはエライ違いです。普段走れないところを走るのは気持ちいいですし、タイム的にも満足できる内容だったと思います。

連載第22回「Breaking Limit」 ～3ヶ月の練習note～

第22回 井本政幸（市民ランナー） 時短練習でも目標はクリアできる。－Breaking 3.5－

連載第22回「Breaking Limit」～3ヶ月の練習note～

第22回井本政幸（市民ランナー）時短練習でも目標はクリアできる。－Breaking 3.5－