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COLUMN

連載第13回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2021.09.30
Shun Sato

第13回 YUIさん(市民ランナー) 2週連続のフル、2週連続のPB。-サブ3.5に迫る-

2週連続でフルマラソンを走った上にPBを更新したYUIさん。その後、ママさんランナーとなりどのようにランニングと家庭に向き合っているのだろうか?

YUIさん
年齢:30代
職業:育休中
ラン歴:6年
フルPB:3時間36分29秒(2019年12月8日 さいたま国際マラソン)

3months Challenge—breaking 3’40”

Start(ランニングを始めたキッカケ)
以前、私がまだ仕事をしていた時、運動不足で「ちょっと太ってきたなぁ~。」と思っていたんです。父が市民ランナーとして走っていたので、一緒について家の周りをダイエットの目的で走り始めたのがスタートでした。私は陸上経験者ではないので、最初からガチに走る感じではなかったですね。何キロ走っているのかも分からなかったですし、スピードも適当で疲れたらやめるみたいな感じだったので、イヤになることもなく、気持ちいいなっていうレベルで走っていました。

First marathon(初めてのマラソン)
本格的に走り始めたのは、表参道ウイメンズマラソンに出てからです。好奇心で応募したら当選して、そこから距離と時間を意識して走り始めました。マラソンをやろうと思ったのは、その表参道ウイメンズの経験からです。レースを走っている時、沿道の知らない人たちから「がんばって!」と応援されたのですが、今までそういう経験がまったくなくて、すごくうれしかったんです。泣きそうというか、すごく感動して、こんな世界があるんだなって思って、またレースに出たいと思いました。走り切った後の達成感もすごくて、「やり切ったぞ!」という経験をこれまでしたことがなかったので、すごく新鮮でしたね。初めてのフルは長野マラソンだったのですが、目標の4時間半を切れた上に最後は余裕もあって気持ちよく終われたんです。ちょうど4月に仕事上で異動とか、嫌なことばかりあったのですが、フルを走り終わった後、仕事の悩みとかどうでもよくなって(笑)。自分はフルマラソンを走れるんだという自信がついて、日常生活でもポジティブマインドが手に入り、そこからさらにマラソンにのめりこんでいきました。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)morning run(朝ラン)
子どもが生まれる前の平日は、仕事前に5キロから10キロをほぼ毎日走っていました。休日は20キロ走をしたり、トレイルで山に行ったり、この時は走ることがすべてだったので、休みも遊ぶ=(イコール)走る、とか山に行くなど、けっこうガツガツ走っていました。でも、サブ3とか、大きな目標がなかったですし、インターバルとかのスピード練習も入れていなくて、練習メニューでこれをしないといけないみたいなこともなかったです。もともとスピード練習とかは好きではなかったので、朝ランでコツコツ走って、休日は遊びながら走っていたら、いつの間にか早くなっていたという感じです。

(2)no rest(ノーレスト)
この月はほとんどレストしていないですが、全然問題なかったです。基本的に朝ランとかもキロ6分とか、そんなに早く走っていないですし、無理していないので足にも負担がかからなかったのだと思います。「さぁ今日も走ろう。」という感じで続けていったら、いつの間にか距離を踏んでいた感じです。でも、レストがほとんどない中、これだけ走れたのは自信になりました。

(3)Time Trial(20キロTT)
これは日産スタジアムの回廊でやりました。20キロのペース走で、練習会のメニューだったのですが、キロ4分58秒で気持ちよく走れて、レース前はこの時が一番調子良かったですね。メンバーの方に、「このままキロ5分で最後までいければサブ3.5を目指せるね。」って言われたので、サブ3.5を頑張ってみようかなという欲が出たのですが、そうしたら次から急に走れなくなって・・・。自信もなくなって、翌月の30キロのペース走まで、ちょっと苦しみました。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point



(1)tempo running(ペース走)
30キロのペース走が一番、効果がありました。ロングのペース走は、きついですけれど、これをこなすとフルマラソンの後半30キロ以降もペースが落ちることなく走れますし、逆にそこからひとつギアを上げていけるんです。この時は、友人にペースを作ってもらって、やり切ったのですが、5分20秒で押していけて満足感がありました。先月の20キロTTから走れなくなって自信を失っていたのですが、ここで回復することができて本番のレースに向けて、「いける!」という感触を得ることができたのですごく大きかったです。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point



(1)marathons two weeks in a row(2週連続マラソン)
2018年に、この時と同じように湘南国際マラソンを走った後、さいたま国際マラソンに出てPBを更新することができました。よく雑誌やウエブ上では、レースの1週間前は10キロ前後で疲労を抜いてみたいなことが言われていますよね。でも、私は2週連続でフルを走った方がなぜかタイムが良くて、長く走った感覚が体に残っているうちにまた長い距離を走った方が調子がいいのです。30キロ過ぎて、このくらいの疲れ具合だとまだいけるとか、こんなに疲れているのはやばいなとか、そういう体の感覚が、連続でレースをしているとすごく研ぎ澄まされて、いろんなコトンロールがレース中にできるんです。ダメージは多少ありましたけど、「2週連続のレースだ。どうしよう。」ではなく、すごくワクワクしていましたし、さいたま国際マラソンまでの1週間を非常にポジティブに過ごすことができました。

Another Point -1
Q.「今後の目標は?」

A. 2022年4月のUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)に出場して、完走するのが一番大きな目標です。トレイルがすごく好きで、この大会にはずっと出たいと思っていて、出場枠も持っているのですが、今はさすがに山に行く時間が取れないので、ちょっとモヤモヤしています。フルマラソンは、PB更新に向けてチャレンジしていきたいと思っています。目標としてはサブ3.5が近いですが、今は20キロ走るだけですごく疲れてしまうので、走力が落ちたなぁと感じています。この状態ではサブ3.5もかなり高い壁なので、まずは自分の走りを取り戻して、自己ベストを越えたいですね。

Another Point -2
Q.「ママさんランナーになって大変なことは?」

A. 子どもが生まれてからは、朝ランがメインです。平日は夫が家を出るのが早く、帰りが遅いのでほぼワンオペになっているところで走る時間を作るため、そのタイミングしかないんです。走る準備をして、走って、シャワーを浴びてと一連のことを考えると走れる時間は30-40分程度。そこでいかに満足できる走りができるかが自分のモチベーションになっています。今は、走ることに貪欲になっているので、雨でも「走るぞ!」と外に出ていきますし、朝ランのスピードが上がりました。以前はキロ5分半ぐらいだったのですが、今は5キロをキロ4分台で走り切れるようになりました。1日1回5キロを走ることができればリフレッシュできるので、子どもがグズッていても「まぁ、いいか。」と思えますし、夫を笑顔で送り出すこともできます。夫と時間の取り合いみたいな時もありますが、週末には20キロのロング走に行かせてもらっていますし、1回1回走れることに感謝して走り続けています。

2019年12月8日 さいたま国際マラソン  3時間36分29秒。(1kmの平均ラップタイム)
0km -5km 25分54秒 (5‘10“)
5km-10km 25分16秒 (5’16”)
10km-15km 25分10秒 (5‘02“)
15km-20km 25分15秒 (5’03”)
20km-25km 25分31秒 (5’06“)
25km-30km 25分38秒 (5’07”)
30km-35km 25分21秒 (5‘04“)
35km-40km 25分20秒 (5‘04“)
40km-FINISH 11分55秒 (4’52”)

さいたま国際マラソンのコースは、湘南国際マラソンと比較すると、アップ&ダウンが多いので、自分的には得意なコースでした。あの坂を上ったら次は下りだとか、目標が立てやすいので、飽きずに走ることができるからです。ペースは最初イーブンで入りました。マラソンは、だいたいいつもイーブンからちょっとのビルドアップで終われるように考えています。なぜなら、最後に失速するとゴールがつらいんです。前半余裕があって、後半ちょっと苦しいぐらいで走れるマラソンが好きです。この時のさいたま国際マラソンはまさにそんな理想的なレース展開で、1週間前の湘南国際マラソンで出したタイムを2分ぐらい縮めてPBを更新することができました。実は、この時、すでに妊娠していて、この1週間後の沖縄100キロに出た後、気が付きました(笑)。

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