• instagram
  • youtube
  • rss
スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
  • instagram
  • youtube
  • rss
COLUMN

連載第26回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2022.01.06
Shun Sato

第26回 ランニング食堂さん(ランチューバー) サブ3.5はジョグの延長でクリアする。-Breaking 3’30”-

2022年の最初に登場するのはランニングユーチューバーのラン食さん! サブ3.5を目指す人への金言をいただいたので要チェックです!

ランニング食堂(山田祐生)さん
職業:ランニングユーチューバー
年齢:20代
フルPB:2時間17分37秒 (2021年2月28日 びわ湖毎日マラソン)

3months Challenge—breaking 3’30”

breaking 3’30”(サブ3.5)
僕は、フルで3時間15分くらいまでは基本的にジョグの延長でクリアできると思っています。たとえば、目標タイムが2時間20分だとすると、1キロ3分20秒で走るので、そのレベルで走れない人はスピードをつけたり、長く持続させるために特化した練習をしないといけません。でも、サブ3.5の場合は4分58秒ですので、僕はそのために特化した練習やポイント練習は必要ないと思っていますし、まずは長い距離を走れる体作りが大事だと思っています。そのためには、1日1日のジョグの時間を確実に増やしていくことが重要になります。ポイント練習よりも、まずはジョグを毎日しっかりやっていく。ただ、どうしてもジョグだけですと飽きてしまうので、ちょっと追い込むような練習を入れて、変化をつけるといいかなと思います。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)what to do(3ヶ月前にすべきこと)
レース3ヶ月前は、ゆっくりでもいいので長い距離を走りたいですし、一番走り込みたい時期です。そのために90分~150分のジョグを入れています。月間走行距離でいうと、約300キロは欲しいですね。これは僕の主観ですが、2時間20分を切ろうとすると月間300キロでは走れないと思っていますし、400キロでも勝負にならない。600キロはいかないとマラソンを楽しめないと思っています。僕は今、月間500キロくらいですが、ある程度は3分20秒のイーブンで押していけますが、それでも30キロから35キロ付近で足が売り切れてしまいます。後半にビルドアップやタメを作るためには、600キロを走って足を作らないといけないと思っています。サブ3.5を狙うランナーはここまで走る必要はありませんが、月間200キロ以上は走ってほしいなと思います。

(2)jog(ジョグ)
ジョグのペースは、気持ちいい状態ということにしていますが、目安として1キロ5分30秒くらいでいいと思います。そのペースで走ってキツかったり、翌日、疲労が残っていたらちょっとペースを落として、自分が楽に走れるジョグのペースを見つけてください。ジョグは、距離を追わないようにしています。距離ですと、ペースが早い人と遅い人で強度が変わってしまうからです。僕がジョグをキロ4分で60分走ると15キロですが、キロ6分ですと10キロになってしまいます。ジョグは距離を走る練習ではなく、運動時間を確保するのがメインですので、時間をベースに走る習慣をつけてほしいなと思います。

(3)buildup(ビルドアップ)
いつも通りラクなペースでジョグ(目安として5分30秒)を始めて、ちょっとずつ上げていき、ラストにハーハーゼーゼーするくらいのペースにもっていくのが理想です。この練習は今も自分のメニューに取り込んであって、僕は「TTジョグ」と呼んでいます。以前、ジョグだけで練習をしていた時、10キロをキロ4分30秒からスタートして、最後は3分20秒まで上げて、心拍に刺激を入れていました。それを自分の中でのタイムトライアルと考えていたのです。これは、無理にトライする必要はありません。走り出してキツければ、ジョグのままで進めて、調子が良ければ「TTジョグ」にトライしてほしいと思います。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point



(1)what to do(2ヶ月前にすべきこと)
この月は、マラソンペースを意識した練習に入ります。しっかりと距離を踏みつつですが、メニューの中で変化をつける感じで、変化走を入れています。最初はマラソンペースを意識して、途中でペースを上げますが、またMペースに戻します。ちょっときつい練習ですが、これは追い込むという感じではなく、練習に変化をつけるという意味合いが強いですね。

(2)wave running(変化走)
9キロの変化走ですが、マラソンペースを意識して1キロ5分で入ります。次の1.5キロを4分45秒±10くらいに上げるので心拍数が上がります。乳酸が溜まるかどうかのレベルだと思うのですが、そこまで刺激を入れて、またMペースに戻します。次の1.5キロで4分30秒まで上げて、もう1回Mペースの5分に戻すのが理想です。ここでは上げた段階で終わっていますが、余裕がある人はMペースに戻して2-3キロ走ってください。追い込んだ体をマラソンペースに戻すことで体を回復させていくのがこの練習の目的なので、時間がない場合はダウンでいいので少し走って終わらせてほしいと思います。

(3)long jog(150分ジョグ)
僕はマラソンを走る上で、マラソンペースでの練習とレースタイムを知る練習が必要だと思っています。ちなみに僕の今の練習でいうと、キロ3分15秒で15キロを走る練習と140分間のジョグの両方が必要だということです。例えば土曜日にマラソンペースを意識した練習をしたら、翌日はレースタイムを追う練習をしてほしいのですが、サブ3.5だと210分間になってしまいます。この時間を走るのはなかなか大変なので、ちょうどいい塩梅なのが150分です。これはマラソンを走る上でマストですが、毎週末150分を走ると怪我したり、メリハリがつかなくなるので150分を1回走った後は100分にしたり、時間を調整していくといいと思います。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point



(1)what to do(1ヶ月前にすべきこと
1ヶ月前になるとテーパリングを意識したメニューになっていきます。1週間ごとにペースは変わらないですけど、走る距離は落としていきます。レース3週間前にハーフか15キロをマラソンペースで走り、2週間前は12キロをマラソンペースで走る。1週間前は10キロをマラソンペースで走り、4日前にマラソンペースで1キロを走る。距離を落としてもマラソンペースで走るという強度を落とさず、レース前までに体を十分に回復していくことが大事ですね。

(2)lose weight(ウエイト管理
市民ランナーの方は、この時期、体重をしっかりと管理した方がいいですね。ジョグの時間も距離も落としていくので、いつもと同じ量の食事を摂っていると疲労は抜けていくけど、体重は増えていきます。僕はこの時期、1日80分間のランニングを目標にしているのですが、1回でそれだけ走れなかった時は食後に20分くらい散歩したり、何かしら動くようにしています。体重を1キロ減らすと3分早くなると言われているので、逆に1キロ増えると3分遅くなるのではもったいない。レースまでは体重管理をして増え過ぎないようにしていきましょう。

Another Point -1
Q.「調整がうまくいかない、痛いところがある場合、レースはどうすべきですか?」

A. 意外とそういう時の方が走れたりするので、そんなに気にすることはないと思います。1ヶ月前になって焦ってあれこれ手をつけても1ヶ月後のレースを走る自分には効果がないので、それだったらワンチャンに賭けて疲労を抜いて臨んだ方がいいですね。ずっと練習をしてくると、基本的にはどこかしら痛いと思います。ただ、1ヶ月前の練習ではケガをしないような練習になってきますし、筋肉痛とかのレベルであれば10分走っていると体が温まってくるので、ラクになって走れるようになります。重症の場合は、もちろんやめた方がいいですが、基本的にレース前までは体はキツイですよというのが僕の考えでもあるので、ちょっと走って痛くないならそのまま走っていいと思います。

Another Point -2
Q.「ボッチ練とチーム練、それぞれのメリットを教えてください。」

A. 個人では自分に合った練習ができるのですが、チームでやると自分のひとつ上のレベルの練習ができます。僕は、チームではポイント練習で、自分ひとりじゃできない練習、やらないといけないきつい練習をしています。例えば、3分5秒とか走る練習はひとりだときついのでチームでやって、翌日は自分の体と相談しながらロングジョグをしたり、個人で練習をしています。ドラクエでいうと週1ではぐれメタルを倒して、週6でスライムをバシバシ叩いて自分のレベルを上げるみたいな感じです(笑)。毎日チームでやると、自分の体との相談ではなく、チームの全体の練習が先にくるので、そうなると怪我しやすくなってしまいます。せっかくいい練習をしても怪我をしては意味がないので、うまく使い分けていくことが理想ですね。

■関連記事
第25回 平田ひより(市民ランナー) 走るのは、いつも誰かのために。-Breaking 3’15”-
第24回 藤井千裕(市民ランナー) 目標はタイムではなく、自分の成長。 -Breaking 3.0-
第23回 横山航希(市民ランナー) 24時間勤務明けでもジョグで足作り。-Breaking 2.5-
第22回 井本政幸(市民ランナー) 時短練習でも目標はクリアできる。-Breaking 3.5-
第21回 池田慎矢(市民ランナー) 1096日、毎日走り続けて。-Breaking 3.0-
第20回 勝山真衣(市民ランナー) ノージョグでもタイムは伸びる。-次はBreaking サブ2’45”-
第19回 正田浩一(市民ランナー) 「猫トレ」で限界を越える。-次はBreaking 3’00”-
第18回 釜萢 文(市民ランナー) 単独ロング走でメンタル強化。-サブ4達成-
第17回 平沢侑花(市民ランナー) 今、走るのは心と体を定位置に戻すため。-サブ3.5達成-
第16回 修平さん(市民ランナー) レースこそ最高の練習。-次はBreaking 3’00″-
第15回 丸山芳明 (市民ランナー) 速いジョグでベース作り。-サブ3.15突破-
第14回 岩出玲亜 レース60日前からは攻めて、自信をつける。-Breaking 3’30″-
第13回 YUIさん(市民ランナー) 2週連続のフル、2週連続のPB。-サブ3.5に迫る-
第12回 冨井菜月(市民ランナー) 皇居ランが私のベース。-サブ3達成-
第11回 松永健士(市民ランナー) 健ちゃん練メソッド。-サブエガ達成-
第10回 近藤浩志(市民ランナー) 50代でどこまで速くなれるか!-サブエガへの挑戦-
第9回 キヨさん(市民ランナー) コツコツと11回連続PB更新中。-サブ3.15ブレイク-
第8回 小山成祐(市民ランナー) 12年間のブランクを経てリスタート、サブ2.5を目指す。
第7回 芦野さやか(市民ランナー) 楽しく、できっこないをやりきる -サブ3.10突破-。
第6回 廣瀬ゆう子(市民ランナー) 初フル、ヨガ効果でサブ4ブレイク。
第5回 田中友浩(市民ランナー) 20キロ減でサブ4クリア。
第4回 マリランさん(市民ランナー) ロングでの脚作りが生命線 -サブ4突破-。
第3回 大城絵里奈(市民ランナー) 早朝4時半からのチャレンジ -サブ3.15突破-。
第2回 海野敬太郎(市民ランナー) ネガティブスプリットでサブ3.5をブレイク。
第1回 神野大地 「継続」の先に、サブ4達成が見えてくる。

runnerspulse
runnerspulse
RECOMMEND
CATEGORIES