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COLUMN

連載第20回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2021.11.18
Shun Sato

第20回 勝山真衣(市民ランナー) ノージョグでもタイムは伸びる。-次はBreaking サブ2’45”-

友人に誘われるまで、本気で運動をしたことがなかった勝山さん。今となってはサブ3を達成し、さらに次の目標に向かって走っていける秘訣とは!?

勝山真衣
職業:会社員
年齢:20代
ラン歴:5年
フルPB:2時間50分02秒(2021年11月3日 ぐんまマラソン)

3months Challenge—breaking 3’00”

Start(ランニングを始めるキッカケ)
私は人生で初めて何かを経験する際、友人に誘われて始めることが多くて、走ることもそうでした。友人に「名古屋ウィメンズマラソンに、思い出作りとして出てみない? 真衣ならやってくれるかなと思って。」と言われて誘われたのが嬉しくて(笑)。それまで本気で運動したことがほとんどないし、短距離も遅かったので迷ったのですが、「思い出作りなら!」と思って走り始めたのが最初のキッカケですね。
最初7キロからスタートしたのですが、ものすごい筋肉痛で、表参道でランチして、すぐに帰るくらい体が動かなかったです(苦笑)。練習は、もっぱら夜走っていました。日焼けするのがイヤなので、暑い時も長袖を着ていましたね。中学時代、テニス部のコート整備係で真っ黒になっていたので、ずっと芸能人や両親のような白い肌に憧れていました。走り始めても最初の頃は白い肌をキープできていたのですが、タイムにこだわるようになってから黒くなりました(笑)。

Marathon(マラソン)
最初の頃は、マラソンの楽しさというよりは、「汗をかいてストレス発散」みたいな感じでした。でも、初マラソンの名古屋ウィメンズを、4時間25分で走れたのです。ゴールした時、運動で初めて達成感を感じましたし、「あまり練習していない中で、このタイムを出せるなら練習したらもっとできるんじゃないかな。」ってその時思いました。本格的に練習をしてマラソンを始めようと思ったのは、大阪マラソンでした。実家が大阪なので、走っている姿を両親に見せたいと思ってエントリーしたら、当選して出場することができたのです。タイムは3時間50分ぐらいでしたが、その頃は出る大会すべてで記録が出たので、ハマってしまいました。マラソンは、ケガをしたり、満足がいく練習ができない時もあるのですが、それでもいろんな練習をして、繰り返すことでタイムが伸びていくのが楽しいですね。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)no jog(ノージョグ)
この3ヶ月のメニューには、ジョグは入れていません。週末ペースメーカーとして、キロ5分で走っているので、それを早めのジョグにしている感覚です。以前は入れていたのですが、何のためのジョグなのかなと思ったからです。会社に行く前に早起きして走って、疲れて、仕事して、走るために睡眠時間を削らないといけないとなると、ジョグをやる意味が見えなくなって、私の中ではムダだなって思ったんです。単に走行距離を稼ぐとか、なんとなく走るのはやめにして、スピード練習、ペース走など質の高い練習だけにしています。月300キロを越えると怪我をすることが多かったので、今は月250キロから280キロに抑えています。

(2)interval(インターバル)
マラソンですとチーム内でもまぁまぁ早いのですが、スピードがないので400mとか200mはビリなんです。私は気持ちが強いとよく言われますが、不得意なことをやって悪いイメージをつけるのはイヤなので、自分の練習は1000mが一番短い距離です。トラックでの5000mよりもマラソンのタイムを出したいので、スピードは1000mまででいいかなと思っています。ペースは、マラソンがキロ4分なので、それよりも30秒早めて、それに慣れる感じです。基本的には3分30秒の設定で、単独練習の場合は、3分40秒です。3ヶ月間、同じメニューを繰り返していますが、同じことを同じ時間でやって、比較することで、調子の良し悪しがよく分かります。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point



(1)long run(30キロ走)
距離走30キロを2本入れたのは、今回が初めてですね。1本目、4日の30キロは会社を休んで練習したのですが、大雨で大変でした。2本目は、西湖です。1周10キロが取れますし、山中湖とかよりも車が少ないので走りやすかったのですが、この時はすごく風が強くて(苦笑)。2本ともに最初の設定はキロ4分で、どちらも20キロまで維持できましたが、悪コンディションの影響もあって、残りの10キロで落ちてしまいました。心拍がキツイというよりも、足がもたなくて、課題がはっきり見えた練習でした。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point



(1)interval(インターバル)
この3ヶ月の中で、一番効果があったなと思うメニューは、2000m×2本です。1000m×5本とかをされる方が、比較的多いと思うのですが、1000mはスピードのある男性だと早めの設定タイムをわりと簡単にクリアできてしまいます。でも、2000mは足を使いますし、そもそもマラソンで1000mのスピードを出す時はないと思うんですよ。どんなにダッシュしても2000mのペースだと思うので、私は2000mを定番にしています。2000mのつなぎは、200mか300mのジョグで止まりません。ラストに1000mを入れる時は、出し過ぎずに余裕を持って終われるペースにしています。

(2)long slow distance(LSD)
LSDは、これまで一度もやったことがなかったのですけど、足作りのために初めてLSDで3時間走をやりました。マラソンは3時間走るので、足を3時間しっかりと動かすことを考えてキロ6分半ぐらいでゆっくりと話をしながら走りました。それでも2時間半くらいが限界で、キツかったですね。3月の名古屋ウィメンズを終えてから練習をこなしていく中で、スピードは明らかについていたのですが、足が課題だったので、そのためのメニューでした。

(3)rest(オフ)
基本的に休む日を多く入れています。土日はペーサーなどでしっかりと走り、月火は休んで、水曜日に練習をして、木金を休む感じです。走り過ぎてしまうと怪我をしてしまうので、できるだけ体を休めるようにしていました。私は疲労がたまりやすいので、怪我の予防も兼ねて、マッサージに加え、銭湯で交代浴をしたり、電子治療器を使ったりして、時間を作ってケアをしていました。それは、2020年に怪我がすごく多かったことも影響しています。今年も1月に捻挫して、3月の名古屋ウィメンズの時はレースの2日前に股関節を痛め、5キロの調整ジョグもできないほどでした。どうしても走りたかったので、痛め止めを飲んで走ったのですが、目標のサブエガを達成できず、レース後は3週間ほどノーランで自分の練習を始めるまで2ヶ月くらいかかりました。その後、また6月に捻挫して、半年に2回も同じ感じで捻挫したのでネタにされています(苦笑)。

Another Point -1
Q.「ペーサートラッククラブにはなぜ?」

A. 2017年3月に友人と「思い出作り」のために名古屋ウィメンズを走り終わった後、彼女が走るのをやめてしまって私も走るのをやめていました。ある時、駅で今のチームの人とばったり会ったのです。その時、「また走らない?」と誘ってくださって、私も暇だし、運動して汗かこうかなという感じで入って、今に至る感じです。いつもは二重橋と皇居で練習しています。練習はいつも引っ張っていただいていますし、メニューのサポートをしていただいています。今の記録は一人ではできなかったですし、チームのみなさんのおかげで、本当に感謝しかないです。私は、何もお返しができないので、結果で返そうといつも思っています。

Another Point -2
Q.「今後の目標は?」

A. 今シーズンは、2時間45分切りが目標ですが、その前にサブエガを達成したいと思っています。12月に青島太平洋マラソンに出場するので、ここで達成したいですね。過去2回、走ってコースを理解しているのはすごい強みになると思いますし、ぐんまマラソンを走ったことで脚もできています。気温もぐんまより多少は低いと思うので、走りやすくなれば行けるかなと思います。とにかく、ひとつひとつクリアして、いずれ2時間40分を切れたらと思っています。
ひとつ、ぜひ、みなさんにお伝えしたいのは、私は運動音痴でリズム感も悪く、手足が同時に出るようなタイプだったのです。こんな私でもここまで走ることができたのですから、みなさんの中から一人でも多くマラソンを楽しんでくれる方が出て来てほしいなと思っています。

2021年11月3日 ぐんまマラソン 2時間50分02秒(女子総合準優勝)。
0km -5km 19分57秒
5km-10km 19分50秒
10km-15km 20分10秒
15km-20km 19分38秒
20km-25km 19分42秒
25km-30km 19分43秒
30km-35km 20分16秒
35km-40km 20分48秒
40km-FINISH 9分38秒

ぐんまマラソンの狙いは、サブエガでした。スタートはすごく調子が良くて、もっと行けるかなと思ったのですが、一緒に走ってくださった方から「飛ばすな!」と言われ、抑えるので必死でした(笑)。
30キロまではペースを楽々クリアして、そこからでしたね。35キロまでちょっとキツくて、35キロからはサイクリングロードに入ったのですが、坂がすごくて、そこで足を使って貯金を使ってしまいました。あと、風が強かったのですが、私は身長が高い方なので、男の人たちに後ろにつかれて風除けに使われてしまい、前半からかなり体力を消耗していたのかなと思います。あまり気にしないようにしていたのですが、沿道から「次、すごい集団が来るよ!」という声が聞こえたので、車のディーラーのガラスで確認すると、ものすごい人がいて、出来あがっていましたね(苦笑)。最後の2キロはまったく足が動かないくらい風が吹いていて、4分30秒でいけば間に合っていたのですけど、それすら間に合わず、サブエガに3秒足りませんでした。最初から前に並んでいけばという思いもありましたし、後半の坂での落ち込みが反省点としてありますが、風が強く、20度を越える条件を考えると、次はサブエガ出るなって思っています。

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