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COLUMN

連載第12回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2021.09.23
Shun Sato

第12回 冨井菜月(市民ランナー) 皇居ランが私のベース。-サブ3達成-

マラソンをはじめてから常にパーソナルベストを更新してきた冨井さん。しかし、万全の準備をして臨んだはずの大会で初めての挫折を味わうことに! 如何にして挫折を乗り越えたのか?

冨井菜月
年齢:20代
職業:デイサービス
ラン歴:16年(マラソン歴:5年)
フルPB:2時間56分24秒(2020年1月26日 大阪国際女子マラソン)

3months Challenge—breaking 3’00”

Start(走り始めたキッカケ)
小学生の時から走るのが大好きで、学校のマラソン大会で頑張って走って4年から6年まで優勝したりしていました。中学校では、最初陸上部に入ったんですけど、弱小過ぎてみんなで鬼ごっこを始めてしまうような部活だったので、「違うな。」と思ってやめて、一人で走っていました。高校ではバレーボール部を続けようと思ったのですが、全国大会を目指すガチガチの部活だったので、これも「違うな。」と思って(笑)、陸上部に入って1500mと3000mを走っていました。ここはガチな部活ではなく、高校生活を楽しみながら走るみたいな感じでしたね。大学は日体大で陸上部も考えたのですが、厳しいというのを聞いていたので、友人に誘われてラクロス部に入りました。ただ、ここもラクロスのために大学生活を送るみたいな感じだったので途中から病んでしまい、1年でやめて、陸上のサークルに入って走るようになりました。それから「走る」1本になりました。実質的に走り始めたのは9歳なので、もう16年間になります(笑)。

First marathon(マラソン)
大学1年でラクロス部をやめた時、遊びたくて部活やめたんだと思われるのがイヤでしたし、「走る」といってやめた以上、「マラソンは走っておかないと。」と思って、大学2年の冬に陸上サークルの友人と一緒に湘南国際マラソンに出場しました。初めてのマラソンで、練習とかは全然していなくて、それでも1500mと3000mは走っていたのでなんとか完走はできるだろうと思って走ったのですが、ラストは足がめちゃキツくて・・・。友人とおしゃべりしながらだったのですが、それでもゴールした時の達成感がすごくて、「マラソンってこんなに楽しいんだ!」って思って、そこからハマりましたね。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)tempo running(ペース走)
通常、平日は仕事終わりにひとりで皇居を走るので、いろんなことをやるというよりもペース走を繰り返しています。同じ練習を継続していってタイムが上がると、「最近、早く走れるようになってきたな。」と目に見えてわかるので、それが嬉しいですし、モチベーションにもなります。ペース走のコースは、竹橋をスタートにして、2周して桜田門で終わると約9キロです。桜田門の前の幅広い道が200mぐらいあるのですが、そこでインターバルをして、それを終えたらスタート地点に戻るまで1000mTTを入れたり、何も考えずに1500mほど走ったりしています。この皇居でのペース走が、私にとって一番ためになる練習でした。

(2)pacer(ペーサー)
イベントなどでペーサーをしているペーサートラックラブのチームに入っています。イベントがあるとそこでペーサーをするのですが、自分のペースが固定されているわけではありません。すごく遅いペースの時もありますし、自分にとってギリギリのペースの時もあります。そのペースは、リーダーが調子を見て決めているのですが、ペーサーを務めるのはすごくいい練習になりますね。基本的に同じラップを刻んでいかないといけないので、上下してはいけない緊張感がありますし、最後までやり切るという責任感もあるので、そういう状況で走るのは、すごく自分のためになります。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point



(1)race(湘南国際マラソン)
湘南国際マラソンは、人生初のマラソンだったので、勝手にそこからマラソンが始まったと考えていて、毎年絶対に出るようにしていました(笑)。最初は友人と走りましたし、一度、一人で本気で走ったのですけど、公認の大会ではないので「違うな。」と思って(笑)、それからはまた友人と出ています。この時は、友人を完走させるためのペースメーカーとして走ったのですが、自分的にはフルの距離走みたいな感覚で、すごくいいトレーニングになりました。

(2)no long running(ノーロング走)
この頃は、距離はレースで踏むという感じだったので、30キロ走とかロング走をメニューに入れていません。岡山マラソンと手賀沼ハーフ、ハイテクハーフをガチで走ったぐらいで月間でも170キロぐらいしか走っていないんです。それでも最終的にサブ3を達成できました。走行距離が少ないのにすごいなって自分ながら驚いています(笑)。というのも昨年の名古屋ウイメンズでサブエガを目指して30キロ走を2回メニューに入れたり、走行距離が月間で270キロを越えて、人生で一番練習したと思えるほど走ったんです。でもサブ3すら達成できなくて、もうボロボロでした(苦笑)。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point



(1)interval(インターバル)
インターバルは、ペースメーカーをしていた時には走っていたのですが、自分のインターバルは皇居で200mのインターバルをするぐらいでした。この練習は、織田フィールでやったのですが、すごく効果がありました。400mを90秒で、200mのつなぎを65秒から70秒入れて11本。それまではペース走が多かったですし、私はラストスパートをかけられないタイプなので、最後粘れるように、足の回転が落ちないようにというのを意識しました。

(2)rest(レスト)
レース直前は、皇居を走りながら9キロのペースをラクに刻めるから本番も大丈夫と自分を洗脳していました(笑)。スケジュールの余白はレストですが、この頃はコロナがなかったのでよく飲みに行ったり、いい感じで「走らない期間」が作れていました。でも、コロナ禍では飲みに行けないですし、やることがないので走っていて、その結果、体がずっと疲れている状態になったのが、昨年タイムが出なかった原因かなって思っています。「走る時、走らない時」の切り替えがすごく大事だなって2年前の練習メニューと今年のを見て、すごく感じています。

Another Point -1
Q.「挫折を味わった経験はありますか?」

A. サブ3を達成するまでは常に自己ベストを更新していたので、練習すればできるなって思っていたんです。でも、昨年の名古屋ウイメンズマラソンに出場して、みんなで「サブエガしよう!」、「自己ベストは更新できるね。」みたいな話をして、いざ走ったのですが、私だけ自己ベストを更新できなくて、サブ3も達成できず・・・。「なんだ、これ!?」と思うと涙が出て来て、ほんと悔しかったですね。マラソンを走って初めて挫折を味わって、もうドン底でした。でも、その経験があって休むことの大切さを知りましたし、メリハリをつけることの重要性もわかりました。今はコロナ禍の影響でレースが中止になっていますが、次、走れたら「絶対にうれし涙を!」と思っています。

Another Point-2
Q.「今後の目標は?」

A.サブエガです。昨年、タイムが出なかったので今年こそはという気持ちでいます。ただ、最近は「サブエガを達成しないといけない!」って強く思っているせいか、夢の中でも走っている感があるんですよ(苦笑)。余裕がないと、無理してケガをしたり、ただ走っているだけだと昨年のように記録が出なかったりするので、セーブしながら走っています。記録を出している人は努力していると思いますが、やり過ぎても違うなって思うので、仕事とプライベートと練習のバランスをうまくとってサブエガを達成したいですね(笑)。その後は、大学3年の時に能登半島すずウルトラマラソンを走って優勝したんですけど、もう一度100キロのウルトラマラソンを走りたいですし、トライアスロンにも挑戦したいなと思っています。将来は、ペーサートラッククラブにもママさんランナーが2‐3名いるのですが、一人は私よりも早いんです。私もそういうおかあさんになりたいなって思っています(笑)。

2020年1月26日 大阪国際女子マラソン 2時間56分24秒。
0km -5km 20分20秒
5km-10km 20分13秒
10km-15km 20分22秒
15km-20km 20分26秒
20km-25km 20分54秒
25km-30km 21分14秒
30km-35km 21分28秒
35km-40km 21分55秒
40km-FINISH 9分32秒

前半、飛ばしています(笑)。今もそうなんですけど、ビルドアップができないんです(苦笑)。最初に貯金を作って、ハーフはそれこそハーフのベストにプラス1分ちょっとぐらいで通過していました。後半に落ちるのは分かっていたので行けるところまで行こうと思っていました。案の定、後半、落ちてきたのですけど、それでも余裕があるぐらい貯金を作っていたので、サブ3を達成できました。レースはいつもそのパターンなので、仲間からは「これはよくない。イーブンにした方がいい。」とよく言われるのですが、それ以降も無視して飛ばしていました。でも、次のレースはイーブンで行ってみようと思っています。

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