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COLUMN

連載第5回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2021.08.05
Shun Sato

第5回 田中友浩(市民ランナー) 20キロ減でサブ4クリア。

今回登場していただくのは、トレーナー業の田中友浩さん。初マラソンの苦い経験により二度とマラソンを走らないと思った田中さんが、どうやってサブ4を達成し、今後どこに向かうのか? 興味深い内容です。

田中友浩
年齢:40代
職業:トレーナー
ラン歴:5年
フルPB:3時間30分37秒(2020年勝田マラソン)

3months Challenge—breaking 4’00”

Start(走ることのキッカケ)
最初は、友人と駒沢公園近くで治療院を開こうということになったのですが、このエリアはランナーがたくさんいるじゃないですか、「だったら自分たちもランナーになりましょうよ!」ということで走り始めたのがキッカケです。ただ、その頃直前までアメリカに住んでおり、ハンバーガーばかり食べていた生活をしていたため、173㎝で90キロぐらいありました。これじゃ走れないということで禁煙とダイエットを始めました。さらに、ただ走るのはつまらないので1年後にフルマラソンを設定しました。初マラソンは5時間ちょっとでした。でも、体重がまだ80キロ近くあったので、途中から脚が痛くなって動かなくなって歩いたのですが、・・・もう絶対にやらないって思いましたね。

Keep on running(マラソンをつづける)
最初のマラソンを走った後、あまりにもつらくてやめようと思ったのですが、患者さんにランナーが多く、いろいろアドバイスをもらっているうちに、だんだんと自分も盛り上がってきて再び走り始めました。その時、出会ったのが白方(健一)さんです。初フルから1年後、サブ4を達成するためにメニューを作ってもらいました。それまで練習メニューは雑誌やネットで見ていましたが、自分に合っているかどうかわからないのでジョグしかしてきませんでした。でも、いろいろなメニューを考えてもらって、それをこなすのが楽しかったですね。体重も半年で5キロ落ちて、サブ4達成時は71キロでした。体重が落ちるとコンスタントに練習できるようになりましたし、ロング走をした時に足が痛くなることもなくなり、本当にいいことづくめでした。

Motivation(マラソンの楽しさ)
マラソンの楽しさは、やっぱり達成感だと思います。そして、その後のビールですね。そのために走っているみたいなところがあります。レースは、基本的にイーブンペースで走ることを考えています。初マラソンの時に、最初飛ばし過ぎて散々な目にあったので。イーブンはすべて同じラップを刻むというのではなく、例えばキロ5分で考えると、この坂道はタイムが落ちるけど、ここで盛り返してイーブンにいこうとか、ここで落ちたから、どこかで取り戻そうとか、そういう戦略を考えます。それがうまくはまって理想のタイムでゴールできた時は、最高に楽しいですね。それが僕にとって一番のマラソンの面白さかなって思います。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months (3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)jog(朝ラン)
朝ランの5キロ-10キロは、Eペースで駒沢公園を走っています。サブ4は5分40秒のペースなので、6分30秒ぐらいのペースで、気持ちよく走るみたいな感じのイメージです。終わったらウインドスプリント(流し)を入れています。駒沢公園には、100mごとにラインが引いてあるので、それを目安にして80m-100mを80%ぐらいの力で走り抜けます。朝ランは朝のリズムを整えられますし、駒沢公園は人が多いですけど、みなさん楽しそうに走っているのでいい刺激になりました。

(2)interval(インターバル)
駒沢公園2周をサブ4のレースペースよりも少し早いペースで走ります。1周が約2.1キロなので4.2キロ、レスト2分を入れてもう1本です。この練習自体はめちゃくちゃキツイって感じではないですけど、自宅から駒沢公園まで往復のジョグがあるので、帰りはけっこう体が重かったですね。チャレンジナイトは、5000mを織田陸上のトラックで走るのですが、設定は24分台で、この時は無事にクリアできました。

(3)weight training(パーソナルメニュー)
筋トレと体幹のトレーニングで、約60分やります。この時はノーランにしています。もともと筋肉はありました。ただ、アメリカではいかに大きくするのかというのがポイントになっていて、それは見せる筋肉で、走るために必要な筋肉ではなかったんです。体幹とか、地道で外から効果が見えないのできついのですが、体幹がしっかりしないと安定したフォームで走れないですし、長い時間走るのが難しいので今もずっと継続しています。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point


(1)long running(30キロ走)
レース2ヶ月前で、一番タメになったのは、30キロ走です。マラソンチャレンジというトップギアのイベントでペーサーがついて集団で走るのですが、僕は集団走が苦手で、一番うしろについて歩幅が重ならないように走っていました。駒沢公園で走るので10キロ走るとレストを入れたり、途中きつくなったら一度抜けて、また周回の時に戻ったりできます。キロ6分で3時間かけて走るのですけど、自分の気持ちいいペースではなくて、ちょっとゆっくり目に走るのでけっこう足腰にきます。それがマラソン後半の粘りとかに効いてくるので、個人的にすごく良かったですね。

(2)lsd(90LSD)
90LSDは、前日の5キロ×3本、5分20-30秒ペースでレスト4分のインターバルとのセット練です。インターバルは、20-30秒内で収めて走るようにと言われていたので緊張感がありましたし、ペースを守ろうという意識付けができてよかったです。LSDは、前日にスピードで刺激を入れて、フォームを確認し、心拍を少し上げた後になるので、アクティブレストのイメージでゆっくり走ります。ペースは、キロ7分以下です。自宅が羽田空港近くなので、多摩川沿いがコースになります。メニューは約70分-90分ですけど、足やからだに違和感があればやめるという感じでやっています。

(3)build up running(ビルドアップ)
15キロのビルドアップは、めちゃくちゃ難しかったです。駒沢公園でやったのですが、一人ですとなかなか設定通りに走れない。5分30秒ぐらいから入って、そこから前後してしまい、なかなかビルドアップできなかったですね。たぶん、そのタイムで走るという感覚がまだ体に身についていないからだと思います。最後はきっちり上げて終わらせたのですが、ラップを見るとかなりふれ幅が大きくて驚きました。ボッチ練でもきちんとビルドアップができるようになったのは、この数ヶ月先でした。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point


(1)long running(30キロ走)
このロングはマラソン前の最終チェックみたいな感じです。キロ6分だったのですが、最初の20キロはキロ6分で設定通りに走り、余裕があったので、そこから5分30秒のペーサーについて走ったんです。そこから4周ぐらいついて、変化をつけて走り終わることができました。この30キロ走は5分40秒のペースでいけるという自分の力を確認することができましたし、レースに向けてすごく大きな自信になりました。

(2)half running(20キロ走)
ハーフをレースペースよりも早く走るのを目的にした練習です。多摩川沿いを一人で走りました。ランナーが多いですが、それが刺激になりますし、信号がないのでペースを乱されることなく走れるのがいいですね。これをやり終えることで、「自分はハーフまでは少なくともレースペースよりも早く走れるんだ。」いう自信がつきました。30キロ走と合わせて、サブ4が見えてきた感じがしたので良かったです。

(3)rest(休養)
レース前も含めて、レストは完全休養です。一切走らないですね。やってもウォーキングぐらいです。レース前に鍼とかを打つと筋肉がふにゃふにゃするので行かないですが、通常の練習日の合間のレストには他の治療院にいって施術を受けます。体のためでもありますが、自分の勉強のためにもなり、全く知らない治療院に行ったりしています。

Another Point -1
Q.「練習で気が乗らない時はどうしていますか。」

A. 僕は、練習をしません。気持ちが乗らないとか、疲れている時は無理をしないのが一番だと思うんです。練習をこなさないと気持ち悪いかもしれないですが、1ヶ月の練習メニューの中で取り返せば良いと思うんですよ。土曜日にこの練習ができなかったから火曜日の練習と入れ替えたり、スライドさせてこなし、トータル1ヶ月で終わらせればいいと思うんです。その際、同じような練習を続けないように気を付ければいいと思います。

Another Point-2
Q.「次の目標と次のレースは。」

A.水戸黄門漫遊マラソンを予定しています。昨年の1月の勝田マラソンから全然マラソンを走っていないので、どうなるのか分からないですが、3時間30分をしっかり切って、その先の3時間15分を目指しています。幸いマラソンを始めて、4時間46分、4時間15分、4時間10分、3時間56分、3時間30分と来ています。ただ、一度、北海道マラソンで30キロ付近で足きりにあって完走できなかったことがありました。それが悔しくて、ちゃんと練習メニューをこなすようになりました。次のレースで目標が達成できたらアイアンマンを走ってみたいので、トライアスロンに挑戦したいと思っています。

2019年1月27日 勝田全国マラソン 3時間56分10秒。(1kmの平均ラップタイム)
0km -5km 28分15秒(5’39”)
5km-10km 29分09秒(5’49”)
10km-15km 27分44秒(5’32”)
15km-20km 27分20秒(5’28”)
20km-25km 27分14秒(5’26”)
25km-30km 27分27秒(5’29”)
30km-35km 27分49秒(5’33”)
35km-40km 28分38秒(5’43”)
40km-FINISH 12分34秒(5’43”)

■関連記事
第4回 マリランさん(市民ランナー) ロングでの脚作りが生命線 -サブ4突破-。
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