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COLUMN

連載第3回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2021.07.22
Shun Sato

第3回 大城絵里奈(市民ランナー) 早朝4時半からのチャレンジ -サブ3.15突破-。

「練習、どうしているの?」
キッカケは、ランナーからのそんな疑問でした。
首都圏や大きな都市では、チームで仲間と一緒に走ったり、練習会なども多く、練習についての情報がたくさん入ってきます。

でも、地方を始め、多くのランナーは単独での「ボッチ練」が主で、自らメニューをネットや本などで探し、考え、練習しています。
そういうランナーのために、また効率よく練習するために、目標タイムを達成するために、参考になるような練習メニューがあれば・・・。
そういう思いから「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~ が生まれました。

目標達成をしたプロランナーや市民ランナーのレース3ヶ月前からのメニューを参考にしていただき、ランニングライフのプラスにしてほしいなと思います。

大城絵里奈
年齢:20代
職業:銀行員
ラン歴:3年
フルPB:3時間10分00秒(2021年名古屋ウィメンズマラソン)

3months Challenge—breaking 3’30”

Start(走ることのキッカケ)
最初はダイエット目的でした。今より10キロも太っていて、コンプレックスがあったので、ライザップに入って体重を落としました。でも、けっこう食事制限が厳しくて、このまま継続するのは大変でした。体重を維持し、食べたいものを食べるためには運動しないといけないと思いました。そこで運動量の多いスポーツをしようと考えたのですが、小中の頃から走るのが得意だったので、マラソンをやってみようと思って始めました。

Motivation(マラソンのモチベーション)
最初は自己流でやっていたのですが練習のメニューとかよくわからなくて、プロの指導を受けたいと思って白方(健一)さんのトップギアの練習会に参加しました。でも、けっこう仕事が忙しくてなかなか参加できなかったのと、メニューを自分で考えるのがストレスになるので、プロに全部お任せしようと思い、昨年4月から個人的なメニューを作ってもらっています。お金を払って教えていただいているので、結果を出して報告したいなというのと、おいしいものをおいしく食べるのが今の私のモチベーションになっています。
 
Self-deprecation(自己否定)
私は、「このままじゃダメだ、そのままでいたら落ちていく。そんな落ちていく自分を見たくない。」と思っているから行動しています。白方さんからいただいたメニューは、目標を達成するために組んでくださったと思うので、達成できなかったらサボっていたことが証明されてしまう。そんな自分は見たくなので、やり続けています。白方さんには「こんなにやってくれる人はなかなかいない」と言われましたが、私はメニューとか考えられないので、ちゃんとやるのが当たり前だと思っています。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months (3ヶ月前)/Training Menu Point

(1)jog(ジョグ)
ジョグは、まず自宅から井の頭公園の土のトラックまで約2キロを6分30秒くらいで走っていきます。井の頭公園では、400mの土のコースを10周するのですが、そこではキロ5分のペースで走ります。帰りは、またゆっくりのペースに戻しています。ただ、日によっては調子が悪くて走るのがやっとという日もあるので、そういう時はキロ6分30秒で走る時もあります。私は朝4時30分に起きて走っていますが、大事なことは、どんなにしんどくてもやめないことです。継続は、目標達成には欠かせないですね。

(2)weight training(筋トレ)
木曜日のレストには、筋トレを入れています。ライザップの時にお世話になったトレーナーさんが、独立してパーソナルトレーニングを始めたので、そこに通っています。体重の管理と筋力維持が主ですが、効果は大きいですね。人前で体重計に乘るとウエイトを気にするようになりますし、筋トレで筋力をつけることで30キロからの踏ん張りが効くようになりました。筋肉の使い方を学んで意識するようになったので、ここの筋肉がしんどくなったらここを意識して使ってみようとか、体の筋肉について理解が深まったと思います。

(3)tempo running(ペース走)
30キロをきちんとペースを維持して走れたのはすごく良かったです。ひとりで30キロを走るとペースがぐちゃぐちゃになってしまうことが多いのですが、この時はキロ5分のペースの設定を守って走り切りました。走る前までは走り切れるか不安だったのですが、ついていけたことで心理的に長い距離をキロ5分で走れるんだとすごく自信になりました。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point

(1)layer training run(レイヤートレーニングラン)
まず、スクワットをやって10分走ります。次にそのスクワットに違うスクワットを加えて、10分走ります。次は、2種類のスクワット、腿上げをして10分走ります。回を増すごとにスクワットが増えていき、最終的に5種類のスクワットをこなして10分走ります。フルマラソンは、乳酸が溜まった状態で動き続けないといけないですが、そのために毎日30キロ走って練習するのは難しいですよね。その代わりに筋トレで乳酸を溜めて走るトレーニングとしてメニューに入っています。これはキツいですけれど、かなり効果がありました。

(2)long running(30キロ走)
この期間で非常に効果があって、自信がついたのがマラソンチャレンジです。昨年の9月にマラソンチャレンジが始まって、ずっとキロ5分ペースだったのですが、この時、初めて30キロを4分30秒ペースで走りました。駒沢公園でペーサーがついていたのですが、このペースで走るのは厳しいなって思っていたんです。でも、ペーサーについていくと知らない間に走ることができて、キツかったのですが、すごく自信になりました。私は、4分30秒でいけるんだなって。

(3)repeat(リピート)
3ヶ月前から2ヶ月前に向けて基本的なメニューの繰り返しになっています。同じ練習を繰り返すのは、前の週より少しでも走れる体を作っていくためのものですが、2週間前にキツかったメニューが淡々とこなせると、少しは走れるようになったかなと実感できます。地道にメニューを繰り返すことで怪我にも強い体になりました。この時期は月間300キロを越えていましたが、距離は気にしていないです。それにとらわれ過ぎて走り過ぎてケガするのが嫌なので、300キロにのらなければそれでもいいし、メニューをこなしているのだから大丈夫という気持ちでいます。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point

(1)long running(20キロ走)
この20キロ走はマラソンチャレンジではなく、一人で走っていますが、私は長い距離を一定のペースで走るのがすごく苦手で、嫌いなんです。白方さんは4分30秒のペースをきっちり守って走っていると思っていると思うのですが、私ひとりの場合は、ペースを頭に入れつつ、走れるペースで走って、最後に時計を見て、アベレージが4分30秒だったらいいかなって勝手に思っています。

(2)LSD(ロングスローディスタンス)
レース1週間前のLSDは脚作りというよりは、強度を維持して練習量を減らして疲労をあまり残さない練習です。フォームを意識して、ゆっくりしたペースで走ります。私のフォームは、動画を見ると肩が上がった走り方で、すごく遅い人の走りみたいな感じで、見るとけっこう残念なフォームなんです。それでも3時間10分で走れたのですが、サブ3を目指すにはフォームを直さないと無理だよと白方コーチには言われています。この時期にフォームを直す必要はないですが、崩れていないか、確認して走ることは大事なことだと思います。

(3)rest(休養)
この時期のレストは、完全にノーランで休養しています。以前は、レストになっていても練習をしていたのですが、レストの日に動くと疲れが残って、普段のトレーニングの質が下がってしまうんです。100%で練習ができないと意味がないので、レストではちゃんと疲労を抜くための時間に使うようにしました。とくにレース前は、大丈夫かなと、ちゃんと走れるのかな、長い距離なので途中で何か起きないかな、と不安ばかりになるのですが、疲れを取らないとやっぱり走れないので、レストは大事ですね。

Another Point -1
Q.「練習で気分が乗らない時は、どうしていますか。」

A. 練習に行きたくないし、やりたくないと思うことはありますが、それを怠けてしまうと自分にすごく失望してしまうんです。練習をするのが嫌だなって思ってもやれば絶対にスッキリしますし、やった自分に満足できます。雨が激しい時は、近くの24時間のジムのトレッドミルで走ります。1000m10本、4分20秒ペースの場合、ロードで走るとタイム通りに走るのは大変ですがトレッドミルはきっちり設定できるので一定のペースで消化することができます。

Another Point-2
Q.「練習時間を早朝4時40分に設定しているのはなぜですか。」

A.仕事終わりですと、すごく疲れて何もやりたくないんです。たとえば夜に400m×12本のメニューがあると、けっこう負荷があるので「あー嫌だなぁ」って思うんです。そうなると朝起きてから夜練習を終えるまで1日中、嫌だなってなるじゃないですか。でも、朝起きて練習を終えると、嫌だなって思う時間がないですよね。眠くて思うように走れないこともありますが、最悪の状態でも走れるのを自分に分からせるという意味もあります。そのおかげか、レースのスタート時間である朝9時とか10時は元気よく走れます。

Another Point-3
Q.「次の目標を教えてください」

A.10月31日の水戸漫遊マラソンに出場予定です。白方さんからは「自己ベストを狙いましょう」と言われていますが、サブ3とかは書いてありません。自己ベスト更新は狙いたいと思っていますがサブ3は、まだ自信がないですし、絶対にやってやるというところまで覚悟できていません。「サブ3」とメニューに書かれると気持ちが吹っ切れるんですけど、今はまだサブ3を目指す途中でいいのかなって感じです。

2021年3月14日 名古屋ウィメンズマラソン 3時間10分00秒。(1kmの平均ラップタイム)
0km -5km 4’10”
5km-10km 4’13”
10km-15km 4’31”
15km-20km 4’27”
20km-25km 4’25”
25km-30km 4’34”
30km-35km 4’40”
35km-40km 4’51”
40km-FINISH 4’45”
※白方コーチからはイーブンに行く指示が出ていましたが、ラップを見るとジェットコースターのような感じでした。

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