旅ランのすすめ[2]
~WE RUN THE WORLD, AROUND THE WORLD~
ランニング、特にオンロードランニングは基本的に同じ動作の繰り返しになるので、どちらかというと単調に感じる人は少なくありません。この単調さゆえに走ることに飽きてしまうという話をよく聞きます。ランニングを続けるには何らかのモチベーションが必要で、時々走るコースを変えることは効果的で、新鮮な気持ちで走ることができるでしょう。このコラムは、海外渡航300回以上、43都道府県を訪れた南井編集長による「旅ランのすすめ」。南井編集長が実際に走ったお気に入りの旅ランコースを紹介します。
前回のアップが6月末でしたので、ちょっぴり期間が開きましたが、第2回のこのコラムの舞台はニューヨークにしました。世界屈指の大都市であり、さまざまな流行、カルチャーが発信されることはご存じの通り。これまで14回この街を訪れ、ニューヨークシティマラソンも3回走りましたが、街中を走るランナーの数は東京よりも明らかに多く、ニューヨークという街にランニングというアクティビティが日本以上にしっかりと根付いていることを目の当たりにしてきました。
今回宿泊したのがソーホーやチャイナタウンに近接するトライベッカ地区だったので、最初のランはマンハッタンとブルックリンを結ぶブルックリンブリッジを渡り、ブルックリンのウォーターフロントであるダンボ(Dumbo)へ。ちなみにダンボ(Dunbo)とは、「Down Under the Manhattan Bridge Overpass」のアクロニムで、「マンハッタン橋高架道路下」を意味し、最近人気の観光地となっています。ブルックリンブリッジを走るのは2回目ですが、この橋から見る景色はマンハッタン側もブルックリン側も素晴らしい。歩いている人が大半で、走っている人間は少数派なので、彼らの迷惑にならないように走ります。ランナーがすれ違うときに「Hi!」と挨拶してくれることがあるのは嬉しいですね。木の路面の箇所は、アスファルトやコンクリートよりも着地衝撃が少なくて足に優しい。ただし、微妙な段差や隙間に足を取られて躓いている歩行者も見かけたので、走るときはちょっぴり気を付けたほうがいいですね。
ダンボエリアに到着すると、以前訪れた8年前よりもショッピング、飲食を始めとしたさまざまな施設、観光客が増えているのを感じます。晴天だったのもあり、走っていて本当に楽しかったです。この日は8.05kmのランでしたが、ブルックリンブリッジを経由するコースは、マンハッタン南部であるロウアーマンハッタンやブルックリンに宿泊しているランナーにはオススメのコースです。
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ブルックリンブリッジの多くの部分は木製の路面で、足に優しいですが、躓きやすいので要注意。観光客も多いので、衝突を避けるためにもゆっくりペースでのランをおすすめします。
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ブルックリンブリッジからニューヨークらしい集合住宅を望む。
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ブルックリンブリッジのブルックリンサイド、橋のたもとであるダンボは観光客に人気上昇中のエリア。ダンボからの眺め。
ニューヨークを訪問したことのないランナーでも、セントラルパークの存在は知っていることでしょう。都会のオアシスという言葉がピッタリな存在で、ニューヨークで最もポピュラーなランニングコースと言っても過言ではなく、ニューヨークシティマラソンのゴール地点でもあります。
前述の通りニューヨークには14回訪れていますが、定期的に走るようになってから訪れたのは9回。1995年の年末に訪れた際は、セントラルパークを眼下に望むエセックスハウスに宿泊していたのに、ランニングを始める前だったので、全く走らなかったのは今考えるとかなりもったいない。ちなみに、現在のエセックスハウスの宿泊費は1泊最低で$681(約102,000円)で、その他のセントラルパーク周辺のホテルもかなり高価。このあたりの他のホテルも、マンハッタンでも特に高額な部類となるので、他のエリアに宿泊する人のほうが多いでしょう。そんなランナーがセントラルパークを走るには、宿泊先のホテルから地下鉄やバスなどの公共交通機関か、ウーバーやタクシーで移動することになります。今回は、BROOKS<ブルックス>のグリセリンマックスの試走会のために訪れましたが、木々に囲まれ、適度なアップダウンのあるセントラルパークを走るのは本当に楽しい。公園内の外周部にある大きめの道路は、歩行者、ランナーと車両の区分もなされ、1周すると10km弱の距離になりますが、自分の走力に合わせて途中で引き返すことも可能で、距離の調節もしやすいです。ちなみに日本のランニングステーションのようなシャワーを浴びることのできる設備はないので、近所のホテルに滞在している人以外は、軽めのペースで、汗をあまりかかない程度で走るのがいいでしょう。
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セントラルパークを走る起点としてポピュラーなコロンバスサークル側の入り口。
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<ブルックス>の「DNA Tuned」の開発を担当した、イノベーション開発マネージャーであるブライアン バーク氏と。
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セントラルパークは、木々が生い茂り都会のオアシスという言葉がピッタリ。
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セントラルパーク内はアップダウンが激しく、普段フラットなコースを走っているランナーにはいい刺激となるでしょう。ランナー、歩行者と自転車の走行区分がしっかりとなされているのも嬉しいところです。
2010年にニューヨークを訪れた際は、かつての鉄道高架を公園に転用した観光名所として注目を集めつつあった、ミートパッキングエリアのハイラインを軽く走りましたが、現在では観光客が数多く訪れるために、走るのには不向きになったとのこと。ちょっぴり残念ですが、仕方ないですね。
前述の通り、ニューヨークは街中を走っているランナーはかなり多く、信号のない交差点で車の通過を待っていると、ドライバーが「先に行っていいよ!」とゼスチャーで譲られることも東京よりも多かったように、公道も意外と走りやすい。この街ならランニングを日課としているランナーも、滞在期間を快適に走り続けることができるでしょう。
今回の旅ランで活躍したランニングギア
BROOKS GLYCERIN MAX
今回ニューヨークを訪問した理由が、このシューズのグローバルローンチイベントへの参加のためでした。グリセリンマックスは、ミッドソールに「DNA Tuned」を採用。このミッドソールフォームは、2段階の射出成形と超臨界発泡技術により、単一のフォームで大小異なる気泡を含むデュアルサイズを実現。ミッドソールのかかと部には接地時の衝撃を吸収する大きな気泡、前足部には力強い蹴り出しをサポートする小さな気泡が多く含まれており、さまざまなタイプのランナー、ペースに対応するプレミアムな1足で、セントラルパークを快適かつ楽しく走ることができました。
BROOKS GLYCERIN STEALTHFIT 21
ブルックリンブリッジを走った際に履いていたのは、グリセリン ステルスフィット 21。ミッドソールに液化窒素ガスを混ぜ、臨界発泡し、成型したミッドソールフォームである「DNALOFT v3」を採用。ソフトかつ適度な反発力のある走行感が心地よい1足で、ステルスフィットのアッパーは、シューズと足の一体感を提供してくれました。最近になって後継モデルのグリセリン22のシリーズがリリースされています。