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ランニングシューズとカーボン

2019.01.27
Yuichi Shibui
渋井 勇一 デザインオフィス「RASSLIN’&CO.」代表
トレイルランニングをベースとしたライフスタイルブランド「Mountain Martial Arts(MMA)」ディレクター。トレイルランニングに出会い人生が変わったことから、アクティビティのあるライフスタイルの楽しさを提案するブランドを立ち上げ、デザイン性のあるオリジナルウェアとトレイルの情報を発信するWEBメディアを展開。マイペースに楽しむがモットー。2012年 STY(Shizuoka to Yamanashi)完走/2012年 日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走/2013年 おんたけウルトラ100k 完走/2017年 Ultra Trail Australia50 完走/2017年 OCC(Orsieres-Champex-Chamonix)完走 http://mountain-ma.com/

HOKA ONE ONEから、カーボンプレート搭載のランニングシューズ「Evo Carbon Rocket」が登場というニュースを目にした。

「ついにNIKE Vaporfly 4%の追随モデルが出た!」と思ったのだけれど、どうもそういうわけではないような。

ぼくは専門家ではないので、ネットから拾った情報からわかる範囲で書いてみます。

まず、ぼくが「ランニングシューズにカーボンプレート」というテクノロジーを知ったのは2017年。みなさんもご存知の「NIKE Breaking2」プロジェクトで登場したNIKE Zoom Vaporfly Elite。厚底のソールにはカーボンプレートが搭載され、プロジェクトではエリウド・キプチョゲが2時間00分25秒を達成。

その後、市販バージョンとしてVaporfly 4%とZoomflyが発売され、カーボンプレートソールの活躍はぼくが言うまでもない。日本では大迫選手と設楽選手が日本記録を更新、今年の箱根駅伝では230人の選手のうち95人がNIKEを履いていたという。

そもそもランニングシューズにカーボンプレートを入れるというアイデアはどこから来たのだろう。モータースポーツではよく耳にする素材だが、普段の生活でカーボン素材に触れる機会はなかなかない。トレイルだとトレッキングポールでカーボン製があるくらい?

調べてみると、2013年頃にはカーボン製のインソールがすでに存在していたようだ。使ったことがないので、どういうメリットがあるかはわからないのだけれど。。。

ランニングシューズとカーボンプレートの接点が出てきたのが2014年。アメリカのベンチャーメーカー「AMPLA」がミッドソールにカーボンプレートを挟んだランニングシューズ「FLY」(!)を発表。

これはアウトソールを分割しているというかなりの意欲作で、2015年春に商品化されたということなのだが、なかなか情報が拾えず。今はサイトにアクセスできないので、AMPLA自体がなくなっている可能性が高い。(でもamazonで売ってるな)

当時のGEAREDに詳しい情報が掲載されています。すごいな、GEARED!このベンチャー自体がナイキ、アディダス、リーボック、プーマで経験を積んだメンバーだったようで、そのテクノロジーが流出、もしくは引き継がれた可能性は高そう。

http://geared.jp/editors/2014/12/ampla_fly.html

そして、その一年後の2015年にHOKA ONE ONEから「Carbon Rocket」というカーボンプレート搭載モデルが発表になっている!しかも2016年に製品化されているようだ!

NIKEからVaporfly 4%が発売されたのが2017年。そう考えると、もしかしたらこのHOKA ONE ONE Carbon Rocketが世界初の市販カーボンプレート内蔵ランニングシューズなのかもしれない。あいにく、日本での発売はなかったようで、情報をほとんど拾えない。

HOKA ONE ONEは今でこそ知られた存在だけど、もともとは2012年スタートのシューズベンチャー。そのスタンスが、新しいテクノロジーをいち早く取り入れるフットワークの軽さにつながっているのかもしれない。残念ながら(?)大きな話題にはならなかったようだけれど。

しかし、今回発売されるEvo Carbon Rocketは、2016年発売のCarbon Rocketの発展型であることは間違いない。つまり、系譜を辿れば、カーボンプレートを使用しているからといって、単なるNIKEの追随ではないのだ(多分)。

個人的には厚底ランニングシューズをメジャーにしたのはHOKA ONE ONEだけれど、NIKEの厚底とは思想が異なっていると思っている。そういう意味では、「厚底」「カーボンプレート」という同じ要素を持つシューズに、どういう違いが生まれるのかとても気になる。HOKA ONE ONEはフィロソフィーが色濃く明確なメーカーだけに、面白い味付けになっているかも。

とりあえず買います。

今回の話はネットから浅く拾った情報なので、多分に妄想が入っています。このあたりに詳しい方は是非教えてください。

それにしても、ランニングシューズが革新の時期を迎えているのは間違いなく、adidasやnew balanceなど、他のメーカーがどう動くか含めて、興味が尽きない。

『このプレートは、まずは足が地面に理想的に着地するように「ガイド」し、そのあとはランナーが持っている力を「集める」働きをして、力強く足先が地面を「蹴る」ように仕向けるのだと説明されています。Guide. Gather. Go――なのであると。』

もし、AMPLAがランニングシューズにカーボンプレートを搭載することを最初に考えたのであれば、その思想の正しさはNIKEが証明した。

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