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BLOG

シェパーズ スカイライン フェルレース2016

2017.03.02
Masahiro Minai
南井 正弘 フリーライター、ランナーズパルス編集長
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。「フイナム」「価格.comマガジン」「モノマガジン」「SHOES MASTER」「Beyond Magazine」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」「人は何歳まで走れるのか?」などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。

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2月23日に発売されたRunners Pulseの第3号目のためになかなかブログのほうをアップできませんでしたが、その間にいくつかのレースを走りましたので、少しづつ紹介していきたいと思います。

11月の初旬にイノヴェイトの本社のあるイングランドは湖水地方のステーブリーという街を訪れました。本社周囲の丘陵地をイノヴェイトにサポートされている地元のランナーであるベン アブデンヌアがガイドしてくれましたが、ぬかるんだドロドロの路面は岩と混ざっていることもあって走りにくい。そんな地形で強さを発揮するのがイノヴェイトのアウトソール。柔軟な路面をしっかりとグリップしてくれるのと同時に、メタフレックスというテクノロジーの採用により、アウトソール前足部は横方向だけでなく、前後左右斜め方向にも屈曲するので、凸凹かつ傾斜のある地形でもランナーは正しい姿勢を取ることができるのを実感しました。最初はアウトソールが柔らかすぎてビックリしたんですけどね。途中ベンが「絶対乗ったら危ない!」と言っていた大きな岩に着地したことから、柔道の大外狩りをくらったようなアクシデントもありましたが、無事に丘陵地帯のランを終えました。そして迎えた11月5日はシェパーズ スカイライン フェルレース2016に参加です。

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イノヴェイトの本社エントランスでサポートランナーのベン アブデンヌアと。今回の撮影ではいろいろお世話になりました。

フェルランニングとはイングランドでポピュラーな丘陵地帯を走るオフロードランニングの一種。アメリカでポピュラーなトレイルランニングが山道や林道を走るのが一般的なのに対し、このフェルレースは道でない箇所を走ることがあたりまえ。この辺りは雨が多いから、いつも地面が湿っている。そんなこともあって、ランナーたちの足元はスタッドタイプのアウトソールで、スタッドの間隔が広めのシューズが大半を占めます。ざっと見てみるとイノヴェイトが50%強のシェア、続いてサロモン、ラ・スポルティバと続き、この路面との相性が合わないからか、日本ではシェアの高いモントレイルは一人も見ないという意外な結果。今回10Kmという距離だから気楽な気持ちでエントリーしましたが、これが予想以上にキツイ。フェルランニングのレースは一目でそのレベルがわかるように、下記のような明確なカテゴリーがあります。

傾斜に関して

カテゴリーA
平均で1Kmあたり50m以上は上ること
舗装路の割合が20%を超えないこと
傾斜の部分が最低で1.5Kmあること

カテゴリーB
平均で1Kmあたり25m以上は上ること
舗装路の割合が30%を超えないこと

カテゴリーC
平均で1Kmあたり20m以上は上ること
舗装路の割合が40%を超えないこと
少しでも高原の路面を含むこと。

距離に関して

カテゴリーL
レースの距離が20Km以上

カテゴリーM
レースの距離が10Kmを超え20Km未満

カテゴリーS
レースの距離が10Kmまで

というわけで、今回のシェパーズ スカイライン フェルレース2016はBSカテゴリー。ウェブサイトによると10Kmで350mの標高差だから、そこまでキツクないと思ったのですが、実際に走ってみるとかなり辛い。コースのいたるところでぬかるみに足をとられ、思うようにペースが上がらない。景色を撮影しながら走っていたら、最後尾のスイーパーの女性が「あなたが最後のランナーよ!」って。これはマズイと思って、それからはちょっぴり真面目に走りました。それでも子供のころからこの地形を走っている地元ランナーたちはなかなか追い抜けない。途中ホントに長い激坂を登ったりもあって、満身創痍になりながら1時間34分52秒でゴール。結果はこちらでチェックできるんですが。イングランドの田舎町のレース完走者リストにMASAHIRO MINAIという名前があるのは感慨深いですね。そして走り終わって思ったのが、日本やアメリカでポピュラーなスタッドの短いタイプのトレイルランニングシューズで参加していたら、ホント危険だったということ。レース会場について車から降りた瞬間のあの冷蔵庫のような冷たさは今も忘れません。昔スノーボードに毎週通っていた頃、駐車場で前夜拍して、トイレのために車外に出た時の寒さを思い出しました。路面に向いていない靴で走って、崖から滑落したら10Kmの短い距離のレースですが、この気温の低さだと危ないでしょうね。発見が遅かったりしたら。レースのエントリーは当日6ポンド(約852円)を払えば参加できるというゆるさなんですけど。それにしても世界にはいろんなレースがあるということを改めて認識することとなりました。

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こんな感じでエントリーは当日6ポンドを払えばOK。日本でもこういうレースがたくさんあればトレイルランニングの参加人口がもっと増えるんでしょうけど。ちなみにウェブサイトではレインジャケットやレインパンツ以外にコンパスや地図、エマージェンシーシートetc.の持参が義務付けられていましたが、受付ではレインジャケットのチェックのみ。

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いちおうグッズの販売も。シューズはイノヴェイト、アシックス、サロモンetc.スタッドの長いタイプが主流。

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レース前はクリスピークリームの袋を片手に余裕の表情。レース後はヘロヘロでした。今回の装備は基本イノヴェイト。アパレルもスタイリッシュで機能性も高レベル。ニットキャップも必携品に含まれていたので、ハイウェイのサービスエリアで購入。これなかったらやばかったです。

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シューズは柔らかい路面で圧倒的なグリップ性を発揮するXクロー275をセレクト。機能性の高さを体感しました。

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路面はこんな感じで轍みたいになっているところも多くて本当に走りにくい。岩もちょいちょい顔を出すし。

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到着したときは曇り空でしたが、途中晴れ間も見えました。ただし一度天気が崩れると10Kmレースとはいえ、かなり過酷になるらしい。

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笑顔が素敵だったマーシャル(監視員)のおじさん。

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イノヴェイトの着用率は軽く50%を超えていました。同ブランド創業者のウェイン エディ氏によると同ブランドのシェアが70%を超えるフェルレースも珍しくないらしい。

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