ぼくのトレイルランニングシューズ史（1）

トレイルランニングを始めるに当たり、絶対必要なアイテムがトレイルランニング用シューズ。

ぼくがトレイルランニングを始めたのは2010年。今ほどシューズに関する情報も選択肢も多くはなかったのだが、個性的なシューズに運良く出会えることができた。

そんなぼくのトレイルシューズ史を振り返ります。

SALOMON XA PRO 3D ULTRA（2010年3月）

トレイルランニングを始めるにあたり、最初に購入したのがSALOMON XA PRO 3D ULTRA。

この頃のぼくのトレイルランニングの知識は「激走モンブラン」くらいで、とりあえずトップランナーのキリアン・ジョルネをサポートしているSALOMONのシューズを選択。特性などはわからず、黄色が好きなので見た目で選んだ。最初はそんなもの（今はプロショップも情報も多いので、そんなことはないと思います）。

少々重かったけど、頑丈な印象だった。ロードではなく、山やトレイルを走るということはこういうことなのだろうと当時は思っていた。

montrail mountain masochist（2010年9月）

二足目のトレイルランニングシューズは、montrail mountain masochist（通称マゾヒスト）。

ラン友が絶賛していたので購入。たしかに軽量で走りやすい。これといった特徴はない代わりに、ネガティブなところもないオールラウンダー。もし当時「トレイルランを始めたい」という友人がいたら、間違いなくマゾヒストを薦めただろう。

イエロー系×グレー系のカラーがスポーティー過ぎず、デザイン的にも秀逸。

2017年にmontrailがColumbiaの傘下になってから「Columbia Montrail」ブランドでの展開だったけど、またブランド名は「montrail」に戻るとか。

new balance minimus MT10（2011年7月）

さて、この後にシューズ選びに関係するプチ事件発生。膝の半月板を故障してしまう。半年ほどランニングを休んでいたのだが、復帰後すぐにnew balance minimus（ミニマス）試履会に参加する機会があった。

当時はベアフット（裸足ラン）ブームがひたひたと広がりつつあった。「BORN TO RUN」を経由していないぼくはそのあたりの知識がなかったのだが、minimusはまさにベアフット感覚のランニングシューズだった。インソールはなく、ダイレクトに足裏で大地をとらえ、ドロップ（つま先と踵の高さの差）も4mmと通常のランシューズの半分以下。

つまり、これが「踵ではなくつま先から着地、歩幅も短めにすることで衝撃を弱め、身体への負担を軽減する」フォアフット走法を育てるシューズなのだ。

なによりシンプルな構造で軽快。速く走る目的ではなく、心を解放するような感覚。走るという行為に自分が何を求めるのか。そうしたフィロソフィーまで突っ込んだ、歴史に残る素晴らしいシューズだと個人的には思っている。

開発したのは当時トレイル界隈でカリスマランナーとして大人気だったトニーこそアントン・クルピチカ。彼についてはdogsorcaravanに詳しい記事が掲載されている。

[people] 若きミニマリスト・ランナーの実践と思想・トニーことアントン・クルピチカの紹介記事（上）

[people] 後半です：若きミニマリスト・ランナーの実践と思想・トニーことアントン・クルピチカの紹介記事（下）

上半身裸でトレイルを走る姿はインパクト抜群であると同時に、彼のミニマリストとしての信条を感じさせるスタイル。今はトレイルレースに参戦していないようだが、全盛期の雄姿はアメリカの歴史的なトレイル100マイルレース「The Western States 100」の2010年のドキュメンタリー映画「UNBREAKABLE」で観ることができる。ヨーロッパから遠征してきたキリアン・ジョルネとの死闘は見応え十分！

Unbreakable: The Western States 100

余談でした。今はベアフットブームは去ったけど、かろうじてminimusシリーズのMT10が継続発売中。その独特な味わいに触れてみたい方がいたら、ぜひ試してみてください。

長くなったので続きます。次回は後年トレイルを席巻するシューズとの出会い！

（続き）

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