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SPECIAL

ゴールドコーストマラソンは最も満足度の高い海外マラソンのひとつです!

2023.08.31
Masahiro Minai

今回で43回目となるゴールドコーストマラソンが、2023年7月1日(土)・7月2日(日)に開催されました。この大会に参加するのは約30,000人。日本からは300名ほどのランナーが参加し、日本人に愛される海外マラソンのひとつとなっています。

昨年の大会で南井編集長が4年ぶりに自己記録を更新したように、ゴールドコーストマラソンは完走者の約6割が自己ベストを記録すると言われる、PB更新を目指すランナーにとってはオススメのロードレース。さらにショッピング、観光、グルメetc.ビフォアフターを思う存分楽しめるなど、日本のランナーにとって総合的な満足度が最も高い海外マラソンのひとつです。来年こそは、そよ風の吹くゴールドコーストで、自己記録を更新しつつ海外旅行を楽しみませんか?

毎年7月に、オーストラリアのクイーンズランド州で行われるゴールドコーストマラソン。数多くの日本人ランナーが参加し、ホノルルマラソンとともに、日本で最もポピュラーな海外マラソンのひとつと言われています。その理由は、日本との時差がたったの1時間なので、時差ボケに悩まされることもなく、コースが平坦(最大高低差8m)で走りやすく、スタート時の平均気温9度(午前11時は16度)という気候の好条件があり、完走者の約6割が自己ベストを更新しているという、PBを目指すランナーにピッタリなレースだから。ちなみに自分も、昨年の大会において3時間50分50秒でゴール。2018年のこの大会以来4年ぶりに自己記録を更新することができました。

ゴールドコーストへのアクセスは、大会開催時点ではジェットスター航空がゴールドコーストまで直行便を、カンタス航空はゴールドコーストから自動車で1時間強の位置にあるブリスベン国際空港まで東京から直行便を運航していました。今回はシドニー乗り換えでゴールドコーストに向かいましたが、ジェットスター航空のケアンズ便からゴールドコーストへと乗り継ぐのも便利だと思います。昨年に続き宿泊は、ゴールドコーストの中心街であるサーファーズパラダイス地区ではなく、南へ4kmほどにあるブロードビーチエリアのThe Star Residence Gold Coast(ザ スターレジデンス ゴールドコースト)。カジノリゾート ザ ゴールドコーストに隣接したレジデンシャルタワー。ベッドルームとは別に広大なリビングルーム、海岸線を望むことができるオーシャンビューのテラス、フルサイズキッチン、洗濯乾燥機も備えているので、日本の観光客にはサービスアパートメントと表現したほうが分かりやすいかもしれません。

今年もブロードビーチ地区に宿泊。ザ スターレジデンス ゴールドコーストは、カジノリゾート ザ ゴールドコーストに隣接しており、マラソンエキスポが開催されていたゴールドコースト コンベンション&エキシビションセンターやゴールドコースト随一のショッピングモールであるパシフィックフェアにも近く、とても便利。

今回宿泊したのはザ スターレジデンス ゴールドコースト。広々としたリビングルームが特徴で、51階の部屋からはゴールドコーストの海岸線を望むことができました。

部屋にはフルサイズのキッチンとダイニングテーブルが備えられているので、こんな感じでステーキを焼いて、ランナー仲間と会食を楽しむことも可能です。

マラソンエキスポは、宿泊先から徒歩数分で到着するゴールドコースト コンベンション&エキシビションセンターにて開催。こちらに伺うのは5回目ですが、いままでにない光景に出くわします。それはエキスポ会場に長蛇の列が見られ、それがなかなか進まなかったこと。これまでは会場到着からゼッケンを受け取るまでに5分とかからなかったのですが、自分たちがエキスポに訪れた金曜日の午後は、ゼッケンをピックアップするのに45分ほどを要しました。その際は「どうして今年だけこんなに時間がかかるのだろう?」と不思議に思いましたが、のちに判明したのがシドニー地域に強風が吹いたため、多くのフライトで遅延が発生。そのために金曜日の夕方にランナーが集中したようです。というわけで、例年は手慣れたボランティアスタッフにより、ゼッケン受け取りはスムーズに行われるのでご心配なく。

ゼッケンを受け取ると物販エリアの手前にあるチェック装置で、記録センサーが問題なく作動するかをテスト。物販エリアで最も大きなスペースを占めるのはスポーツ部門のオフィシャルパートナーであるアシックス。リリースされたばかりのゲルカヤノ30がメインでフィーチャーされており、数多くのランナーが試し履きをしていました。その他にも人気の高いレーシングシューズであるメタスピード スカイ+、メタスピード エッジ+を始めとした豊富なランニングシューズのバリエーション、ランニングアパレル、大会限定Tシャツetc.が揃っています。アシックスエリアを出ると、一般のブースが並び、そのなかにはレース当日に供されるスポーツドリンクの試飲やエナジージェルの試食もできます。こちらのエリアにはランニングアパレル、アクセサリー、マラソン大会etc.多岐に渡るブースが展開されており、今回でエントリーしたのは5回目になりますが、アメリカや日本では取り扱いのないブランドやデザインテイストが異なるグッズも発見できるので、いろいろチェックしていると楽しくて時間が経つのも忘れることでしょう。

今年はシドニー地域の悪天候の影響によるフライトの乱れから長蛇の列となったが、例年はエキスポ会場におけるゼッケンの受け取りに要する時間は5分ほど。

スポーツギアのオフィシャルスポンサーであるアシックス。メインにフィーチャーされていたのはリリースされたばかりのゲルカヤノ30。

フルマラソンの前日には、トレイルランニングやウルトラマラソンの世界でも活躍する「くれいじーかろ」こと甲斐大貴選手がリードするモーニングランも開催され、集合場所となったサーファーズパラダイスのアーチ型サインには数多くのランナーが集い、3kmのファンランを楽しみました。走ったあとには、自動車を減速させるためのバンプという車道の凸型のふくらみに気を付けるといった、ゴールドコーストマラソンを走る際の注意点やフルマラソン全般に関するアドバイスも受けることができ、翌日のフルマラソンに備えました。

モーニングランの集合場所となったGOLD COASTのアーチサイン。

モーニングランをリードしてくれた「くれいじーかろ」こと甲斐大貴選手。Youtubeの撮影を行いながら2時間26分02秒でゴール!

今年のゴールドコーストマラソンは、8つの競技が下記のようなスケジュールで開催されました。2019年まではハーフマラソンとフルマラソンが同日開催でしたが、昨年より別日の開催となりましたので、両方を走ることが可能となり、完走者には合計した距離の63.3kmが表示されたスペシャルメダルをゲットすることができます。

7月1日(土)
ハーフマラソン(AM6:15スタート・制限時間3時間20分)
2kmジュニアダッシュ(AM9:40スタート・制限時間20分)
4kmジュニアダッシュ(AM9:55スタート・制限時間40分)
5kmファンラン(AM10:25分スタート・制限時間1時間20分)

7月2日(日)
車椅子フルマラソン(AM6:10スタート・制限時間6時間45分)
フルマラソン(AM6:15スタート・制限時間6時間40分)
車椅子15kmレース(AM6:40スタート・制限時間1時間40分)
10km(AM6:45スタート・制限時間1時間40分)

レース当日は、昨年と同様に日本から持ってきたインスタント味噌汁とパックご飯にふりかけをかけて、簡単な朝食を摂ります。ニューヨークシティマラソンやホノルルマラソン、ロサンゼルスマラソンではホテルのそばにおむすびを売っているお店がありますが、ゴールドコーストではなかなか手に入りませんので、食べ慣れた食事を食べたいランナーは、日本から持ってきたほうがいいでしょう。ちなみに「どん兵衛」や「赤いきつね」といった、即席うどんをレース当日の朝に食べた年もありました。同室の甲斐大貴選手と支度を済ませ、最寄りのトラム駅であるブロードビーチサウス駅へ。停車していた列車に乗ろうとしたものの、残念ながらすんでのところで出発。しかしながらすぐに次の列車が到着します。ここは始発駅なので、座席に座ることができるのはありがたい。駅に停車するごとにランナーは増えていき、中心街のサーファーズパラダイス駅に着くころには満員に。例年のことですが、乗車を諦めて次の列車を待つランナーも珍しくありません。30分ほどしてスタートエリアのあるサウスポート駅に到着。大規模大会だと駅から出るだけでかなりの時間がかかりますが、スムーズにスタートエリアのあるブロードウォーターツーリストパークへ行くことができました。ここでランナーは、着替えや荷物預けを済ませて指定されたスタートゾーンへと整列しますが、スタート20分くらい前でも問題ないのも嬉しいところ。ニューヨークシティマラソンや東京マラソン、大阪マラソンといった規模のレースになると、スタートからかなり前のタイミングでスタートゾーンに整列することが求められるので。

以前はハーフマラソンのあとにフルマラソンがスタートするスケジュールで、フルマラソンは明るくなってからの号砲でしたが、昨年から別日の開催になりました。今回は6時10分の車椅子フルマラソンの5分後の6時15分スタート。日の出は6時39分なので、真っ暗な中をしばらく走ることになります。日本で天気予報をチェックしたときは雨予報でしたが、雨の心配はなさそう。気温が16℃ほどと、例年の同大会のスタート時気温よりは高いのが少し気がかり。ゴールドコーストマラソンは5回目ですが、「自己記録を更新するにはちょっと気温が高いかな…」と思いました。気温が10℃前後なら日の出前にある程度距離を稼いでおこうと思いましたが、今回それをすると後半ペースダウンしそうなので、5kmまではペースを抑えることにして、徐々にペースを上げることにします。10km通過は去年の53分59秒よりも27秒遅い54分26秒でしたが、15km通過タイムは去年より17秒プラスの1時間21分21秒、20kmは10秒プラスの1時間48分06秒とペースアップし、自分でもいい感じに走れていることがわかります。去年は35kmのラップから失速したので、終盤もしっかりした走りをできるように、ペースをキープしつつ余力を残すことを意識しました。しかしながら、37km辺りの最後の折り返しからの向かい風と、最終的に20℃以上となった気温のために38kmのラップから明らかにペースダウン。目標としていた3時間50分切りだけでなく、去年マークした3時間50分50秒の自己記録更新も難しくなったことを理解すると、一瞬モチベーションが保てなくなりましたが、「せめてサブ4、いや3時間55分は切ろう!」と思い直し、極端なペースダウンだけは避けるようにゴールを目指します。

ゴールへと向かう大通りやゴールエリアのある公園内では、特に沿道からの応援に物凄く勇気づけられ、最後はペースアップしてゴール。手元のカロス ペース2で、3時間54分29秒(公式タイムは3時間54分24秒)でした。今回は目標達成できませんでしたが、最後までしっかりと走ることができたのと、持てる力は出し切ったので悔いはありません。

フルマラソンは午前6時15分、まだ暗いなかのスタートです。



これらの写真のように、ゴールドコーストマラソンは楽しそうに走っているランナーが本当に多い。

最大高低差がたったの8mというフラットなコース設定もゴールドコーストマラソンの大きな魅力です。

ゴール後は完走Tシャツとメダルを受け取ります。昨年はコロナ対策でメダルをボランティアスタッフからかけてもらうことができませんでしたが、今年は小学生のボランティアスタッフから「Congratulations!」と首にかけてもらえました。そのほかにもスポーツタオルやスポーツドリンク、水、オレンジ、バナナなどを受け取り、クールダウンとストレッチを行ってレースを振り返ります。以前も思ったことですが、ブロードウォーターツーリストパークの芝生の上で思い思いにくつろぐランナーは、満足のいく走りのできたランナーが多いのか、みんないい表情をしています。個人的には2年連続の自己記録更新を目指したものの、それは叶いませんでした。しかしながら最後までしっかりと走り切ることができ、最後まで脚力が残っていたことは満足な点です。去年に続き着用したアシックス メタスピード スカイ+の推進力と足の保護性の絶妙なハーモニーもあって、翌日、翌々日も脚部の痛みも無く、疲労感も残っていなかったのも嬉しかったです。

自己記録更新はなりませんでしたが、最後まで脚力が残っていたので、ゴールまでは少しペースアップしてフィニッシュ!

今年はボランティアスタッフにメダルを首にかけてもらえました。

ゴールドコーストマラソンのイメージカラーである、ライトブルーを基調とした完走メダルとフィニッシャーズTシャツ。

男子フルマラソンは小山直城(Honda)が2時間7分40秒の大会新記録で優勝。

女子フルマラソンはR.ジェプコリル タヌイ(ケニア)が2時間27分10秒で制しました。

レースの翌日は、メインビーチのシーワールドターミナルから出発するホエールウォッチングへ。この時期のゴールドコーストは、100%に近い確率でクジラに遭遇できるオススメのアクティビティ。沖合からわずか 20 分のクルーズで行けるオーストラリア ホエール サンクチュアリは、ザトウクジラの主要な生息地です。ホエールウォッチングを楽しんだあとは、2018年、2019年、2022年も訪れたアウトレットモールの「ハーバータウン」へ。最近の日本やアメリカのアウトレットモールは「それほどお得じゃないかも…」と感じることが少なくないですが、こちらは‘90年代の古き良き爆安プライスの品に巡り合える可能性大。今回はニューバランスで日本未発売のワークブーツを格安で手に入れることができました。アシックス、ニューバランス、アディダスetc.といったスポーツブランドから、ラルフローレンやカルバンクラインといったファッションブランドまであらゆるブランドがテナントとして営業。昨年は改装中だったナイキも復活していました。行きはUber、帰りはバスとトラムを乗り継ぎましたが、ブロードビーチやサーファーズパラダイスからは無料のシャトルバスも運行されています。

レース翌々日は、カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリーへ。こちらは様々な動物が飼育されており、コアラを抱っこすることができることで国内外から多くの観光客が訪れる人気スポット。オーストラリアでもコアラを抱ける州は限られているので、他の州からも多くの来園者が訪れるそうです。コアラを抱っこしたり、カンガルーの赤ちゃんと戯れたりして、あっという間に時が経ちました。カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリーは、子供から大人まで年齢を問わず充実した時間を過ごすことができるでしょう。

レースのビフォア&アフターも楽しむことができるのがゴールドコーストマラソンの魅力ですが、ランニング以外にもスポーツを楽しみたいというランナーにオススメなのがゴルフ。ゴールドコースト近郊にはサーファーズパラダイス中心部から自動車で45分の圏内にゴルフコースが20コース以上あり、オーストラリアでも屈指のゴルフリゾート。ゴルフが趣味で「海外でラウンドしてみたい!」といったランナーにもピッタリなエリアです。

ホエールウォッチングはメインビーチのシーワールドターミナルから出発します。

アウトレットモールのハーバータウンでは日本未展開モデルも含め、お得なプライスでゲットすることができます。

様々な動物が飼育されるカランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリー。こちらではコアラを抱っこすることも可能です。

昨年に続き、今年もゴールドコーストマラソンを走りました。今回で5回目の出走となりますが、あらためてこの大会の素晴らしさを体感することができました。海外マラソンは51回走っていますが、タイムの出しやすさ、ビフォアアフター、旅費、治安etc.総合力で判断すると、ゴールドコーストマラソンは、個人的にトップ3にランクすることができます。海外マラソンが初めてというランナーにもオススメで、来年は2019年のように気の置けないランナー仲間を多く連れて走りに来たいと思います。残念ながらジェットスターの成田からの直行便は運休となってしまいましたが、カンタス航空とヴァージン オーストラリア航空がゴールドコーストから車で1時間30分ほどのブリスベン便を運航。ゴールドコースト空港にはシドニーやケアンズetc.からの便も数多く乗り入れているので、他の海外マラソンと比較してもアクセスは悪くありません。来年の7月、より多くの日本のランナーの皆さんとゴールドコーストマラソンのスタートラインでお会いするのを楽しみにしています。

協力 ゴールドコースト観光局、ゴールドコーストマラソン日本事務局

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