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SPECIAL

あらゆるレベルのランナーからトップクラスの満足度を誇る、「ゴールドコーストマラソン」を3年ぶりに走ってきた!!!!

2022.07.29
MASAHIRO MINAI

日本人にも人気のゴールドコーストマラソンのリアルイベントが、7月2日と3日に3年ぶりに開催されました。2017年から3年連続で参加し、この大会の楽しみ方を熟知している南井編集長が、2019年以来、3年ぶりにエントリー。ゴールドコーストマラソンの魅力をレポートします。

日本で最もポピュラーな海外マラソンのひとつ、ゴールドコーストマラソン。

毎年7月に、オーストラリアのクイーンズランド州で行われるゴールドコーストマラソン。数多くの日本人ランナーが参加し、ホノルルマラソンとともに、日本で最もポピュラーな海外マラソンのひとつと言われています。その理由は、日本との時差がたったの1時間なので、時差ボケに悩まされることもなく、コースが平坦(最大高低差8m)で走りやすく、スタート時の平均気温9度(午前11時は16度)という気候の好条件があり、完走者の約6割が自己ベストを更新しているという、PBを目指すランナーにピッタリなレースだから。ちなみに自分も2018年の大会において3時間52分00秒でゴール。7年半ぶりに自己記録を更新しました。

コロナ禍以前の10年は、月に1~2回ほど海外渡航することがあたりまえになっており、この2年は「海外に行きたい!」という気持ちが日に日に高まっていたので、今回ゴールドコーストマラソンを走ることが決まったときは本当に嬉しかったです。海外に行くのはブランクがあるので、ある程度勝手を知っている街のほうがいいというのもありましたし。以前はジェットスター航空がゴールドコーストまで直行便を、カンタス航空はゴールドコーストから自動車で1時間強の位置にあるブリスベン国際空港まで成田から直行便を運航していましたが、現在はともに運休。今回はシドニー乗り換えでゴールドコーストに向かいました。今回の宿泊は、ゴールドコーストの中心街であるサーファーズパラダイス地区ではなく、南へ4kmほどにあるブロードビーチエリアのメリトンスイーツ ブロードビーチ。全室スイートルームの高級ホテル。ベッドルームとは別に広大なリビングルーム、フルサイズキッチン、洗濯乾燥機も備わるので、日本の観光客にはコンドミニアムタイプと表現したほうが分かりやすいかもしれません。

今回はブロードビーチ地区に宿泊。マラソンエキスポが開催されていたゴールドコースト コンベンション&エキシビションセンターや、ゴールドコースト随一のショッピングモールであるパシフィックフェアにも近く、とても便利。

今回宿泊したメリトンスイーツ ブロードビーチ。広々としたリビングルームが特徴のオールスイートの居心地の良い空間でした。

フルサイズのキッチンが備えられているので、こんな感じでステーキを部屋で焼くことも可能です。

マラソンエキスポは時間の経つのも忘れます。

マラソンエキスポは、滞在先から徒歩数分で到着するゴールドコースト コンベンション&エキシビションセンターにて開催。受付はボランティアスタッフによりスムーズに行われ、ゼッケンを受け取ると物販エリアの手前にあるセンサーチェック装置で、センサーが問題なく作動するかをテスト。物販エリアで最も大きなスペースを占めるのはスポーツ部門のオフィシャルパートナーであるアシックス。リリースされたばかりのレーシングモデル、メタスピード スカイ+、メタスピード エッジ+がメインでフィーチャーされており、数多くのランナーが試し履きをしていました。その他にも豊富なランニングシューズのバリエーション、ランニングアパレル、大会限定Tシャツetc.が揃い、アシックスエリアを出ると、一般のブースが並び、スポーツドリンクやエナジージェル、ランニングアパレル、アクセサリー、マラソン大会etc.多岐に渡ります。今回で4回目になりますが、アメリカや日本では取り扱いのないブランドやデザインテイストが異なるグッズも発見できるので、いろいろチェックしていると楽しくて時間が経つのも忘れます。

マラソンエキスポはブロードビーチ地区のゴールドコースト コンベンション&エキシビションセンターにて開催。ゼッケンに付属のセンサーが問題なく作動するかをチェックして準備完了。

物販エリアでは、オフィシャルパートナーのアシックスが最も大きなスペースを占めており、最近発表されたばかりのメタスピード スカイ+、メタスピード エッジ+をメインでフィーチャー。大会のロゴ入りアパレルも数多く展開されていました。

ランニングに関する様々なグッズ、他の大会のブースetc.が並び、時間が経つのも忘れて楽しむことができました。

いよいよ自己記録更新を目指して、レースがスタートです。

今年のゴールドコーストマラソンは8つの競技が下記のようなスケジュールで開催されました。

7月2日(土)
ハーフマラソン(AM6:00スタート・制限時間3時間20分)
2kmジュニアダッシュ(AM9:25スタート・制限時間20分)
4kmジュニアダッシュ(AM9:40スタート・制限時間45分)
5kmファンラン(AM10:10分スタート・制限時間1時間20分)

7月3日(日)
車椅子フルマラソン(AM5:55スタート・制限時間6時間45分)
フルマラソン(AM6:00スタート・制限時間6時間40分)
車椅子15kmレース(AM6:25スタート・制限時間2時間25分)
10km(AM6:30スタート・制限時間1時間40分)

レース当日は、日本から持ってきたインスタント味噌汁とパックご飯にふりかけをかけて、簡単な朝食を摂ります。ニューヨークシティマラソンやホノルルマラソン、ロサンゼルスマラソンではホテルのそばにおむすびを売っているお店がありますが、ゴールドコーストではなかなか手に入りませんので、食べ慣れた食事を食べたいランナーは、日本から持ってきたほうがいいでしょう。ちなみに「どん兵衛」や「赤いきつね」といった即席うどんをレース当日の朝に食べた年もありました。

ホテルのロビーに4時30分に集合し、最寄りのトラム駅であるブロードビーチサウス駅へ。すでにランナーが出発を待っていましたが、ここは始発駅なので、座席に座ることができるのはありがたい。駅に停車するごとにランナーは増えていき、中心街のサーファーズパラダイス駅に着くころには満員に。例年のことですが、乗車を諦めて次の列車を待つランナーも珍しくありません。30分ほどしてスタートエリアのあるサウスポート駅に到着。大規模大会だと駅から出るだけでかなりの時間がかかりますが、スムーズにスタートエリアのあるブロードウォーターツーリストパークへ行くことができました。ここでランナーは着替えや荷物預けを済ませて指定されたスタートゾーンへと整列しますが、スタート20分くらい前でも問題ないのも嬉しいところ。ニューヨークシティマラソンや東京マラソン、大阪マラソンといった規模のレースになると、スタートからかなり前のタイミングでスタートゾーンに整列することが求められるので。

以前はハーフマラソンのあとにフルマラソンがスタートするスケジュールで、フルマラソンは明るくなってからの号砲でしたが、今回は5時55分の車椅子フルマラソンの5分後の6時00分スタート。日の出は6時39分なので、真っ暗な中をしばらく走ることになります。前日までは雨が降り続いていましたが、この日は雨は降ってなく、気温も12℃ほどと、マラソンを走るには絶好のコンディション。ゴールドコーストマラソンは4回目で、太陽が出ると急速に気温が上昇することを知っているので、日の出前にある程度距離を稼いでおこうと思い、km/5分20秒を目安にラップを刻みました。まだ暗いなかサーファーズパラダイスを通り過ぎ、10kmを53分59秒で通過。15km過ぎの折り返し点あたりでパラっと雨が降りましたが、小雨のレベルで全く気にならず、逆にいいリフレッシュになりました。2018年に自己記録を更新した際も快調にラップを刻めましたが、今回はそれ以上に脚が楽。調子に乗ってペースを上げ過ぎるとろくなことがないので、あくまでkm/5分20秒をキープするようにと、自分に言い聞かせます。中間点は1時間53分50秒で通過しましたが、まだまだ余裕があり、2019年には暑さと疲労で辛い状態で走った26kmのサーファーズパラダイスでも、熱狂的な沿道の応援に対し、今年は「Thanks!」と応える余裕もありました。30km地点のあるゴールドコーストブリッジは同大会における数少ない高低差のある箇所ですが、ここもペースダウンせず難なく渡り終えます。30km通過タイムは2時間41分26秒。そこからしばらく走るとスタート地点に戻り、道の反対側にはゴールを目指すランナーが見え、彼らのダイナミックな走りから元気を貰えました。35kmを目指す道のりは応援の少ない区間も長く、気温の上昇もあってペースダウン。ここではいろいろ考えました。「当初の目標である3時間50分切りを目指す」「自己記録の3時間52分00秒を1秒でも更新する」「少しペースを落として確実にサブ4は達成する」の3つを選択肢として、最終的には自己記録の更新を目標にして、km/5分40秒を目標ペースに走ることに。34km過ぎから39kmあたりまでは沿道の応援も多く、対面でランナーと向き合うコースなので、走っていてとても楽しい。そして40km手前の海岸沿いからの景色がとてもきれいだったので、「これぐらいのロスなら自己記録更新には影響を与えないでしょう」という判断で、ここで写真を撮影。こうした美しい風景を眺められるのもゴールドコーストマラソンの魅力のひとつです。

41km手前でフランクストリートに戻ると、ゴールまでは一本道。沿道からの歓声はすさまじく、自ずとペースアップ。これまで数えきれないほどのフルマラソンを走ってきましたが、ここまで脚力が残っていたことはありません。あまりにもいいペースで走れていたので、「コレは3時間50分切れるんじゃない!?」と思い、km/5分を切るペースでダッシュ。さすがにスパートしたタイミングが遅すぎて3時間50分を切ることはできませんでしたが、手元のスント5 ピークで、3時間50分51秒(公式タイムは3時間50分50秒)でゴール。4年ぶりの自己記録更新です。こういうのはいくつになっても嬉しいものですね。

スタート地点のあるサウスポート駅に向かうトラム。午前5時前なのに、ゴールドコーストマラソンを走るランナーで超満員でした。

今回のスタートは午前6時ということもあり、真っ暗な中で号砲が鳴りました。

3時間00分から5時間00分まで11のペースメーカーが用意されます。写真は3時間40分。

当日の日の出は6時39分なので、しばらくは真っ暗な中を走ることになりますが、日が出るまでは気温が上がりにくいので、順調にペースを刻むことができます。

明るくなると、一挙にリゾート地で行われるマラソンらしい雰囲気に!

ゴールドコーストで最も有名な観光スポットであるサーファーズパラダイスもコースの一部です。

ゴールドコーストマラソンの参加は4回目ですが、本当に走りやすいコースと気候なので、記録を狙うランナー、楽しく走りたいランナーの両方にオススメです。

数少ないアップダウンのある箇所であるゴールドコーストブリッジを走るランナーたち。背後にはサーファーズパラダイスの高層ビル群が見えます。

40km手前の海岸沿いで撮影した写真。あまりに美しい景色だったので、写真に収めずにはいられませんでした。

フィニッシュはスタートと同じブロードウォーターツーリストパーク。いい表情でゴールするランナーが多いことも、この大会の素晴らしさを象徴しています。

ゴール後は完走Tシャツとメダルを受け取ります。以前はメダルをボランティアスタッフからかけてもらえましたが、コロナの影響からか今回は手渡しです。そのほかにもスポーツタオルやスポーツドリンク、水、オレンジ、バナナ、ノンアルコールビールなどを受け取り、クールダウンとストレッチを行ってレースを振り返りました。ブロードウォーターツーリストパークの芝生の上は、完走したランナーで徐々に埋まりますが、思い通り走れたランナーが多いのか、みんないい表情をしています。個人的には4年ぶりの自己記録更新は嬉しかったですし、35km以降は毎回大きく失速してkm/6分を超えるラップになっていたのが、今回はしっかりと走り切ることができ、最後まで脚力が残っていたのは大きな収穫です。翌日、翌々日も脚部の痛みが無かったですし、疲労感も残っていなかったです。

完走メダルを受け取り誇らしげなランナーたち。今回も満足気な表情のランナーが本当に多かったです。

男子は福田譲選手が2時間10分55秒で優勝。2位は金子晃裕選手、3位はアマリー パケット選手。女子はリンゼイ フラナガン選手が2時間24分43秒で優勝、2位がリサ ウェイトマン選手、3位が兼重志帆選手。

完走後に今回一緒にゴールドコーストマラソンに参加したランチューバ―のHAGI氏と。

今回のゴールドコーストマラソンの模様は下記からチェックできます。

ゴールドコーストマラソン前編
https://youtu.be/Z1aeSAKLhO4

ゴールドコーストマラソン後編
https://youtu.be/2IXb4JKjsS0

レースのビフォア&アフターも楽しむことができるのが魅力です。

レースの翌日は2018年、2019年も訪れたアウトレットモールの「ハーバータウン」へ。最近の日本やアメリカのアウトレットモールは「それほどお得じゃないかも…」と感じることが少なくないですが、こちらは‘90年代の古き良き爆安プライスの品に巡り合える可能性大。今回はラルフローレンでテニスの全豪オープンのコレクションが大幅に値引きされていました。アシックス、ニューバランス、アディダスetc.といったスポーツブランドから、アルマーニやアグといったファッションブランドまで、あらゆるブランドがテナントとして営業。自分はトラムとバスを乗り継いで行きましたが、ブロードビーチやサーファーズパラダイスからは無料のシャトルバスも運行されています。レースのビフォア&アフターも楽しむことができるのがゴールドコーストマラソンの魅力ですが、このハーバータウン以外にもコアラを抱っこすることができるカランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリー、イルカの餌付けやイルカと一緒に泳ぐ体験プログラムが人気のシーワールド、ゴールドコーストの街が一望できるスカイポイント展望台etc.あらゆる年齢層やタイプのランナーがレース前後をエンジョイすることが可能。また、ゴールドコースト近郊にはサーファーズパラダイス中心部から自動車で45分の圏内にゴルフコースが20コース以上あり、オーストラリアでも屈指のゴルフリゾート。ゴルフが趣味で「海外でラウンドしてみたい!」といったランナーにもピッタリなエリアです。

ハーバータウンのラルフローレンのアウトレットストア。大幅割引のコーナーは、日本やアメリカのアウトレットでは実現不可能な安さでした。

今回、3年ぶりにゴールドコーストマラソンを走って、あらためてこの大会の素晴らしさを体感することができました。海外マラソンは48回走っていますが、タイムの出しやすさ、ビフォアアフター、旅費、治安etc.総合力で判断すると、ゴールドコーストマラソンは、個人的にトップ3にランクすることができます。海外マラソンが初めてというランナーにもオススメで、来年は2019年のように気の置けないランナー仲間を多く連れて走りに来たいと思います。今年の8月2日からはジェットスター航空の成田-ゴールドコースト便が再開されますし、カンタス航空は羽田-ブリスベン便を10月末より再開予定ということなので、今年よりもゴールドコーストマラソン参加のハードルが低くなると思います。来年の7月、より多くの日本のランナーの皆さんとゴールドコーストマラソンのスタートラインでお会いするのを楽しみにしています。

協力/クイーンズランド州政府観光局、ゴールドコーストマラソン日本事務局

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