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サロマ湖100kmウルトラマラソン〜STRYDデータ編〜
2019.07.08
Yuko Yada
矢田 夕子
1984年北海道生まれ。2002年松下通信工業株式会社入社(現在 パナソニック株式会社)女子陸上競技部所属。怪我ばかりで走れなかった実業団での経験を生かそうと思い、2007年引退後すぐに神奈川衛生学園に進み、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師に。フルマラソンベスト:2時間58分31秒(勝田マラソン2015)。
2015OSJおんたけウルトラトレイル100K 2位 11時間35分35秒。2015ハセツネ 7位 10時間19分13秒
サロマ湖100kmが終わって1週間が経ちました。
レースは振り返りだけでなく、データの分析も行います。
何がどう良く、何がどうダメだったのかを客観的にもデータで知って次に繋げる事が大切です。
さて、今回はSTRYDのデータを載せたいと思います。
STRYDって何??から始まると思うのですが、STRYDはランニング用のパワーメーターです。
パワーメーターはトライアスリートやサイクリストの方だと聞き慣れてたものかと思います。
外的要因に左右されない身体から出力されるパワーを測定する事ができます。
トレーニングやレースでかかるストレス、またランニングエコノミーを数値化する事が出来る凄いや〜つなんです。
簡単に言ってしまうと、
走っている時どのくらいの馬力で走ってて
馬力こんだけ使ったんだから疲れて
この速度でこの馬力はエコノミーいい感じ!
ってのが分かる機械です!
今回は前後半のパワーデータを比較したいと思います。
前半のパワーデータ↓↓↓
後半のパワーデータ↓↓↓
それぞれの用語を簡単に。
1.Power(Watts)→ランニング中の出力をワット数で表せます。
2.Cadence(SPM)→1分間に両足が地面に着く回数を表しています。
3.Ground Time→足部の接地時間
4.Vertical Oscillation→体全体の上下動の幅
5.Form Power→足が地面に接地した時の前方向以外の左右のブレや上下動のエネルギーのこと
6.Leg Spring Stiffness→一歩一歩の反射能力(バネ)
こういったものがデータで取れます。
今回データを前後半で見た時の分析を何点か。
・AvgPaceが変化していないのは凄い事なんですが(自画自賛w)、ランニングエコノミーを数値で算出した時もほとんど変化がないんです。
ランニングエコノミーをEfficiencyIndex(効率の指標)という値で求められます。
EI=AvgSpeed/AvgPower
この数式で求めると
前半→1.19
後半→1.16
と、ほとんど数値の変化はありません。なんなら、後半止まってかぶり水しているので、ペースもランニングエコノミーも走っているときは上がっていたのだと考えられます。
・Leg Spring Stiffnessが落ち、Ground Timeが上がっており、Vertical Oscillationは低くなっています。
これだけ見ると、バネが使えなくなり接地時間が間延びしているように見えますが、何度も止まったことを考えるとこの値は納得。むしろ後半でもそこまでフォームが変化せずに動き続けられたと考えます。
・心拍数ですが、初めは人を追っかけてペースが速めではあるものの
前半Avg 136(70%最大心拍数)
後半Avg 147(75%最大心拍数)
後半の暑さ、疲労を考えると5%アップは妥当。むしろ最後まで心拍をあげて走れている。
いつもはどちらかというと逆・・・。こういうレース展開を自分のレースでもしたいですw
応援ランとはいえ100km走りきれなかったらかっこ悪いなwと思っていたので、今回は160w前後、140前後の心拍推移でおそうと決めていたので後半までビルドアップできたのだと思います。
次に自分の100kmレースがあったとしたら(まだないけどw)
1.AT値をあげる。
2.同じ心拍数に対してのペースをあげる。(今回は136でAvg5’05”だったが136でAvg4‘50”にするという意味)
3.同じパワー発揮に対してのペースをあげる。
4.Maxのパワー発揮をあげる。
要は、パフォーマンスのベースをあげなきゃいかんということですね。
まだまだ伸び盛り!!w
データは振り返ってなんぼ!
失敗も成功も見てみてください!
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