Runners Pulse

MOUNTAIN MARTIAL ARTSがオリジナルウェアを初めてリリースしたのが2013年。それ以来、ランニングパンツと並んでコアアイテムといえるのがTシャツ。

Tシャツというのは誰にとっても身近なアイテムで、「持っていない」という方はいないと思う。普段着、部屋着、そしてランニング用。

MMAはブランドスタート当初から国内生産のオリジナルボディで作っている。「オリジナル」の意味は「メーカーからTシャツのボディを仕入れてプリントする」というのではなく、自分で企画して生地を仕入れて工場で縫製する。同じTシャツは他メーカーには存在しないということだ。

オリジナルで作ることで
・生地を選択できる
・サイズを決めることができる
・独自のディティールにすることができる
といったメリットがある。逆にコストが上がったり生産ロットが必要などのデメリットも存在するので、納得していただけるように企画にも品質にも徹底的にこだわる。

MMAのTシャツはスポーツに（も）使える、というコンセプトのものが多い。つまり速乾性などの機能が必要となってくる。「速乾性機能を持つ生地」も幅広くあり、例えばMMAではタウンユースにも使えるような光沢感を抑えた杢調の生地を使うことが多く、よりランニング寄りなTMRCはスポーティーさが感じられる生地を選んでいる。 

サイズも日本人の体型をベースに寸法を決めている。MMAでは主に「レギュラー」「リラックス」「ワイド」と3つのシルエットがあり、肩幅、袖周り、着丈、身幅、毎シーズンどこかしら調整している。時代感を反映して「レギュラー」も当初より少しゆとりがあるサイジングにしたり、競技的視点以外の要素も考慮しているのだ。

個人的にはオリジナルで作る一番のメリットは、ディティール。今季でいえば、TMRCはランニング使用を前提に、袖、背中を抜けのよい速乾メッシュに切り替えている。

MMAは脇下をメッシュに切り替え、その下に補給が入るポケットを装備。タウンユースでも使えるように、同色系のメッシュにしてスポーティー過ぎないデザインにしている。

そして何をプリントするか。

TMRCはロードもトレイルも走るランナーに向けて「ROAD&TRAIL」のシンプルなメッセージをクラシカルなチームウェアのイメージに。

MMAはメッセージTシャツが作りたくて、「My energy comes from」（私のエネルギーは）、エイドに到着して手にするのは、オレンジ、バナナ、チョコ、ポテトチップス etc.という分かる人には分かる少しひねったメッセージ。ファッション系ブランドのTシャツをモチーフにしていて、シンプルだけど意味がある。

世の中にTシャツというアイテムはたくさんある。キャンバスに見立ててプリントにこだわったり、メッセージを発信したり、機能を追求したりと様々なアプローチができる。シンプルなアイテムだけど、とても奥深く、毎シーズン作り甲斐がある。