カンブリア紀、もしくはダイバーシティ(HOKE ONE ONE CLIFTON EDGE)
遡ること約4ヶ月前、HOKA ONE ONEが驚愕のトレイルランニングシューズをリリースした。
その名はTENNINE。
圧倒的なボリューム感を持つソールは、ヒール部分が大きく後ろに張り出している。過去、こんなシューズを見たことがない。異形のシューズ。
あまりのインパクトに購入したが、なんだか気遅れしてしまい、まだ履けていない、、、
そのTENNINEの系譜を継ぐであろうロードランニングシューズ、CLIFTON EDGEがリリースされた。
すでに多くの実力派ランナーのみなさまがレビューを書いているので、いまさらぼくレベルのランナーがシューズに関して書くことはない。ぼくが心を動かされたのは、HOKA ONE ONEがこうした挑戦的なシューズをリリースする心意気である。
ここ数年、ロードランニングシューズの主役は間違いなくNIKE。カーボンプレートソールの進化は止まることなく、プロから市民ランナーまで、多くのユーザーの心を掴んでいる。ようやくライバルメーカーからもカーボンプレートソールが出揃い始めたが、当分NIKEの優勢は変わらないだろう。
しかし、同じようなシューズばかりでは面白くないよね?(履く人が履けば違いがわかると思いますが)
イノベーターと多くのフォロワー。ランニングシューズに限らず、こうした現象はよく見られる。でも、メーカーもユーザーもみんながみんな、同じ方向を向いているとは限らない。
本来ランニングに求められるものはひとつではないはずで、速さを求める方向性の答としてカーボンプレートソールがあるのであれば、速さ以外のランニングの魅力を伝える別のアプローチもあるはず。いまどのメーカーがそうした挑戦ができているのか。
多くの生物が誕生し、進化の大爆発につながったというカンブリア紀。すでに日常語として使われているダイバーシティの本来の意味は「多様性」だ。ぼくらはもっとたくさんの可能性を見てみたいし、様々なアプローチによりマーケットは広がり、進化(または深化)するのではないだろうか。
そして、HOKA ONE ONEは間違いなく挑戦している。だから気になるし、試してみたくなる。
「書くことはない」といいつつ、シューズについて少しだけ。
リリースでは「あらゆるレベルのランナーの可能性を限界まで引き出せるように設計されたモデル」とあるが、正直なところ癖のようなものはあると感じた。HOKA ONE ONE独特のクッション性、幅広いソールから来る圧倒的な安定性は、他のランニングシューズでは味わえない。
癖はネガティブではない。ぼくが普段履いているランニングシューズはnew balance minimus、Altra Escalante racer、そしてHOKA ONE ONE carbon X。そのすべてに独特の癖があり、だから面白い。履きこなす楽しさは、味わいでもある。
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