独自のアプローチでファンを増やしてきたYONEX RUNNINGの魅力とは
ご存じの通りYONEX<ヨネックス>は、日本国内においてバドミントン、テニスのラケットで高い認知度とシェア率を誇るブランド。一昔前はランニングというスポーツと<ヨネックス>は結び付かなかったかもしれないが、最近ではランニングカテゴリーにおいても着実にシェアを伸ばしている。今回はそんなYONEX RUNNINGをリードする開発者、幼少期より<ヨネックス>ブランドを使用し、その優秀性を証明してきた日本トップレベルのバドミントンプレーヤー、そして数多くのランニングシューズを着用し、その走行性能の優劣を判断することができるウルトラランナーに、その魅力を聞いた。
開発者、横山雄樹氏に聞くYONEX RUNNING
ここ数シーズン、YONEX RUNNINGに対する注目度は着実に向上しているが、同社のランニングカテゴリーのことを語る際に決して忘れることのできない人物が存在している。それが、ヨネックス株式会社の製品開発部でランニングシューズの企画・設計・デザインを担当する横山雄樹だ。「小学校のときはサッカーをやっていましたが、中学のときにソフトテニスを始めて、そのときに<ヨネックス>というブランドを知りました。高校でも硬式テニス部に入り、<ヨネックス>の機能性の高さをラケットやシューズ、アパレルを通じて知りました」と語る。そして「中学の頃からファッションにも興味を持ちました。神戸に住んでいたのですが、古着を中心にコーディネートを組んで、当時は裏原宿系が全盛でいろいろと欲しかったのですが、高価なためになかなか購入できませんでした。お金を貯めてBABY MILOのスウェットを買ったときは嬉しかったですね。大学から社会人にかけて、自然が好きということもあり、アウトドアフィールドへ行くことが多くなってからは、アウトドアウェアを探求しました」とのことで、こうしたファッションへの興味が、現在のYONEX RUNNINGの独特の配色やスタイリッシュなデザインへと繋がっていく。
「昔から恐竜が好きで、よく絵を描いていて、『将来は自分のデザインが製品になったらいいなぁ…』ということもあり、大学は九州大学の芸術工学部へ。工業デザインを専攻し、大学院まで進みました。周囲は自動車や家電といった業界を目指す人が多かったのですが、自分は人体に関連した製品をデザインしたかったので、スポーツシューズも展開しているヨネックス株式会社への入社を決めたのです」という。2010年に入社すると、1年半の宣伝部勤務を経て、ランニングシューズ担当に配属され、2012年に最初のプロダクトとなるSAFERUN 300をデザインする。このプロダクトは、抜群の衝撃吸収反発性能を誇るパワークッションや、着地時の極端な脚の倒れ込みで、ランニング障害の大きな原因となるオーバープロネーションを抑制するアーチフォーマーを採用。ランナーが日々安全にランニングするスペックを結集する1足であり、「この当時の私たちのランニングシューズの開発コンセプトは、フルマラソンを完走するといったことよりも、ラケットスポーツを始めとした、さまざまなスポーツのアスリートが、デイリートレーニングを安全に行えるようにすること。このことをメインの目標として開発しました」と語る。
そして、横山がより高いレベルで他ブランドと勝負できる1足と自信を持ったのが、2019年秋にリリースしたSAFERUN 100であった。「ラケットやスノーボードなど、私たちはカーボン素材の扱いに関しては一日の長があるので、それをいかにしてランニングシューズへと応用するかが課題でしたが、『ひざへの優しさ』『ビギナーに多いヒール着地への対応』『推進力をサポートする適度なしなりを生むカーボンプレートの形状』など、他ブランドとは異なったアプローチ、コンセプトのカーボンプレート内蔵ランニングシューズが完成したと思います。実際に着用されたランナーからの評価も向上しましたし、このプロダクトが完成するまでは、当社のランニングシューズは総合スポーツ店での取り扱いが中心で、ランニング専門店での展開はほとんどない状態でしたが、このSAFERUN 100のリリース以降、大阪のRUN-WALK Styleなどでも扱っていただけるようになり、大きな自信となりました」とのことで、ここから自分の周囲でもヨネックス=ランニングのイメージが徐々に強くなっていった。
その後も横山自身が自信作と語る、ランニングだけでなく、短距離ダッシュ、反復横跳び、スクワット、ジャンプ、ランジなど高強度動作や、軽いウエイトトレーニングなどの踏ん張りにも対応したスペックを結集したSAFERUN FITJOG、異次元のクッション性と安定性を誇り、あらゆるレベルのランナーが長距離をらくらく走ることを可能とするSAFERUN 200X、これまでの同社のラインアップには存在しなかったレベルの速さを実現したCARBON CRUISE AERUSといったプロダクトをリリースすることにより、着実にランニングカテゴリーにおいても存在感を見せつつある。そして、近い将来、ランナーをあっと言わせる高機能プロダクトのリリースも控えているという。横山雄樹のランニングシューズ開発に対する情熱は、ファッションランニングアドバイザーとして活躍する牧野英明を始めとした数多くのランニング関係者が評価するところ。今後のYONEX RUNNINGの動向は、これまで以上に注目が集まるはずだ。
横山雄樹
1985年生まれ。九州大学大学院芸術工学府で工業デザインを専攻。ヨネックス株式会社製品開発部でランニングシューズの企画・設計・デザインを担当。骨格や筋肉の動きに基づき、人間にとって走りやすい形状や構造の探求とシューズ開発に勤しむ。
最も注目されるバドミントンプレーヤー、
奈良岡功大選手が語るYONEX RUNNINGの魅力とは
<ヨネックス>を幼少期から知り、パリオリンピックでのメダル獲得も期待される日本のトップバドミントンプレーヤー、奈良岡功大選手。彼の足元を支え、日々のランニングで愛用しているシューズもまた、YONEX RUNNINGだった。
「5歳の頃からバドミントンを始め、小学生のときに<ヨネックス>というブランドの存在を認知しました。子供の頃から<ヨネックス>以外使っていないほど、このブランドを信頼していて、ラケットだけでなく、アパレル、シューズの優秀性も体感してきました。バドミントンはフルセットになると1時間30分を軽く超える長丁場になり、そういったゲーム展開に対応するための持久力を強化するためにも日々のランニングは不可欠です。使い古したバドミントンシューズでランニングするプレーヤーもいますが、脚を保護するためにも、走るときはランニングシューズを使用するべきだと思います。最近試したCARBON CRUISE AERUSは、自然と足が前方に運ばれる感じで本当に走りやすかったですね」。
奈良岡功大
5歳でバドミントンを始め、全国小学生バドミントン選手権大会で4年、5年、6年とシングルス3連覇を果たす。全日本中学校大会でもシングルス3連覇を成し遂げると、浪岡高等学校に進学。2017年の全日本総合選手権本戦に出場し、史上最年少16歳4か月で1勝を挙げ1回戦を突破する。2018年、ブエノスアイレスで行われた第3回ユースオリンピックにて男子シングルスでは日本初となる銅メダルを獲得。2019年、海外のシニアツアーを転戦し、グレード3のラオス・ジャマイカ・モンゴル・ドバイ・アメリカのインターナショナルチャレンジで優勝。グレード2のロシアSuper100でベスト4、マカオSuper300ではベスト8進出を果たし、2019年度はチャレンジ大会5勝を挙げ世界ランキングを116位から一気に43位まで上昇させた。2020年3月に高校を卒業し、日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科に籍を置きながら個人で世界転戦をし、日本代表として活動。日本人プレーヤーで世界ランキング最上位であり、2024年パリオリンピックでメダルが期待される日本バドミントン界若手有望選手である。
さまざまなランニングギアをトライしてきた
ウルトラランナー、みゃこさんが語るYONEX RUNNING
数多くのランニングシューズを着用し、その走行性能の優劣を判断することができるウルトラランナー、みゃこさんに、YONEX RUNNINGとの出会いとその履き心地を聞いた。
「私がヨネックスというブランドを知ったのは、小学校の頃だったと思います。自分自身はバスケットボール部だったのですが、同じ体育館の反対側でバドミントン部が練習していて、ほとんどの子が<ヨネックス>を使っていたのが印象的でした。
バドミントンやテニスのイメージが強く、ランニングシューズをリリースしていることを知ったのは2年ほど前で、実際に履いたのは去年の秋が最初でした。このとき履いたのはCARBON CRUISE AERUSでしたが、とても軽くて、予想以上に走りやすかったです。このシューズは結構速いペースで走っても、しっかりと着地衝撃を吸収してくれるのがいいですね。ミッドソールの変形も少なくて、衝撃吸収だけでなく反発性も兼ね備えているところも気に入っています。シュータンの優れたフィット感、解けにくいシューレース、シューレースを留めておけるエラスティックバンドなど、長距離を走るのに最適なスペックを結集しているところも気に入っています。
CARBON CRUISE AERUSで、YONEX RUNNINGの優秀性を知ったこともあって、最近はウルトラマラソンに向いているSAFERUN 200Xを練習で履いていて、先日行われた『さいたまマラソン』では、制限時間ギリギリのランナーを完走まで導くスイーパーを務めたのですが、このシューズを履いて走りました。SAFERUN 200Xが、クッション性と安定性が高い次元で両立されていて、本当にカラダへのダメージが少ないことを体感できました。あと、モーブピンクという他ブランドではあまり見られない、独特なトーンのカラーリングもいいですね。
YONEX RUNNINGのシューズは、履いていて怪我を心配しなくていい安心感というか安全な感じが強く感じられるので、今後もそういったシューズつくりを続けてほしいですね。『怪我をしないための練習パートナー』といった感じです。さらに欲を言えば、そういった安心感のあるシューズに『ポンッポンッ』と弾むような推進力をプラスしてもらえたら最高です」
みゃこ
ウルトラランナー。初マラソンで出た100kmマラソンの魅力にハマり、走ることが大好きに。ウルトラマラソンを中心にフルマラソンやトレイルランニングにも挑戦しており、Youtube「ウルトラランナーみゃこ」では、さまざまな角度から走ることの楽しさを発信している。
取材を終えて
今回3名に話を聞いて思ったのは、YONEX RUNNINGのシューズが安全や安心といったキーワードに留意して開発されており、着用者の2人が、その保護性の高さを実感できているということ。運動の習慣のなかった初心者ランナーだけでなく、ある程度速いペース、長い距離を走るようになると、ひざや踵、腰の痛みといったさまざまな怪我の心配が出てくる。「ランニングに怪我は付き物」と考える人もいるが、誰もが好き好んでランニング障害と付き合いたいとは思っていない。YONEX RUNNINGは、日々のランニングを快適かつ安全に行いたいと思っているランナーにとって、選択すべき存在といえるだろう。
INFORMATION
ヨネックス株式会社 お客様相談室
TEL:03-3836-1221
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