• instagram
  • youtube
  • rss
スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
  • instagram
  • youtube
  • rss
COLUMN

2019出雲駅伝予想。

2019.10.10
Shun Sato
Shun Sato

駅伝シーズンの幕開けを告げる出雲駅伝が14日、行われる。

出雲駅伝は1区間が20キロ前後の箱根駅伝と異なり、全6区(45.1キロ)というスピード駅伝だ。そのために各大学とも高速仕様のメンバーをそろえてきている。

2連覇がかかる青学大だが、鈴木塁人(4年)、竹石尚人(4年)、生方敦也(4年)、中村友哉(4年)、吉田圭太(3年)、神林勇太(3年)、飯田貴之(2年)、湯原慶吾(2年)、大澤佑介(1年)、岸本大紀(1年)が出雲駅伝のエントリーメンバーに入った。

選手層はスピード系の中村、生方、中間系の吉田、飯田、持久系の神林、竹石、湯原と全体のバランスが取れている。ただ、チーム全体の総合力としては、森田歩稀、橋詰大彗、小野田勇次、林奎介、梶田瑠哉らがいた昨年よりも落ちる。森田のような圧倒的なエースがいない中、2連覇を狙う今回は厳しいレースになるだろうが、原監督の大胆な采配で選手をうまく配置して、優勝争いを持ち込むことは可能だ。
1区:岸本(1)
2区:鈴木(4)
3区:吉田(3)
4区:湯原(2)
5区:飯田(2)
6区:竹石(4)
選手層が昨年ほどではないので、1区から絶対に遅れるわけにはいかない。そのために3区までは確実に走れる選手で固めてくるだろう。昨年、5区を走った生方、スピードのある中村をどう起用するのか。原監督の区間配置が非常に楽しみだ。

昨年2位の東洋大は、相澤晃(4年)、今西駿介(4年)、定方駿(4年)、渡邉奏太(4年)、西山和弥(3年)、大澤駿(3年)、蝦夷森章太(2年)、鈴木宗孝(2年)、宮下隼人(2年)、児玉悠輔(1年)が出雲駅伝のエントリーメンバーだ。

エースの相澤はトラックシーズンから絶好調だ。関東インカレ5000mでは総合5位、7月のユニバーのハーフマラソンでは優勝するなど故障もなく、調子を維持している。また関東インカレのハーフでは2位宮下、4位蝦夷森、6位定方と3人の入賞者を出した。9月の日本インカレには主力が出場しておらず、独自に調整を続けてきているが、日体大記録会では主力組がまずまずの走りを見せている。
1区:西山(3)
2区:宮下(2)
3区:相澤(4)
4区:大澤(3)
5区:今西(4)
6区:渡邉(4)
3区の相澤が抜け出ることができれば、5区には昨年区間賞の今西がいる。昨年アンカーを走った吉川がいないのが痛いが、蝦夷森あたりが入ってくる可能性もある。東洋大は相澤というエースがいる分、強いが、彼を軸にどう区間配置するか。

東海大は、鬼塚翔太(4年)、關颯人(4年)、西川雄一朗(4年)、小松陽平(4年)、郡司陽大(4年)、阪口竜平(4年)、塩澤夕稀(3年)、西田壮志(3年)、市村朋樹(2年)、本間敬大(2年)が出雲駅伝のメンバーに入った。

黄金世代と言われる4年生主体のチームだが、心配なのはその4年生の調子がトラックシーズンにあまり上がらなかったことだ。唯一、阪口だけが関東インカレ、全日本選手権の3000mSCで優勝するなど好調さを維持していたが、キャプテンの館澤亨次(4年)が故障でメンバー落ちするなど不安要素が多い。

ただ、3年生が非常に調子がいい。西田は関東インカレのハーフで総合3位、9月の日本インカレでも1万mで28分58秒15と自己ベストを更新した。塩澤も関東インカレ1万mで12位と健闘し、日本インカレ1万mでも9位とまずまずの走りを見せている。3年生が引っ張る形でチームが動いており、そこに阪口と夏合宿に成長した市村が絡むオーダーになりそうだ。
1区:塩澤(3)
2区:市村(2)
3区:阪口(4)
4区:鬼塚(4)
5区:西川(4)
6区:西田(3)
この予想オーダーは3区までにトップと30秒以内であれば、4区5区6区でひっくり返すことが可能な強力な布陣だ。前日の区間エントリー提出の時まで選手のコンディションを見て、オーダーが決まるが、東海大のメンバーは選手層が厚い分、青学大、東洋大と比較しても充実している。優勝の最有力候補であることは間違いない。

今年の出雲は、箱根駅伝を獲った東海大、2位の青学大、3位の東洋大のBIG3を中心に優勝争いが展開するだろう。ただ、今回はトラックシーズンに浦野雄平(4年)土方英和(4年)らの活躍で注目を集めた国学大、そして「平成の常勝軍団」の駒沢大、さらに中央学院大、帝京大、法政大も優勝争いに加わるだけの戦力を保持している。とりわけ国学大、駒沢大はトップ3入りを目指し、攻めの駅伝をしてくるだろう。

駅伝シーズンの幕開けとなる出雲駅伝、国学大ら勢いがある有力大学がBIG3を倒すジャイキリの確率はかなり高い。

 

【あわせて読みたい】
2018年出雲駅伝予想。

Shun Sato
佐藤 俊
北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て93年にフリーランスに転向。現在はサッカーを中心に陸上(駅伝)、卓球など様々なスポーツや伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「駅伝王者青学 光と影」(主婦と生活社)など多数。
RECOMMEND
CATEGORIES