スポーツシューズに関連したビジネスに従事して35年になるRunners Pulseの南井編集長が、ランニングギアをマニアックに考察する連載コラム「Running Gear Council-ランニングギア評議会」。第8回のテーマは、最近ランナーの間でも注目を集めているリカバリーグッズの数々を紹介する。実際に走る際に使用するランニンググッズだけでなく、ランナーの体力を回復させる一助となるリカバリーグッズにこだわることは、走力アップの近道となるかもしれない。
1. Hyperice Hypervolt Go 2
2011年に設立されたHyperice＜ハイパーアイス＞は、マッサージガンのパイオニア的存在。同社の製品は、振動・温熱・加圧を利用することで、身体全体のコンディションを整え、身体と心が最高の状態になるようにサポート。今夏より使用しているHypervolt Go 2は、同社ラインアップでは小さな部類となり、女性でも片手で簡単に扱える軽量設計。リュックやショルダーバッグにもすっぽり収納可能だ。最近はさまざまなブランドからマッサージガンがリリースされているが、Hypericeのプロダクトのマッサージパワーは比類なきレベル。個人的にはロング走の後など、自宅でじっくりとセルフケアしたい際に愛用しており、このギアでケアした場合とそうでない場合を比較すると、ケアした翌日のほうが、明らかに疲労感が残っていないと思う。
2. MYTREX REBIVE MINI XS2
マッサージガンの優秀性を体感すると、旅行先や遠征先にも持っていきたくなったが、Hypervolt Go 2はさすがに重く感じた。そんなときに知人から「別のブランドになるけど、もっとコンパクトなのがあるよ！」と教えてもらったのが、MYTREX＜マイトレックス＞の REBIVE MINI XS。本体は300g以下と超軽量で、持ち運びも楽ちんだという。そうこうしているうちに後継モデルであるMYTREX REBIVE MINI XS2が登場したので、自分はこちらを入手した。従来のプロダクトの特徴である軽量コンパクトに加え、強さ（振動スピード）だけではなく深さ（ストローク）も調節可能な手圧変動テクノロジーを新たに採用することで、脚部や腕部だけでなく、頚部や肩関節など、より繊細な調整が必要な部位にも安心して使用できるように。また、その軽量性（290g）により、これまで「おかやまマラソン」「カリフォルニアインターナショナルマラソン」の際に携行し、走った後にすぐ施術できたことから、レース当日、翌日も普段通りにアクティブに活動することができたのである。
3. lululemon DOUBLE ROLLER
筋膜リリースのためのスティックローラーをニューヨークで購入し、しばらく使用していたが、愛知の実家かどこかに置き忘れ、そのために購入したのがlululemon＜ルルレモン＞のダブルローラー。外部ローラーは腕や脚に引き出して使うことができ、内部ローラーは背中のコリの解消に最適。ロング走のあとなど、特に疲労感の強いときは、このローラーでしっかりとケアするようにしている。
4. OOFOS OOriginal, OOahh
フルマラソンやロング走の後の酷使した足を労わってくれるのが、リカバリーサンダル。そんなカテゴリーをリードするのが、OOFOS＜ウーフォス＞。革命的なOOfoam™テクノロジーは、一般的なEVA素材のミッドソールと異なり、37%も衝撃の反発を抑え、足と関節への負担を軽減。疲労困憊の足に優しく、着用することでリカバリーを促進してくれる。夏季は鼻緒の付いたトングタイプのOOriginal、気温の低いときはソックスを履いたままでも着用できるスライドタイプのOOahhをセレクトし、7月の「ゴールドコーストマラソン」では、日本と季節が反対になる南半球のため、OOahhを持っていったが快適そのもの。ちなみに先月の「おかやまマラソン」と今月の「カリフォルニアインターナショナルマラソン」には、OOFOSのリカバリーサンダルを持っていくのを忘れ、本当に後悔した。
5. amino VAITAL 2200mg
激しい運動の後は良質なアミノ酸を摂取することが効果的であることは知られているが、食物で摂るのが難しいときは、サプリメントが効果的。アミノバイタルシリーズは、10年以上愛用しており、さまざまなバリエーションをトライしてきたが、個人的に気に入っているのがamino VAITAL 2200mg。飲みやすいカシス味、買いやすい価格etc.もあり、ずっと飲み続けている。レース後だけでなく、「今日は疲れたなぁ…」「最近は疲れが取れにくい…」といったときにも飲むようにしている。
6. NIKE TEE
「REST DAYS ARE THE BEST DAYS（休息日が最良の日）」とフロントにプリントされたNIKE＜ナイキ＞のTシャツ。その意味の捉え方はいろいろあると思うが、休みの日を心待ちにしているようなスタンスは、日々の疲労が蓄積されている状態だろう。リカバリーグッズを活用して、日々良好なコンディションでいたいと思う。
