• instagram
  • youtube
  • rss
スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
  • instagram
  • youtube
  • rss
COLUMN

Running Gear Council-ランニングギア評議会-
第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」

2024.09.01
Masahiro Minai

スポーツシューズに関連したビジネスに従事して35年になるRunners Pulseの南井編集長が、ランニングギアをマニアックに考察する連載コラム「Running Gear Council-ランニングギア評議会」。第7回のテーマは、アメリカの小規模レースのTシャツを紹介する。アメリカ在住の角谷氏のコラムで紹介されたように、かの地では祝日を始めとして、小規模なレースが毎週のように開催されており、参加賞や完走賞として供されるTシャツのデザインが個性的で興味深い。今回はそんな草レースのTシャツを紹介する。

Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」

日本でも一昔前、例えば20年前と比較すると、ロードレースの数は着実に増えている。最近では三重県、福井県といったフルマラソン空白県でも、42.195kmを走ることができるレースが開催されるようになったのが最も大きなトピックスだが、ランニングの先進国であるアメリカでは、8月15日にアップされた角谷剛氏のコラムで解説されているように、星の数ほどの小規模レースが全米各地で行われている。自分がこうした小規模レースの存在を知ったのは、成人してから初めて参加したロードレースである2017年12月のラスベガスマラソンのエキスポで、背中に数多くのスポンサー企業をプリントしたファンランレースのTシャツを着たランナーを見たから。このTシャツがどこの大会かというのは覚えていないが、杢グレーのボディにCOSTCO(会員制卸売店)やBURGER KING(ファストフード)、COCA COLA(清涼飲料水)、CENTURY 21(不動産仲介業)のロゴがブラックでプリントされていて、「なんかこういうの日本では見ないからカッコいいなぁ…」と思ったものである。しばらく、こういったTシャツのことは忘れていたが、数年前に高円寺の古着屋で、このタイプのTシャツに久しぶりに出会ってからは、コツコツ集めることとした。いずれのTシャツもニューヨークシティマラソンやロンドンマラソン、ホノルルマラソンといったメジャーな大会の参加賞Tシャツや完走Tシャツと比較すると、決して洗練されたデザインではないが、そこが逆に個性的でアジがあると思う。コレクションの一部を紹介しよう。

Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」
Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」

HEAD FOR THE CURE 5K RUN/WALK
第1回Head for the Cure 5Kは、2003年にカンザスシティで開催。それ以来、全米で25万人を超える人々が、脳腫瘍を一歩一歩撲滅するための取り組みに参加している。また、700人以上の生存者と介護者を救出しており、この財団は、脳腫瘍との闘いで2,500万ドルを集めたという。カジュアルなウォーキングをする人でも、競技ランナーでも、さまざまなイベントを通じて脳腫瘍の研究やプログラムを支援したい場合、Head for the Cureイベントは見逃せない存在となっている。背中のスポンサー企業で誰もが知る存在は、PEPSI(清涼飲料水)、COLGATE(歯磨き粉)、SPRINT(携帯電話キャリア)。

YEAR: 2013
PLACE: KANSAS
BODY BRAND: GILDAN ULTRA COTTON
MATERIAL 90% COTTON 10% POLYESTER

Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」
Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」

7TH ANNUAL BUTTERFLY DREAMS
アトランタから自動車で1時間ほどの距離にある、ジョージア州ワトキンスビルで行われたこのチャリティ5kmレースの収益は、特別な支援を必要とする子供たちをサポートするバタフライ・ドリームス・ファームに寄付される。TULTEXのボディは、他ブランドよりもソフトな生地を用い、シルエットもスリム。背中のスポンサーはローカルな企業が並ぶ。

YEAR: 2014
PLACE: GEORGIA
BODY BRAND: TULTEX
MATERIAL 65% POLYESTER 35% COTTON

Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」
Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」

TANGER STYLE FIT FOR FAMILIES
乳がん患者のための 5Kラン/ウォーク。ピッツバーグ郊外のペンシルベニア州ワシントンにあるTanger Outlets Pittsburghの駐車場を発着地点としており、家族連れで気楽に参加できるフィットネスアクティビティとして、コミュニティの未来にとって重要な役割を果たし続けている。参加費からの収益は、Hair Peace Charities(がんなどによりウィッグを必要とする人々をサポートする団体)にも寄付される。バックプリントのスポンサーはHANES BRANDS(衣類)、CHAMPION PRODUCTS(スポーツ衣料)、COCA COLA(清涼飲料水)といった著名企業のロゴが見つかる。

YEAR: 2011
PLACE: PENNSYLVANIA
BODY BRAND: HANES HEAVYWEIGHT 50/50
MATERIAL 50% COTTON 50% POLYESTER

Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」
Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」

BARROW BOOGIE 11TH ANNUAL 5K AND 1 MILE FUN RUN
ジョージア州エイセンで行われるファンランレース。2014年は11回目の開催で、5kmと1マイルの距離レースが行われた。ランニングイベントのTシャツとしては珍しいオリーブカラーのコットンTシャツで、背中のスポンサーで一番著名だと思われるのはH&R BLOCK(税務準備会社)だが、ランナーにはFLEET FEET(ランニング専門店チェーン)も見逃せない。

YEAR: 2014
PLACE: GEORGIA
BODY BRAND: GILDAN HEAVY COTTON
MATERIAL 100% COTTON

Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」
Running Gear Council-ランニングギア評議会- 第7回「アメリカの草レースのTシャツが個性豊かで面白い!」

1ST ANNUAL 5K The Gabbie Green Foundation for Bullied Children
ギャビー グリーン財団は彼女の名誉のために設立され、いじめにあった子供たち、ネグレクトされた子供たちが支援と理解を受けられるよう、癒しと支援を続けていくための財団。フルーツ オブ ザ ルーム製の綿ポリ半々の発色の良いボディはさらっとした触り心地。バックプリントには著名企業のロゴはなく、ローカル企業のロゴが並ぶ。

YEAR: 2018
PLACE: FLORIDA
BODY BRAND: FRUIT OF THE LOOM PLATINUM
MATERIAL 50% COTTON 50% POLYESTER

Masahiro Minai
南井 正弘 フリーライター、ランナーズパルス編集長
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。「フイナム」「価格.comマガジン」「モノマガジン」「SHOES MASTER」「Beyond Magazine」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」「人は何歳まで走れるのか?」などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。
RECOMMEND
CATEGORIES