行ってきました第3弾! 「南アルプスフロントトレイル~セクション3~」でちょっとアドベンチャー体験。
2024年11月24日(日)。ちょうど1年ほど前に「南アルプスフロントトレイル」という存在を知り、セクション2のスルーハイク体験イベントに参加してから早1年。待望のセクション3の体験イベントが開催されました。
前回のレポートでもご紹介しましたが、「南アルプスフロントトレイル」とは、山梨県の夜叉神峠から櫛形山、富士見山、七面山、十枚山を経て貫ケ岳まで続く約70kmのロングトレイルのことで、南アルプス市、富士川町、早川町、そして地元有志たちによって整備が進められてきた、人と地域、歴史をつなぐ道でもあります。そのうち、現在までに整備が完了しているのが、夜叉神峠から薬袋(みない)までの約40km。この体験イベントは3つのセクションに区切って行われたのですが、今回は整備されている最後の部分、十谷峠から薬袋までの約13kmのトレイルを楽しみます。
【セクション2のレポートはこちらから】
今回もリードガイドは、この南アルプスフロントトレイルの構想に賛同し、以前から関わってきたプロ山岳アスリートのヤマケンこと山本健一さん。さらに、当日現地でスペシャルゲストが発表され、なんと望月将悟さんも参加。実はこの二人はよく一緒に走っているそうで、望月さんはつい最近もヤマケンさんに誘われてこのトレイルを走り、その魅力を感じたそう。そんな二人に加えて、地元のガイドさんとサポートスタッフを加えた総勢約20人でゴールの薬袋を目指します。
セクション3のコースは、水平距離12.4km、累積標高+841m、-1962mという下り基調のトレイル。コースマップ上ではその通りに見えるのですが、十谷峠をいざスタートすると、いきなりの急な上りにちょっとビックリ。まだはじまったばかりだというのに、いきなり心拍数が上がります。前半は体力を温存しておきたいと思っていましたが、なかなかそうもいきません。ですが、最初のチェックポイントとなる御殿山(1670m)がこのコースの最高地点なので、そこを過ぎれば少し安心。あとは細かいアップダウンを繰り返し、気持ちのいいトレイルを走り、半分を過ぎたあたりから一気に下るというレイアウトです。
足元はこの時期特有の落葉のトレイルで、足腰に優しい道が続きます。昨年もそうだったのですが、天気は快晴で、日差しも暖かく、木々の隙間から見える富士山や南アルプスの山々などの美しい景色が、疲れたカラダを癒してくれます。所々で小休憩をはさみながら、地元のガイドさんが教えてくれる集落の歴史やかつて子どもたちの通った通学路の険しさなど、ただ走るだけでなく、当時に思いを馳せながら走ることができるのも今回のイベントの大きな魅力でした。
御殿山から富士見山を過ぎ、大天上のチェックポイントを過ぎると、いよいよ南アルプスフロントトレイルらしい下りが始まります。落ち葉の下の隠れキャラに気を付けながら、シングルトラックからまるでツリーランのように林の中を自由に走れるセクションへ。いつの間にか標高が1000mを切ると、辺りは紅葉が美しいカラフルな世界へ。もうゴールは目の前で、一抹の寂しさを感じながら薬袋集落へと降りてきました。
再び早川町役場に戻ってくると、全員で近くにある赤沢宿へ移動。身延山と七面山の寺院を繋ぐ身延往還の石畳や、かつて旅館だったという趣のある建物が斜面に並ぶ街並みなど、その土地を知って楽しんでもらいたいというホスピタリティにも感動しました。カフェ清水屋さんでこたつを囲み、甘酒と豆もちでお腹を満たし、みんなで今日を振り返る。完成しているセクションは今回の3までとなっていますが、また違った形ででもぜひ次のイベントが開催されるのを楽しみに待ちたいと思います。
最後にヤマケンさん、望月さん、運営並びにサポートスタッフの皆さん、参加したトレイルランナーの皆さん、そしてこのトレイルを開拓・整備されている地元有志の皆さん、今回もありがとうございました!