BOA搭載シューズでパフォーマンスがアップ。「FOOTWEAR SCIENCE JOURNAL」に研究論文を発表。
BOA®フィットシステムが、単に“脱ぎ履きが簡単になるもの”、とだけ考えていたのなら大間違いである。というのも、この度、BOAフィットシステムで開発されたフットウェアの、運動能力の向上を検証する論文が「FOOTWEAR SCIENCE JOURNAL(フットウェアサイエンス誌)」にて発表され、アスリートのパフォーマンスを最大9%向上させることを発見したというのだ。
BOAでは、フィット・ソリューションの生体力学的影響を測定するために、2018年からデンバー大学とのパートナーシップを始動しており、今回のこの研究発表は、BOAが多くのパフォーマンス上の利点を科学的に証明しようとする、複数年にわたる取り組みの最初のものになるという。
調査では、BOAフィットシステムを搭載した靴を履いているアスリートは、従来の靴ひもと比較して、敏捷性とスピードが3〜9%向上するという結果に。BOAの生体力学研究およびパフォーマンス・フィット・ラボのマネージャーであるダニエル・フィーニー氏は、「過去10年間のほとんどのフットウェアの研究は、ミッドソールとアウトソールの特性に焦点を当てており、靴のアッパーのフィット感がパフォーマンスにどのように影響するかを理解することを目的とした研究はほとんどありません」と述べており、今後の研究にも大きな期待が寄せられている。
また、デンバー大学の機械工学の准教授であるブランドレイ・ダヴィッドソン博士は、「従来のひも靴とBOAフィットシステムの構成を変えた靴を研究したところ、アスリートのパフォーマンスの改善が見られ、エビデンスが明確でした」とし、続けて「研究に参加したハイレベルのアスリートの敏捷性、スピード、効率の向上は3〜9%と魅力的でした。対象を絞った数週間のトレーニングプログラムですが、靴を交換するだけでこれを確認できました」とその効果を述べている。
では、様々なタイプがあるBOAフィットシステムの、どの構成が最もパフォーマンスが高くなるのだろうか。その答えは、トライパネル(三面)のタイプであり、現在、サッカニーの「Switchback 2」やラ・スポルティバの「VK」(日本未発売)に採用され、この春にリリースされる予定の新作「CYKLON」(2021年3月発売予定)に搭載されることになっているという。
BOA Technology社のCEOであるショーン・ネビル氏は、「BOAのミッションは、アスリートのフィット感とパフォーマンスを変革し、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるように刺激を与え、それを可能にすることです」と述べており、今後はトップランニングブランドによる将来的な開発も、これらの調査結果を今後の製品に活用する方向で計画されているという。また新たなモデルの登場に期待したい。
論文の要約は、下記BOAFit.com内のページより。
https://www.boafit.com/ja-jp/innovation/why-fit-matters/agility-and-speed-white-paper