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SPECIAL

「Allbirds(オールバーズ)」からリリースされたランニングシューズ 「Tree Dasher(ツリーダッシャー)」の魅力を徹底検証!

2020.05.15
Masahiro Minai

今年の1月10日に日本第1号店となる原宿店をオープンした「Allbirds(オールバーズ)」。カジュアルフットウェアに興味のある人、海外渡航の多い人にとって「Allbirds」というブランドは以前から知られており、待望の日本進出となった。オープン以降、原宿店及び公式ウェブサイトで良好な販売を記録し、早くも日本のカジュアルフットウェアシーンで注目を集める存在となった「Allbirds」に、初のパフォーマンスモデルとなるランニングシューズの「Tree Dasher(ツリーダッシャー)」が登場。今回、実際に履いて走ってみることで、そのパフォーマンス性能、快適な履き心地を体感レポートする。

「Allbirds」はどんなブランド?

サッカーの元ニュージーランド代表のティム・ブラウンとバイオテクノロジーの専門家であるジョーイ・ズウィリンジャー。2人の異色のコンビにより、2016年にサンフランシスコで誕生したのが「Allbirds」。長年スニーカーを愛用してきたティムが、大きなロゴや目立つ色、そしてケミカルな素材といった従来のスニーカーのあり方に疑問を持ち、着目したのが、生まれ育ったニュージーランドのメリノウール。ティムは、保温性、防臭性、通気性、柔軟性といった、メリノウールが持っている優れた特性の可能性を信じてジョーイとタッグを組み、快適性とサステイナビリティ、そしてデザイン性を兼ね備えたフットウェアブランド「Allbirds」が誕生。

創業モデルとしてリリースされ、現在はブランドのシグニチャー的な存在となっている「WoolRunners(ウールランナー)」は、アッパーに最高級メリノウールを使用することで、まったく新しい快適性はもちろん、シューレースに再生ポリエステルを使用し、インソールには石油ではなくヒマシ油を用いることで炭素排出量を抑えるといった環境に配慮したモノ作りが共感を呼ぶことに。こうして「Allbirds」は、日々最新のテクノロジーを生み出しているシリコンバレーで支持を集め、アカデミー賞の受賞経験もあり環境活動家でもあるレオナルド・ディカプリオ氏が投資をし、その評価は世界中に広がっていった。その後も、ユーカリの木の繊維で快適さをそなえたメッシュアッパー構造の「Tree(ツリー)」シリーズや、サトウキビ由来でカーボンネガティブなGreenEVA素材をソールユニットに採用した「WoolRunner-up(ウールランナーアップ)」など、エコフレンドリーな素材の開発を続け、ラインアップは5シリーズにまで拡大。日本では4月29日に発売されたランニングシューズの「Tree Dasher(ツリーダッシャー)」、ランニングソックスの「Trino™ Sprinter(トリノスプリンター)」といったニューモデルも追加されるなど、「Allbirds」は世界で最も注目されるフットウェアブランドのひとつに挙げられている。

「Allbirds」が提唱するカーボンフットプリントとは?

前述の通り「Allbirds」は、地球環境に配慮したモノ作りでも知られているが、2020年4月15日より、全製品において、素材、製造、洗濯、廃棄のプロセスで排出されたカーボンフットプリント(CO2e・温室効果ガス)の排出量を順次表示することとした。これは地球環境への影響を調べるために、すべての排出量を集計し、CO2排出量に換算することで、二酸化炭素よりもさらに強力な温室効果ガスであるメタンの排出量も把握することができる。「Allbirds」はカーボンフットプリント排出量ゼロを目指し、サステイナブルな取り組みをさらに加速していく。ちなみに今回リリースされた「Tree Dasher」のインソールの下には、カーボンフットプリントの数値9.0CO2eが記載されている。下記は「Allbirds」の製品のカーボンフットプリントの一覧で、同社の平均値は7.6kgCO2eなのに対し、一般的なシューズのカーボンフットプリントは12.5kgCO2eであり、同社製品の数値が低いことがわかる。

我々が普段使用している製品のカーボンフットプリントの数値。将来はカロリーのように日常生活で誰もがCO2eの値を意識するようになる時代が来るかもしれない。

「Allbirds」初のランニングシューズ、「Tree Dasher」とは?

2020年4月29日にリリースされた「Tree Dasher」は、ブランド初のランニングシューズ。他の「Allbirds」の製品と同様に、アッパーからソールに至るまですべての部分に自然由来の素材を使用しつつ、ランニングというアクティビティに対応する走行性能を確保している。アッパーには、ユーカリの木を原料とする、通気性に優れたテンセル素材を使用したワンピース構造。ミッドソールは、サトウキビから生まれた「SweetFoam™(スウィートフォーム)」を採用。初の二重構造とすることでクッション性と反発性の向上に成功している。履き心地に大きな影響を与えるインソールは、屈曲性に優れ、取り外し可能なタイプ。表面にリサイクルポリエステルとテンセルの混紡素材を使用し、通気性と快適性を提供。インソール本体部分の原料にはヒマシ油を使用することで、石油由来のインソールよりもカーボンフットプリントが少なく、地球にも優しいことが特徴となっている。アウトソールは、踵部分と前足部の特に耐摩耗性が必要とされる部分にはFSC(森林管理協議会)認証の天然ゴム製のソリッドラバーを配し、長い走行距離を走るランナーも満足できる高い耐久性を確保。安定性を追求したヒールデザインは、ランナーの故障の原因のひとつとされるオーバープロネーション(着地時の過度な足の倒れこみ)を防止する効果もある。

「Tree Dasher」にマッチするソックス、「Trino™ Sprinter」も登場!

「Allbirds」を代表する素材、メリノウールとユーカリ繊維を使用した定番のソックスシリーズ「Trino™ トリノ」をベースに、通気性と速乾性を向上させた「Trino™ Sprinter(トリノスプリンター)」が登場。「Tree Dasher」にマッチしたカラーリングと足首周りのシルエットで、強度を高めるためにつま先と踵部分にはリサイクルナイロンを使用。ウール混素材ながら、いつも通りに洗濯機で洗えるなど、メンテナンスがイージーなのも嬉しいところだ。

南井編集長が「Tree Dasher」を実際に履いて走ってみた!

「Allbirds」というブランドを初めて手にしたのは昨年のこと。ブランド名と地球環境を意識したブランドであることは知っていたが、実際に足を入れたのは、今年1月に日本進出1号店となる原宿店がオープンしてから。ブランドの創業モデルである「WoolRunners」を履いて1日歩き回ったが、メリノウールのアッパーは足を優しく包み込み、長時間着用しても快適性をキープしてくれた。そして軽く1.5kmほど走ってみると、ゆっくりペースなら充分に走ることはできた。しかしながら、あくまでカジュアルスニーカーとして開発されたモデルなので、このシューズで長い距離を走ることはしなかった。「Allbirdsでランニングシューズがあったらなぁ…」と思ったのは偽らざる気持ちであり、自分以外にもこのブランドの快適性を知った何人かのランナーは同じ意見だった。

それから3か月ほどしてそんな願いが叶ったのは、本当に嬉しいニュース。アッパーはメリノウールではなく、ユーカリの木を原料とする、通気性に優れたテンセル素材をメッシュにした縫い目の少ないワンピース構造で、ミッドソールは「WoolRunners」にも使用された「SweetFoam™(スウィートフォーム)」を用いた。まず足を入れてみると、前足部はゆとりのある形状でリラックスフィットであり、窮屈感は全くない。一方で踵部分の内側は凹凸のある立体形状となっているので、この部分に踵をしっかり合わせて押し付けるようにして履くと、シューズと足が高いレベルで一体化する。ミッドソールは固くもなく柔らかくもない絶妙の硬度で、グラつく感覚がないので、着地安定性が良さそうだ。実際に走り始めてみると適度なクッション感で、走っていて気持ちいい。衝撃吸収性を重視し過ぎたランニングシューズだと、ミッドソールが過度に変形して脚力を無駄にしているような感覚を覚えるが、このシューズに採用された「SweetFoam™」のミッドソールは、ランナーを保護しつつ脚力を効率よく路面に伝達してくれているのがわかる。無駄なミッドソールの沈み込みがないのだ。アウトソールの刻みは深くないので、アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性能を発揮する。日課としている6kmランをkm/6分30秒~5分20秒のペースで走ったが、いずれのペースでも快適な走行感を提供してくれ、ヒール部分、フォアフット部分の両方が幅広となったソールユニットは、ヒール、ミッドフット、フォアフットのいずれの着地箇所でも違和感なく走ることができた。

そして、このシューズの大きな魅力のひとつは、ランニングシューズとしての高い走行性能とスタイリッシュなデザイン性を両立している点。このシューズ1足でランニングアクティビティからライフスタイルまでシームレスに対応することができるのだ。最初は「WoolRunners」の価格と比較すると「ちょっと高いかな!?」と思ったが、合計70kmほどをこのシューズで走ってみて、そのパフォーマンス性能とデザイン性の高さを体感すると、16,250円というプライスは決して高くはないと思った。

現在は前述の「WoolRunners」のナチュラルグレイ、アッパーに撥水素材を用いた「WoolRunners Mizzles」のYoyogi Parkモデル、そして今回リリースされた「Tree Dasher」と、3足の「Allbirds」のフットウェアを所有することになったが、それぞれの特徴にあったシーンで履き分けており、共通しているのはベーシックでコーディネートを選ばないスタイリッシュなデザイン、快適な履き心地、そして汎用性の高さ。仕事柄シューズの保有数は尋常ではなく、履いた靴は翌日に箱に戻すようにしているが、この3足は玄関に出したまま。それだけ登場回数が多いということだ。

 

「Tree Dasher」

価格:16,250円(税込)
サイズ:メンズ25.0cm~32.0cm ウィメンズ22.0cm~28.0cm
重さ:303g(メンズ27.0cm)
販売:オールバーズ原宿店、オンラインストア(allbirds.jp

 

「Trino™ Sprinter」

価格:1,950円(税込)
サイズ:メンズM~XL(26.0~32.0cm)、ウィメンズS~L(22.0~28.0cm)
販売:オールバーズ原宿店、オンラインストア(allbirds.jp

 

Allbirds原宿 *530日(土)より営業再開

住所:渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森ビル1F
営業時間:11:00~20:00 不定休
TEL:0800-080-4054

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