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スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
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SPECIAL

ランニングカテゴリーでも躍進を続けるBoaフィットシステム。

2018.05.18
Kazumasa Takeuchi
Masahiro Minai

ランニングシューズ boa

 

ゴルフ、スノーボード、アウトドア、自転車競技といった分野では、そのイージーかつ優れたフィッティング性能で多くのユーザーを魅了してきたBoaフィットシステム。最近ではランニングカテゴリーにも参入し、ファンを増やしているが、その機能性の高さを、これまで数百足のランニングシューズを履いてきたRunners Pulse編集長の南井正弘が体感し、レポートする。

Boa®フィットシステムとは?

Boaフィットシステムは、創業者であるゲイリー・ハンマースラグの「スノーボードブーツに使用していたシューレースを、より速く、よりイージーに調節できる方法へと変更する」という画期的なアイデアからスタートし、2001年に、最初のパートナーブランドであるK2とVansの製品に採用され、初めて世界に紹介されることに。以来、Boaはさまざまな業界で多くのプレミアムブランドとパートナーシップを築いてきた。

Boaフィットシステムによるフィット感は、世界中でこれまで何百万足ものスノーボードブーツに採用され、ツール・ド・フランスに出場するサイクリストの半数以上のシューズにおいて、微調整可能なフィットをもたらし、毎週60時間も使われているユーティリティーブーツや、1日も休むことのない医療用装具にも使われている。

Boaのスタッフは同社の技術力を高めるためのアクティビティに積極的に取り組んでおり、社員自らがライダーであり、ハイカーであり、ランナーであり、ゴルファーであり、サイクリストである。このような環境において製品開発が行われることにより、同社の技術革新に終わりはないのである。

ランニングシューズ Boaシステム

ランニングシューズ採用されているのは最新プラットフォーム、L6。コンパクトで、耐衝撃性に優れている。

採用されているレースは、TX4。これはワイヤーでなくテキスタイルレース。快適性を追求し、軽量で強く精巧に作られている。

 

本誌編集長によるウエアリングインプレッション、「走ればわかるさ」

Runners Pulse編集長の南井正弘によるランニング・インプレッション「走ればわかるさ」。“ASICS DYNAMIS”と“new balance M1500”を、履いて走って体感し、レポートする。

■ASICS DYNAMIS(アシックス ダイナミス)

ダイナミス

“ダイナミス”はアシックスからリリースされたBoaフィットシステム搭載のランニングシューズ。シンプルなアッパーデザインを採用することにより、ランからオフシーンまでシームレスかつ幅広い層に対応してくれそうなモデルだ。実際に履いてみるとブーティ構造のアッパーは、それ単体でフィット感が高い。Boaフィットシステムのダイヤルを緩めた状態でも歩きにくいことはなかった。

ダイヤルを回してフィッティングを調整すると、甲の部分に配されたレースが少しずつ締まって、シューズと足が一体化するような高いフィット感が感じられる。まさにBoaが標榜する1㎜単位のフィッティングだ。レースはむき出しのタイプだが、一般的なシューズのシュータンにあたる部分に充分な厚みがあるので、不快な感じは全くない。

走り始めると、このシューズはどちらかいうとファンランに使用するのが向いていることを理解するが、ミッドソールに従来のミッドソール素材EVAよりも55%の軽量化に成功したフライトフォームを採用し、見た目よりも軽く仕上がっているので「もう少し速めのペースで走れるかも?」と思い、それまではkm/5分50秒ほどで走っていたのを、km/5分10秒くらいまで上げてみる。すると若干かかとが浮く感じがしたので、立ち止まってダイヤルを回してワイヤーを締めてみた。するとフィット感がアップし、速めのペースでもロスなく脚力をシューズに伝達することができたのである。そのフィット調整に要した時間は両足で15秒ほど。まさにBoaフィットシステムの優秀性を体感した瞬間であった。

 

■new balance M1500(ニューバランス M1500)

ニューバランス M1500

ニューバランスの“M1500”は速目のペースで走る中級以上のランナーに最適なレーシングシューズで、エリートランナーのトレーニング用にも最適なスペックを結集している。これまで同種のシューズはオーセンティックなデザインやスペックを採用することが一般的であったが、このモデルはBoaフィットシステムを始めとして、かなりアグレッシブなデザインとなっている。

このシューズで最も特徴的なのは、レースを甲の上でなく、甲のサイド部分に配している点。このレースは、甲の部分を覆う3本のストラップと連動しており、このことにより細かいフィッティング調整を可能としているのだ。実際に履いてみると、その用途がレーシングシューズなだけに一般的なランニングシューズよりもタイトフィットなことを感じるが、決して窮屈感はない。シューズのかかとから中足部までが、自分の足の一部になったような感覚だ。

走り始めると薄めのミッドソールなこともあり、路面をかなり感じるスペックで、脚力を無駄なく伝達していることがわかるが、REV LITEという軽量性とクッション性を兼ね備えたミッドソール素材を使用しているので、自分の脚力でも10kmレースやハーフマラソンくらいまでなら対応してくれそう。速めのペースで走ることを想定したスペックなので、日課の6kmランを終えるころにはペースはkm/4分40秒くらいまで上がっていたが、シューズと足のフィット感は全く問題なし。

レースの途中で紐が解けたりすると、精神的なダメージは大きいが、Boaフィットシステムを搭載したM1500なら、そのような心配はない。

 

各社からBoaフィットシステム搭載のモデルが発売されている

■adidas

TERREX TWO BOA(テレックス トゥー ボア)  NEW
様々な路面コンディションで、流れを感じ、自らの可能性を探るためのメンズトレイルランニングシューズ。通気性を高める軽量のメッシュアッパーを搭載。厚手のミッドソールによるクッショニングが、オフロードトレーニングやレースでの快適なランニングに貢献する。ホワイトマウンテニアリングとのコラボモデルも新登場!

TERREX TWO BOA ¥15,120(税込)

WM TERREX TWO BOA ¥20,520(税込)
   
アディダスとホワイトマウンテニアリングの新たなコラボレーション。「adidas TERREX × White Mountaineering」が5月18日(金)世界一斉発売開始。
 
INFORMATION
アディダスグループお客様窓口
TEL:0570-033-033
 http://shop.adidas.jp/terrex

 

■ASICS

Dynamis(ダイナミス)
ミッドソール全面にFlyteFoamを採用した軽量性とクッション性に優れたモデル。アッパー中足部内側のDynaPanelがBoaフィットシステムと連動し、フィッティングを向上する。

Mens ¥15,660(税込)
   

Womens ¥15,660(税込)
  


GEL-451(ゲル451)

Boaフィットシステムを搭載したトライアスロン対応のレーシングシューズ。速やかにシューズを足にフィットさせることができるので、トランジッションがスムーズになる。

Mens/Womens ¥15,120(税込)
  


GEL-FujiRado(ゲル フジラド)

グリップ力に優れたトレイルランニング用シューズ。Boaフィットシステムは、素早く細かな調整が可能で、アウトドアシーンでも高いパフォーマンスを発揮する。

Mens/Womens ¥12,960(税込)
  

 INFORMATION
アシックスジャパン株式会社お客様相談室 
TEL:0120-068-806 
 http://www.asics.com/jp/ja-jp/

 

■new balance

M1500
Boaフィットシステムと3本の甲ストラップが、卓越したフィット性を実現。オーバープロネーションを抑制するためのメディアルポストが搭載された安定性に優れたモデル。

Mens/Womens ¥14,040(税込)
  

FUEL CORE SONIC(フューエル コア ソニック)
Boaフィットシステムの搭載で、容易な着脱と調整が可能に。軽量性と反発性に優れたREVLITEをミッドソールに採用。中足部をしっかりと固定し、スピードを出してもブレない。

Mens ¥12,960(税込)
  

Womens ¥12,960(税込)
   

INFORMATION
ニューバランスジャパンお客様相談室 
TEL:0120-85-0997 
http://www.newbalance.co.jp/

 

Boaランニングチームが「UTMF 2018」 のSTYカテゴリーで4位に入賞

Boa techology社が擁する有力アスリートたちが、世界各国のトレイルランニングレースに挑戦している。今回、Boaランニングチームのアジアツアーとして、韓国で4月21日開催の「2018 KOREA 50K」と、日本で4月27日~4月29日開催の「UTMF 2018」に、Michael Kabicher(ミハエル・カビヒャー)とLaetitia Pibis(レティシア・ピビ)を派遣。前哨戦である「2018 KOREA 50K」では、カビヒャーが総合2位、ピビが女子1位を獲得。そして「UTMF 2018」のSTYカテゴリー(92km)では、カビヒャーが総合4位、ピビが女子6位に入賞。彼らの足元は、アディダスのBoa搭載トレイルランニングシューズが支えた。

■Boaランニングチーム

Boa Technology社のヨーロッパオフィスが中心となって運営。有力なトレイルランナーを中心に組織し、製品のフィードバックや認知の向上を目的に活動。メンバーには、2017年のトレイルランナー・オブ・ザ・イヤーを獲得したFlorian Grasel(AUT)をはじめ、Ivan Paulmichl(ITA)、Laetitia Pibis(FRA)、Jakob Staudinger(AUT)、Michael Kabicher(AUT)、Sarah Dorschlag(AUT)、Gerald Fister(AUT)らが所属。

まとめ

ゴルフやスノーボード業界でBoaフィットシステムが広く受け入れられていることは知っていたが、今回2足のシューズを履くまでは、「ランニングには一般的なシューレースに勝るものはない!」と思っていた。しかしながら、実際に履いて走ってみると、いい意味で予想を裏切られた。1mm単位のフィッティング調整が可能で、しかもフィット感調整に要する時間もシューレースタイプよりも明らかに短かったのである。まだまだ搭載しているランニングシューズは少ないが、この機能性の高さなら、近い将来、Boaフィットシステムがランニングカテゴリーにおいても急速にシェアを拡大するような気がした。

 

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