• instagram
  • youtube
  • rss
スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
  • instagram
  • youtube
  • rss
SPECIAL

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた。

2025.06.04
Soma Doi, Masataka Nakada(Product)
Masahiro Minai

2005年「日本人を速くする」をコンセプトに誕生して以来、現在ではワールドワイドでさまざまなタイプのランナーから高い支持を得ることに成功したadidas<アディダス>「アディゼロ」。あらゆるレベル、多種多様なタイプのランナーに対応する豊富なラインアップが取り揃えられている。今回、2014年より青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化を担当し、スポーツシューズの機能性に関しても造詣が深いフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏に、「アディゼロ」の魅力とランニングシューズの履き分けについてのアドバイスを聞いた。

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

アディダス ランニングシューズの魅力とは。

南井正弘編集長(以下 南井):お久しぶりです。最後にお会いしたのは一昨年のスーパーノヴァのイベント以来ですね。今日はよろしくお願いいたします。まずお聞きしたいのは、アディダスのランニングシューズを履き続けて長いと思いますが、特に魅力的だと思う点を教えてください。

中野ジェームズ修一氏(以下 中野):アディダスのアドバイザーを務めていることもあって、自分は他のフィジカルトレーナーよりもシューズに関する質問を受けることが多いです。選手にとって「今現在履いているシューズが自分にベストマッチなのか!?」ということは、とても重要な問題で、その選手にとってシューズが合っているかどうかを見極める基準としては、そのシューズを履いて、着地が安定しているか? 上手く反発を使えているか? 理想的な接地ポイントに乗れているか? といったことで判断します。アディダスのランニングシューズは個性が強く、シューズの機能性や特性が他社よりも細分化されているので、選択肢が多いために自分に合うシューズを見つけるのに多少時間がかかるかもしれませんが、豊富なラインアップが揃っているのでさまざまなタイプ、レベルのランナーにマッチさせやすいということがいえるでしょう。それがアディダスのランニングシューズの魅力のひとつだと思います。

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

南井:なるほど、確かにアディダスのランニングシューズは各々のモデルが個性的で、差異が明確ですね。自分がアディダスのランニングシューズの大きな魅力だと感じるのは、0.01mm単位でこだわったマイクロフィットラストを採用したことによる足と一体化するようなフィット感です。足長と足囲のバランスが本当に素晴らしい。

中野:私もアディダスのラスト(木型)と相性がよく、自分の足にぴったりと合います。

南井:次に、ランニングシューズをシーン、練習内容、競技レベルによって履き替えたり、選択することの重要性を教えてください。

中野:最近、個人的に最も気に入っているシューズがアディゼロ EVO SLなのですが、このシューズが本当に優秀で走りやすい。セールスも好調のようですね。選手にはアディゼロ EVO SLとアディスター、もしくはスーパーノヴァのようなシューズの2種類を用意するようにアドバイスしています。その理由は、アディゼロ EVO SLは、フィジカルトレーナーの視点や解剖学的に「この位置で着地するのが理想的、こう脚を動かしてほしい」というのを無視しても快適に走れてしまいます。一方で、アディスターやスーパーノヴァのようなシューズで走ると、選手からは「重い、硬い、スピードが出ない」とコメントされることも多いですが、動画を解析すると理想的な位置で走れていることが珍しくない。アディゼロ EVO SLは、走行性能も適応力も優れているので、選手によっては崩れたフォームでもスピードを上げて走れてしまうので、それが故障に繋がってしまう可能性もあります。正しいフォームで走るための筋力を向上させるには、定期的にアディスターやスーパーノヴァのようなシューズで走ることを推奨しています。リリース前にアディゼロ ボストン 13を履かせてもらったのですが、いい靴ですね。ポジショニング的にはアディゼロ EVO SLとアディスター、スーパーノヴァの中間に位置していると思います。着地安定性に優れていて、適度にトレーニング要素もあるトータルバランスの取れたいいシューズです。「アディスターとスーパーノヴァではどうしてもスムーズに走れない、重い!」と感じるランナーは、アディゼロ EVO SLとアディゼロ ボストン 13の組み合わせがいいでしょう。

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

レベルを問わず、最低でも2~3種類のランニングシューズを揃えるべきです。(中野ジェームズ修一氏)

南井:ビギナー、中級レベル、上級レベルetc.それぞれ何種類のランニングシューズを揃えるのが理想的だと思いますか?

中野:競技レベルの違いだけが理由で、必要な足数が異なるとは思いませんが、日々のランからレースまで対応させることを考慮すると、レベル問わず、最低でも2~3種類のランニングシューズを揃えるべきでしょう。現在では、ある一定レベル以上のランナーはレース時にプレート内蔵シューズを履くことがあたり前になりました。このタイプのシューズは、プレートを内蔵していないシューズと比較すると反発力が強く、推進力も高いですが、その分着地時の身体へのインパクトも大きくなりがちです。そういったシューズで長距離走やLSDを行うと、関節を始めとした身体の各部位へ負荷がかかり、故障の原因となるでしょう。そういったトレーニング時には保護性能に優れたシューズ、アディダスでいえばスーパーノヴァやアディスターといったプロダクトがマッチしています。ひとつのシューズだけに依存してしまうと、関節や筋肉の動かし方が一定となってしまいます。安定性が高い、反発性が強い、衝撃吸収性が高いetc.それぞれ個性のあるシューズを組み合わせることで、故障の発生確率を低くすることができる可能性があると思います。ひとつのシューズに固執している選手のほうが故障の発生率が高いようです。一般のランナーのみなさんも個性のある複数のシューズを履き分けて、走れる足を作っていくことが大切です。

南井:カーボンプレート内蔵シューズが最初に話題となった頃、このタイプのシューズは、以前のシューズよりも速く走ることができたというか、速く走れてしまったことから、ロング走からインターバル走まですべてのトレーニングでカーボンプレート内蔵シューズを履いていたトップアスリートは少なくありませんでした。それで何が起きたかというと、股関節を始めとした以前では起こりにくかった部位での故障です。ランナーから評価の高い知り合いの治療院でも「カーボンプレート内蔵シューズが登場する以前は、ふくらはぎや太腿といった部分の故障が多かったのが、最近は股関節の不具合の相談を受けることが多くなった」と言っていました。

中野:カーボンプレート内蔵シューズは、脳で考えるよりも速く、大きな出力で走ることができるので、ついついオーバーペースになり、レース後半で失速するケースが多々見られるようになりました。「後半失速したのは練習不足だから走行距離を増やそう!」といった考えで反省して、レース用のカーボンプレート内蔵シューズで練習量を増やして故障してしまう、という悪循環に陥るということも珍しくありません。その点、アディゼロ ボストン 13はバランスよく設計されているシューズなので、オーバーペースになりにくく、推進力はしっかりと体感できますが、ある程度ペースを抑えてくれるのはいいですね。

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた
中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

厚底シューズを履きこなすには、大臀筋を始めとしたお尻、股関節周辺の筋肉強化が重要です。(中野ジェームズ修一氏)

南井:そういった厚底のカーボンプレート内蔵シューズを履きこなすためのアドバイスや最適な補強運動はありますか?

中野:厚底シューズを履きこなすためのアドバイスとして真っ先に挙げられるのは、大臀筋を始めとしたお尻、股関節周辺の筋肉強化です。厚底シューズは高重心となり、反発力もあるので着地時のインパクトは大きくなりがちです。大臀筋という筋肉は、股関節を伸展させるために前に押し出すという役割以上に、着地した際に骨盤を支えて安定させるという意味合いが強く、出力に直接関与する筋肉であると同時に、身体を安定させるための筋肉でもあるのです。厚底シューズを履きこなすためには、大臀筋を安定のためにも使えるようにすることが重要となります。

南井:自分自身、2022年のゴールドコーストマラソンで自己記録を更新しましたが、その際は大臀筋を鍛えるためにスクワットを取り入れ、そのおかげか最後まで走りが安定していて、ゴールした際も身体の痛みも疲労感も最低限。「本当にフルマラソン走ったのですか?」と聞かれるほど余裕を持ってゴールできました。

中野:スクワットは大臀筋強化の基本になります。トップアスリートはバーベルを活用して負荷を大きくしますが、市民ランナーは自重のみでも大丈夫です。ただし、スクワットで大臀筋を強化するには正しいフォームで行うことが重要です。そうでなければ鍛えるべき大臀筋ではなく、別の筋肉を鍛えることになってしまうので。

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

今回のアディゼロ ボストン 13はレースで走れそう!(中野ジェームズ修一氏)

南井:なるほど、スクワットをする際に再度フォームをチェックして、大臀筋がしっかりと鍛えられるように心がけます。最後に、今回リリースされるアディゼロ ボストン 13で走った感想を教えてください。

中野:一昔前のアディゼロ ボストンのイメージは、ゆっくりペースにマッチしたジョグシューのイメージがなかったですか? 今回のボストンを履いたときに最初に感じたのは、「このシューズでレースを走れそう!」ということです。

南井:自分も初めて履いて走ったときに「ペースアップしやすいシューズだなぁ」と思いました。昔のボストンはフォーモーションのテクノロジーを採用していて、安定性重視のスロージョグにマッチする印象でしたね。

中野:しかもアディゼロ ボストン 13は、オーバーペースになりにくい点もありがたいですね。出力が出過ぎるシューズを初めて履いたときは、速いペースで走りすぎて最後歩いてしまったこともありましたが、アディゼロ ボストン 13はペースコントロールしやすく、走った後の疲労感も少なかったので、そんなことはありませんでした。

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた
中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

南井:あと、アディゼロ ボストン 13は着地安定性もいいですよね。

中野:そうですね。「ちょっと着地位置がずれたかな?」といったときも、上手く軌道修正をしてくれて、蹴りだしまでの一連の動きがスムーズで安心感があります。

南井:ひとつ前のアディゼロ ボストン 12が履き口やシュータンが薄手で「トップアスリートが履くレーシングシューズみたい!」と思いましたが、今回のアディゼロ ボストン 13は、履き口やシュータンに柔軟なパッドが内包されていて、優しい履き心地で、長時間走っても快適です。

中野:履き心地が本当によくなりました。この構造のおかげで、より幅広いランナーに受け入れられると思います。初めて履いたシューズは足にしっくりくるまで、ある程度の距離を走ることが必要なのですが、アディゼロ ボストン 13はいつもよりも短い距離で足にフィットしました。日々のランだけでなく、サブ3.5~サブ5のランナーのレースシューズとしても最適だと思います。

南井:今日はランニングシューズのことをいろいろ話せて楽しかったです。これまで以上にシューズの履き分けを考慮したり、ただ走るだけでなく、シューズを上手く履きこなすためにも大臀筋の強化を忘れないようにしたいと思います。お忙しいところありがとうございました。

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

中野ジェームズ修一(右)
アディダス契約アドバイザー、PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、米国スポーツ医学会認定運動生理学士、(株)スポーツモチベーション 最高技術責任者、(社)フィジカルトレーナー協会(PTI)代表理事
「理論的かつ結果を出すトレーナー」として数多くのトップアスリートやチームのトレーナーを歴任。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化も担当。ランニングなどのパフォーマンスアップや健康維持増進のための講演、執筆など多方面で活躍。自身が技術責任者を務める東京神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」は、「楽しく継続できる運動指導と高いホスピタリティ」で幅広い層から支持を集め活況を呈している。主な著書に「医師に運動しなさいと言われたら最初に読む本」(日経BP)、「青トレ」(徳間書店)などベストセラー多数。書籍の累計発行総数は200万部を超える。

 

中野ジェームズ修一氏にadidas「アディゼロ」の魅力とシューズの履き分けについて聞いた

最注目モデルのAdizero Boston 13の機能性を徹底検証!

走り始めから終わりまで、変わらぬペースをトレーニングでもレースにおいても提供。最適なペースをサポートする高機能オールラウンドモデル、アディゼロ ボストン13を南井編集長がレビュー!

アディダス独自の低密度高反発素材である「ライトストライク プロ」を前作のアディゼロボストン12よりも13.8%増量するなど、クッション性、反発性、弾力性、軽量性を高いレベルで両立しながら、より柔らかく快適な足元を実現したというアディゼロ ボストン13。

まず足を入れてみると、履き口周り、シュータンに厚目のパッドを配すことで、足を優しく包み込むようなフィット感。長時間の着用でも快適な履き心地をキープしてくれそうだ。二層のミッドソールは、立っている状態でぐらつきがなく、着地安定性の高さを期待し、実際に走り始めると、その予想は間違っていなかった。ブレることなく着地でき、蹴りだしまでの動きもスムーズで、これには内蔵された、カーボンと比較してより屈曲性と柔軟性に優れたフルレングスのグラスファイバー製5本骨状バー「エナジーロッド 2.0」が貢献しており、高い推進力を発揮しながらも安定性も兼ね備えている。km/6分30秒ほどで走り始め、最後はkm/4分35秒までペースアップしたが、いずれのペースでも走りやすく、弾性に優れたミッドソールと「エナジーロッド 2.0」による推進力と安定性を享受できた。この走行性能ならさまざまな走力レベル、あらゆるシーンに対応できるはず。

アディゼロ ボストン13の汎用性の高さは、中級レベルまでのランナーの日々のランからレース、上級ランナーの多様なトレーニングに対応してくれるだろう。

Adizero Boston 13
価格:18,700円(税込)
重量:200g(27cm片足)

INFORMATION
アディダスお客様窓口
TEL:0570-033-033
https://shop.adidas.jp/running

RECOMMEND
CATEGORIES