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COLUMN

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

2024.12.01
DECATHLON
TSUKASA KAWARAI

フランス発祥のスポーツブランドであるDECATHLON<デカトロン>が、今年3月にランニング製品群のリブランディングを行い、KIPRUN(キプラン)ブランドの強化に乗り出した。そして、このタイミングで新規トレーニングキャンプの「KIPRUN 42 HOUSE プロジェクト」をケニアのイテンで開始。今回は、このプロジェクトを率いるマーク・ロイグ氏とKIPRUNチームが来日し、42 HOUSEの運用や今後のKIPRUNブランド強化の狙いを語った。

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

厚底カーボンシューズの定着など、ランニングシューズをはじめとしたランニングギアは、コロナ禍を経て近年値上がりの傾向にある。そんな中で、高いクオリティの割に手に取りやすい価格のランニングギアを製造・販売しているのがDECATHLON<デカトロン>だ。フランスに本拠地を置く<デカトロン>は、全て自社でデザインや開発を行うことで、高品質かつ低価格の製品販売を実現しているが、今年の3月にランニング製品群のリブランディングを行った。それまで3つあったKALENJI(ジョギング)、KIPRUN(パフォーマンス)、EVADICT(トレイルラン)のランニングブランドをKIPRUNに統合し、ブランド力の強化に乗り出した。

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

高品質のランニングシューズやウェア、トレイル製品などを展開。

<デカトロン>のお膝元フランス・パリでのオリンピックを終えたKIPRUNチームは、次の目標に向かっており、その一つとして「ランナーの聖地」とも呼ばれるケニアのイテンで、「KIPRUN 42 HOUSE プロジェクト」を開始した。これは、本格的なトレーニングキャンプの設立・運営を意味し、彼らは今後のワールドメジャーマラソンでの表彰台を目標にする。ケニアのランナーは、男女問わず昨今のワールドメジャーマラソンを席巻しており、今回始動した42 HOUSEから、将来のスター選手たちが輩出される可能性を秘めているといえる。

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

「ランナーの聖地」イテンでトレーニングを行うKIPRUNの選手。

KIPRUNのブランド名は「Keep on Running」が語源。このフレーズは、おもに英語圏でのマラソンにおける応援フレーズの一つだが、そのフレーズを耳にしてきた一人がKIPRUN 42 HOUSE プロジェクトのディレクターを務めるマーク・ロイグ氏だ。彼はマラソンPBが2時間18分のアマチュアランナーで、2015年にケニアに移住。理学療法士として従事し、エリウド・キプチョゲといったトップアスリートとも働いていたスペシャリスト。今回ロイグ氏は他のKIPRUNチームメンバーと来日し、42 HOUSEの今後のビジョンについて話した。

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

ケニア経験が豊富なマーク・ロイグ氏は、PB2時間18分のランナー。

42 HOUSEは、2023年11月にイテンで設立し、2024年に本格始動。食堂や寝室、ジムが整備されており、最大22名を収容できる。42 HOUSEとは、マラソンの42kmという持久力の象徴と集団生活による規律や家族的精神を意味し、KIPRUN契約のケニア人選手が生活する。選手は朝練、朝食、リラックスタイムorジム、昼食、午後練、夕食という流れで1日を過ごす。

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

集団生活によって競争心や仲間意識が芽生える。

ロイグ氏は、他のケニアのトレーニングキャンプとの違いについて「経済的支援の大きさ」を挙げた。一般的にイテンのプロランナーは、大会賞金の約15%をマネジメントに手数料として支払うが、42 HOUSEの場合は、手数料無しで賞金の100%がそのまま得られる。また、賞金とは別に毎月の月給や医療、教育支援など手厚く、より一層トレーニングに集中できる。さらに、イテンの若くて将来性のあるアマチュア選手を発掘することで「42 HOUSEで地元の雇用を生み出す」といったコミュニティへの貢献も特徴で、42 HOUSEはケニアの選手への投資が中心となっている。

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

42 HOUSEは「経済的支援」と「コミュニティ貢献」が特徴。

とはいえ、ケニア以外のKIPRUN契約選手も、42 HOUSEを合宿時に利用することができる。KIPRUN契約選手はケニア以外にも世界中に数多くいるが、<デカトロン>の本拠地である欧州だけでなく、5000m五輪メダリストのポール・チェリモやアメリカの大学生といった北米拠点の選手とも契約。KIPRUNは近年、グローバルブランドとしての動きを急加速させているが、ロイグ氏は「3〜5年後のスパンで、世界中のメジャーマラソンの表彰台に乗れる選手を育てていきたい。今後は日本の選手も開拓していきたいと思っているので、今回日本に来日した」と、今後の抱負を述べた。

ワールドメジャーマラソン表彰台を目指すデカトロンの「KIPRUN」が、トレーニングキャンプの「42 HOUSE」をケニア・イテンに設立!

高い耐久性を誇るKIPRUNのカーボンシューズ「KD900X」。

もちろん、KIPRUNブランドのグローバル展開だけでなく、シューズといったKIPRUNのギアも進化している。42 HOUSEでは、プロトタイプシューズのテストやフィードバックに協力しているが、イテンはそのための最適な環境である。KIPRUNは、エリートモデルの初代カーボンシューズとして2022年秋に「KD 900X」を発売。高い耐久性を持つコストパフォーマンスの良いモデルだが、ミッドソールや軽量化などのアップデートを行った「KD 900X LD」(日本未発売)が現行モデルとなっている。42 HOUSEの設立とともに世界中で勢いが増しているKIPRUNの今後に注目だ。

デカトロン公式サイト:42 HOUSE プロジェクト
https://www.decathlon.co.jp/pages/42-house

Tsukasa Kawarai
河原井 司 / Sushiman
1986年京都府生まれのフリーライター、フォトグラファー。国内外の大会での撮影や、ランナーのインタビュー、シューズレビュー、トレーニング方法などランニング全般の記事執筆を行っている。これまでの海外レース経験は40回以上で、現在はランニングブームに沸く中国のランニングシーンを解明中。マラソンベストは2時間27分54秒(2024年無錫マラソン)で、今後はサブ2時間20分とワールドマラソンメジャーズ制覇が目標。 note:https://note.com/sushiman_runtrip/ Instagram:https://www.instagram.com/sushiman_kawarai/
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