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SPECIAL

芸人・アメリカザリガニ柳原哲也の「大阪マラソン2018」完走への道。 前編

2018.11.08
Masataka Nakada(STUH)
Shun Sato

「やればできる」を証明したい。

「大阪マラソン、やったろと思ったんです。」
柳原哲也さんは、いつものハイトーンボイスを抑えて、静かに出走宣言をした。

――なぜ、マラソンを走る決意をしたのですか。
「40歳の誕生日の時、朝ゴルフにいって富士山を登ったんです。その時は70キロまで減量できたんですよ。でも、その成功体験が自分をダメにしたんです。いつでもできる、なんとでもなるって思ってた。ドカ食いして、ジムに行かんとパチンコに行って、気がつけば10キロ以上も増えて……。今年、46歳になったんですけど、痩せにくくなったし、体力の低下とかすごく感じていたんです。それでもやれば痩せると頭の中では分かっていたけど、体現できんかった。今回、大阪マラソンを走って、やればできるのを証明したい。それに、50歳を目前にしてマラソンに向って努力して完走できれば、今後の芸人人生を自信をもって続けられるかなと思ったんで。」

アメリカザリガニ 柳原哲也 大阪マラソン2018 American Express アメリカンエクスプレス

大阪マラソン完走は相当の覚悟を持っての大きな挑戦。

柳原さんは、平井善之さんとアメリカザリガニというお笑いコンビを組み、漫才を軸に声優、アニメやゲーム関連のイベントのMCなどをこなす芸人だ。ランニングを得意とするタレントや芸人は増えているが、柳原さんはその範疇にはない。高校までサッカー部だったが、もう30年近くも前のこと。大阪マラソン完走は相当の覚悟を持っての大きな挑戦だが、不安も大きい。

その不安を解消すべく柳原さんは大会スポンサーの1社であるアメックスが企画したサポートプログラムに参加した。トレーナーの園原健弘さんが走り方や故障予防、レース当日までのプランニングなどを説明し、つづいて管理栄養士の三城円さんが食事および栄養面での講習を行った。

アメリカザリガニ 柳原哲也 大阪マラソン2018 American Express アメリカンエクスプレス

最初の関門は「減量」。

柳原さんにとっての最初の関門は「減量」である。

身長170㎝、82キロ――。

いわゆる体重超過の状態で走ると膝など足はもちろん、心臓にも負担がかかる。

「20歳の頃は焼却炉が大きかったんで走ればいくらでも体重を落とせたんやけど、今は焼却炉もないし、火力も弱まっているんでやった分だけの効果が得られない。そういう状態やとコーチに言われたことを意識してトレーニングするだけ。70キロで走るのが理想なんで、エンジンを鍛えながら荷物(脂肪)を落とす作業をやっていきます。」

アメリカザリガニ 柳原哲也 大阪マラソン2018 American Express アメリカンエクスプレス

プロならやらなあかんなって。

2ヶ月で10キロ減量は、かなり困難なミッションだ。そのためにサポートプラグラムで三城さんから「糖分や炭水化物を減らし、タンパク質を採ること」など基本的な減量方法を伝授された。

――10キロの減量は、実現可能でしょうか。
「独身なんでどこまで自己管理できるかわからへんけど、食べるもんぐらいは我慢しようと。2ヶ月ぐらい我慢できんと後輩にえらそうなこといえないですし、人に笑いを提供することも出来んと思う。そもそも中途半端な誘惑に負けているようでは芸人をつづけられない。それに以前、お仕事でお世話になったアメックスさんからサポートプログラムのオファーがあって受けられるようになったんで、よりやらなあかんなって思っています。」

アメリカザリガニ 柳原哲也 大阪マラソン2018 American Express アメリカンエクスプレス

怪我や故障をしないように本番に臨めれば。

――マラソンを走り終えて、やりたいことは?
「餃子の王将とか、ピザとか、カレーとか好きなもん食べたいですね(笑)。」

――42.195キロへの不安は?
「足が痛くなることだけですね。マラソンを走ると決意した後、ジムで5キロ歩いて1キロ走った時、膝に痛みが出たし、サッカーやっていた頃、ひどい捻挫をして足首も痛くなりやすい。尿酸値が高く、痛風まではいかないけど、足の甲が痛くなる。昔鍛えた筋肉と体力が40歳越えて通用しなくなっているんで、コーチに言われたことを守って怪我や故障をしないように本番に臨めればと思っています。」

アメリカザリガニ 柳原哲也 大阪マラソン2018 American Express アメリカンエクスプレス

10キロ走れたことはトレーニングの成果。

マラソンの決意宣言から約1ヶ月後、柳原さんはサポートプログラムの皇居を走るトレーニングに参加した。園原トレーナーと皇居2周、約10キロを走る。目標設定タイムは5キロ、50分。1周を約38分で走り切り、2周目は約40分で走り終えた。その後、アキレス腱や股関節、背筋などを入念にケアした。

「大会前までに開脚して前屈で肘が地面につくようにしましょう!」

園原トレーナーの指示が飛んだ。
静かに頷く柳原さんだが、少しスリムになり、減量が進んでいるように見える。
――体重が減りましたか?
「4キロ減って、今78キロになりました。最初の講習会から約1ヶ月、減量よりも今日10キロ走り切れたことが一番の成果かなと思います。もちろん先生の声や励ましがあった上でのことですが、1キロを8分で走れるとは思っていなかった。」

――レース本番まで残り1ヶ月です。
「まずはもう少し体重を落とすこと。まだまだ体が重いんで、これからも糖と炭水化物に気を付けて、サンドイッチはパンをマネージャーにあげて中身の具だけ食べるようにしていきます。あと11月11日に大阪で20キロのランニングトレーニングがあるので今日10キロを走れた感覚で20キロを走り切りたい!」

アメリカザリガニ 柳原哲也 大阪マラソン2018 American Express アメリカンエクスプレス

――大阪マラソンでの完走は見えてきましたか。
「まだ、見えていません。10キロ走れたことはトレーニングの成果やけど、これをあと3セットできるかというと、まだ無理かなぁと……。本音をいうと、あと1ヶ月しかない。次の20キロのトレーニングをやり遂げた時には、まだ本番まで2週間もあるやんと思えるようにしたいですね。」

弱気と強気の表情がわずかな時間の中で交差する。
大阪マラソンは11月25日がレース本番。その2週間前に無事、ハーフを走り切れば完走も見えてくるだろう。そのために食事制限を貫いて1グラムでも体重を落とし、肩や股関節などのストレッチをこなして故障予防につとめていく。さらに園原トレーナーとメールで連絡を取り合い、状態を確認し合っていく。

――大阪マラソンでの目標は?
「7時間以内での完走です。35キロまで来てたら制限時間を越えてもゴールまでは走り切ろうかなと思ってますし、うちのマネージャーも一緒に走るんで、もし完走したら自腹で賞金4万2千195円をあげようかなと(笑)。」 

アメリカザリガニ 柳原哲也 大阪マラソン2018 American Express アメリカンエクスプレス

大きくお腹が膨らんだ自分の姿を自分の目で見て確認。

初めてサポートプログラムに参加した後、ユニフォームを着て撮影をした。Mサイズを着たが、ピチピチで本人曰く「だらしない格好」だった。他の参加者はいかにもランナーという細身で、中にはサブスリーの選手もいる。彼らと異なり、大きくお腹が膨らんだ自分の姿を自分の目で見て確認したことも発奮材料になった。

「僕は追い込まれないとできないタイプの人間なんで」

大阪マラソン当日、柳原さんは少し細くなった姿でスタートラインに立つ――。

後編は、大阪マラソン終了後の11月26日(月)につづく

後編はコチラ

 

American Express
https://www.americanexpress.com/japan/

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