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ナイキのフライプリントとは? 「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ エリート フライプリント」をキプチョゲがロンドンで着用。

2018.04.21

ナイキは、独自の3D プリントを活用したランニングシューズのアッパーを、エリウド・キプチョゲの協力を得て開発した。

昨年9月に行われたベルリンマラソンで、エリウド・キプチョゲは大雨と湿度99%というコンディションにも関わらず、42.195 キロを誰よりも早く走り抜けた。これ自体素晴らしい快挙だが、彼の目指す世界記録には届かなかった。

直後にナイキのデザイナーが荒天によるパフォーマンスへの影響を聞いたところ、シューズ(ナイキ ズーム ヴェイパーフライ エリート)が水を吸い、問題になることがわかったという。水分が蒸発しないため、シューズがわずかに重くなっていたというのだ。これは明らかに、デザイナーにもキプチョゲにとっても、この先のレースで起こってほしくないことだった。

それ以外では、キプチョゲはこのシューズを「完璧」と称していることから、デザイナーたちはソール部分を維持しながら新しいアッパーを開発し、問題を解決することにフォーカス。実験を行なっていた3Dプリントを活用したアッパーの採用を考え、「ナイキ フライプリント」と名付けられたその新たなアッパーをキプチョゲに見せたというのだ。

キプチョゲとの開発は、2018 年のはじめから本格的にスタート。まず、いくつかの試作品を矢継ぎ早に制作し(何千ものアッパーデザインの可能性を検討した後に、いくつかの試作品を「プリント」し、結果“D”バージョンを試用することに)、このシューズで初めて走ったキプチョゲの反応は以下のようなものだった。

そしてデザイナーたちは数時間のうちに修正を行い、次の段階のサンプルである“E”バージョンは、わずか9 日後には彼の手元に。その後もキプチョゲはテストを続け、間もなく次の “F”バージョンで、「これならロンドンで走ることができる」と納得のいくものが完成したのだ。

細かいトレーニングや試し履きの記録を残したキプチョゲは、デザイナーたちにシューズの中を空気が通り抜ける感覚が好きだから、雨の日も晴れの日もこのシューズで走りたいと伝えたという。

新しいアッパーは、キプチョゲがモンツァとベルリンで着用したものよりも12g 軽くなり、ニット加工、または織物加工されているアッパー素材は、交差している繊維同士に摩擦が起こるため、引っ張り強度が高まると同時に、足を適切な位置で安定させることができるようになった。

そしてシューズのカラーは、キプチョゲのスピードや、彼のケニアの練習環境(クレーのトラック、緑の草木と、カブト虫の外殻のような虹色)を表現。デザイナーたちがこのカラーから生まれるユニークな見た目を言葉に捉えることができなかったため、このカラーには名前が付いていないという。

 

ナイキ フライプリントとは?

ナイキ フライプリントは、ナイキ初の3D プリントを活用した競技用フットウエアのテキスタイルアッパー。これはフットウエアのツーリングに用いる技術ではないが、ナイキが長い間取り組んできたものでもある。ナイキ フライプリント技術は、固体堆積モデリング(SDM)と呼ぶコイル状になっているTPU の繊条組織を解き、それを溶かし層に重ねるプロセスにより作られる。

実際フライプリントは、デザイナーがアスリートデータを異なる繊維の形に変換することを可能にし、これにより、ナイキのデジタルで作り上げる繊維開発の努力を一歩先に進め、ナイキハイパーフューズ、フライワイヤーやフライニットでも行ってきた、機械にナイキ独自の手を加えるというレガシーを受け継ぎ、これまで想像できなかった機能を生み出すソリューションを実現した。

これまでにない速さと精密さで物作りが可能になり、試作品を作るスピードもこれまでのどんな生産方法よりも16 倍以上速くなっているという。また、従来の平面的な素材と比べ、3D 素材がもたらす長所には、フライプリントが素材を融合させて作るという性質から、縦糸と横糸の交差以上に、ダイナミックな素材の連動を実現できるという点がある。例えば、通常の編み物や織物の素材では、絡み合った糸(縦糸と横糸)の間に摩擦抵抗が生まれるが、3D プリントした素材の場合、素材の交点が融合しているため、より正確に足を支えられるようになる。さらにこれまでの素材よりも軽く、通気性も高く作ることが可能になった。

フライプリントは、正確なデザインを可能にし、短時間で大きな利点をアスリートに提供することができると同時に、この素材は、特にフライニットなどの多くの素材と無理なく併用できるため、フィットと構造の最適なバランスを実現することができるのだ。

ナイキ フライプントを初めて見られるのは、2018年のロンドンマラソン。キプチョゲはこの「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ エリート フライプリント」を着用して、4 月22 日のロンドンに挑む。残念ながら日本での発売はまだないが、彼の記録とともに足元にも注目したい。

INFORMATION
NIKE カスタマーサービス
TEL: 0120.6453.77
NIKE.COM/RUNNING

 

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