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SPECIAL

吉田香織氏が語る、サロモンのオンロードレーシングシューズ「S/LAB PHANTASM」の優れた走行性能!

2021.03.08
Masataka Nakada
Masahiro Minai

トレイルランニングの世界では押しも押されもせぬNo.1ブランドであるサロモン。2021年2月、これまでアウトドアフィールドで培った走りのノウハウとオンロードに最適なスペック、マテリアル、デザインを融合することにより、ブランド待望のオンロードレーシングモデルであるS/LAB PHANTASM(エスラボ ファンタズム)をリリース。デビュー以来、ワールドワイドで数多くのランナーを魅了することに成功している。そんなS/LAB PHANTASMの走行性能の高さを、サロモンのランニングフットウェアアンバサダーとして、昨年より一足先に体感してきた吉田香織氏に語ってもらった。

サロモンが満を持してリリースするオンロードレーシングモデルが誕生。

–––S/LAB PHANTASMの走り心地を聞く前に、サロモンのランニングシューズに関する印象を教えてください。

吉田香織(以下吉田):今から5年くらい前、所属がRunners Pulseだった頃に、臀部の筋肉を鍛えると座骨神経痛の痛みが緩和され、それには山を走ることが効果的と聞き、トレーニングの一環としてトレイルランニングを取り入れました。その際に知り合いのトレイルランナーに「トレイルで使うならサロモンでしょ!」と薦められ、シューズやバックパックをサロモンで揃えたことが、このブランドとの出会いでした。トレイルランニングではアウトソールのグリップ性の良さが重要ですが、サロモンのシューズは本当に路面のグリップ力が優れていました。2018年の3月からはサロモンのランニングフットウェアアンバサダーにも就任しましたが、オンロード向けシューズにもトレイルランニングシューズで培ったアウトソールのグリップの良さが継承されていて走りやすい。私は皇居を走ることが多いのですが、雨の降ったときに何か所か滑りやすい場所があり、他ブランドのシューズだとスピードをキープしたままだと怖くて曲がれないようなカーブでも、サロモンのシューズなら難なく走り抜けられます。

–––そういえば吉田さんとサロモンといえば、2015年のさいたま国際マラソンで日本人1位になったときのランニングウェアもS/LABのトップスとショーツでしたね。今回、サロモン待望のオンロードレーシングモデルとしてS/LAB PHANTASMがリリースされましたが、実際に走った感想はどうでしたか?

吉田:これまでサロモンには本格的なオンロード向けレーシングモデルが無かったことは少し残念だったのですが、そんなときに2021年春リリースモデルの先行サンプルとして、半年前に手渡されたのがS/LAB PHANTASMでした。最初はカーボンプレートが入っていないということを聞いて、「推進力はそれほどでもないのかな?」と思ったのですが、実際に履いてみるといい意味で想像が裏切られました。主にスピード練習のときに履いていたのですが、200mのインターバルの際に普段よりも3秒くらい速く走ることができました。女子ランナーはカーボンプレートを上手く使いこなせないことも多かったのですが、このシューズはカーボンプレートを使っていないから扱いやすい。自然に足を運ぶことができて、ほどよい塩梅の反発力を得られることができます。あとはアッパーのフィット感もいいですし、通気性も◎。抜群の軽量性も、この靴の大きな魅力です。バランスの取れたいいシューズだと思いました。

–––S/LAB PHANTASMは船底のようなリバースキャンバー形状により、脚の回転数が自然と高まるような設計となっていますが、走ってみて実際に体感することはできましたか?

吉田:そうですね、このロッキングチェアみたいな形状はS/LAB PHANTASMの特徴のひとつですが、走っているときにしっかりと体感できました。あと使っているミッドソールの素材は適度な固さがあって、厚さも反発力もいいバランスで、期待以上の走りやすさでした。


–––ミッドソールの硬度に関しては、上級ランナーにはこれくらいの固さがあったほうがいいですよね? ちなみにアウトソールのほうの機能性はどうでしたか?

吉田:ミッドソールは上級ランナーなら気にならない固さです。アウトソールもかなり優秀で、これまで履いてきたオンロード向けランニングシューズで最も高いレベルのアウトソールのグリップ性でした。着地から蹴りだしの最後まで路面をしっかりと捉えてくれます。

–––実際に履いたシューズを見せてもらったときに感じたのですが、アウトソールの耐久性もかなり高いレベルにありますね?

吉田:そうなんですよ。私もビックリしたのですが、週に2回ほどのポイント練習で履いていて、半年で600Kmほど走りましたが、アウトソールがなかなか減らない。擦り減って履けなくなったら、新しいのをもう1足送ってもらおうと思っていたのですが(笑)、その必要がないほど耐久性が高かったです。


–––ミッドソールのほうのへたりはどうですか? S/LAB PHANTASM は脚に過度な負荷を掛けることなく着地の衝撃を次の一歩へのパワーに変換できる、独自の“ENERGY SURGE MIDSOLE(エナジーサージ ミッドソール)”を使っていて、この素材はEVA(エチルビニールアセテート)をベースにした特殊素材で、衝撃を吸収した際に変形しても、その復元率が速いことも特徴です。一般的なランニングシューズでは600Km走ったらミッドソール内部の気泡が潰れて、充分なクッション性が得られなくなったりすることもありますが、その点はいかがでしたか?

吉田:600Km走りましたが、クッション性が衰えたということは感じません。まだまだ快適に走り続けられると思います。あと感じたのは、最近は無理やりに前足部着地を促したり、強制的に速く走らせようとするシューズも多い気がします。その点、このシューズはそれがない。私は元々フォアフット着地なので、その弊害はあまりなかったのですが、自分にマッチした着地位置で走ることができるので、故障の心配も少ないと思いますよ。


こちらが実際に履いていたシューズ。半年で600Km走ったが、ミッドソールやアウトソールはこの通り、ほとんど減りがない。

––これまでに数多くのサロモンのランニングシューズを履いてきたと思いますが、それらとの違いのような点はありましたか?

アウトソールのグリップの良さはこれまでのサロモンのシューズと同様ですが、“ENERGY SURGE MIDSOLE”の優れた反発性と、リバースキャンバー形状のソールによる着地から蹴りだしまでのスムーズな足運びは、このシューズならではかと。このあたりはサロモンがオンロードにおいても本気でレーシングシューズをつくってきたということを実感できました。

–––S/LAB PHANTASMを半年間トライしてみて、このシューズの特性を理解できたと思いますが、今後はどのようなシーンで履いてみたいと思いますか? またどのようなランナーに向いていると思いますか?

早く本番で試したい1足ですが、しばらくはレースの予定がないので、今は来るべきレースに向けてハーフマラソンの距離で練習する際に履くつもりです。S/LAB PHANTASMは上級ランナー全般に向いていると思いますが、ハーフマラソンやフルマラソンはもちろんのこと、優勝や入賞を目指すようなエリートランナーがウルトラマラソンで履くのにもピッタリかと。私もいつかサロマ湖100kmウルトラマラソンに出場したいと思っているので、そのときは、このS/LAB PHANTASMを選ぶと思います。

吉田香織
マラソンランナー
TEAM R×L所属
SALOMONフットウェアアンバサダー
結ばない靴ひもキャタピランアンバサダー
1981年8月4日生

埼玉県立川越女子高校卒業後、積水化学・資生堂に実業団選手として7年間所属し、日本代表選手として国際大会を経験するなど、駅伝、トラックを中心に活躍。25歳のときに実業団引退記念と決めて出場した北海道マラソンで初マラソン初優勝を飾る。その後市民ランナーの世界観のなかでプロランナーとして走り続ける。現在は、TEAM R×L所属・SALOMONフットウェアアンバサダーとして、競技を続けながら、スポーツツーリズムの研究やイベント、ランニング教室開催、後進の育成に務める。各地でゲストランナーとしてマラソン大会を盛り上げたり、JFAこころのプロジェクト等を通じて子供たちへ夢を持つことの素晴らしさを伝えたりと、幅広く活動。一人でも多くの方にランニングの楽しさを伝えたいと多岐に渡りマラソン普及活動につとめる他、生涯現役を目指し、ステージを移しながら現役選手として走り続ける。

走ればわかるさ! S/LAB PHANTASMインプレッション&解説

Runners Pulse本誌において人気コンテンツとなっている、編集長・南井正弘による走行インプレッション「走ればわかるさ!」。今回は、サロモン待望のオンロードレーシングシューズ「S/LAB PHANTASM」をプレビューした!

サロモンといえばトレイルランニングの世界では押しも押されもせぬNo.1ブランドだが、最近ではオンロードランニングにおいてもVibeテクノロジーを装備したソニックシリーズがスマッシュヒット。着実にシェアを拡大しつつある。そんなサロモンのオンロード向けシューズのラインアップで、ありそうでなかったのが本格的なレーシングタイプ。一部のS/LABプロダクトはレースでも履けないことはないが、「フルマラソンで2時間45分は切りたい…」というレベルのランナーが履くことのできるシューズは存在しなかったのだ。そんな状況だっただけに、今回、このファンタズムがリリースされたのは、サロモンファンのみならず、ランナーには嬉しい知らせ。このシューズは先進の圧着技術で20余りという数少ないパーツで構成され、アッパーは伸縮しない1層のメッシュを使用しており、最近の足を優しく包むニットやエンジニアードメッシュに慣れた足には新鮮に感じた。踵の位置をしっかり合わせ、一列一列丁寧にシューレースを締めていき、両足を履き終わって立ち上がると、思わず「軽い!」と声が出る。走り始めると、沈み込みが少ないタイプのミッドソールは、効率よく脚力を路面に伝えてくれるのを感じる。このエナジーサージ ミッドソールは、ランナーの脚力に応じた自然な反発を生み、脚に過度な負荷を掛けることなく着地の衝撃を次の一歩への力に変換するという。ボトムユニット全体の形状は船形のようなリバースキャンバー形状となっており、ロッキングチェア効果で推進力を倍増。脚の回転数が自然と高まり、ピッチ走法でのペースアップを実現する。最近は正しい位置に着地して、あとは靴まかせといったタイプの高機能モデルもあるが、このシューズの場合は、前述のロッキングチェア効果はあるが、自分の意志でしっかり脚を動かすことも不可欠。その分上手く履きこなせて、スピードに乗れたときの喜びはひとしおだ。183グラム

 


FEATHER-LIGHT UPPER
シングルレイヤーメッシュ
極薄のシングルメッシュ(一層メッシュ)で超軽量を実現。サロモンが誇る圧着技術により、20余りのパーツで構成された超軽量アッパー。

 


ENERGY SURGE™ MIDSOLE
エナジー サージ ミッドソール
ミッドソールには、脚に過度な負荷を掛けることなく着地の衝撃を次の一歩へのパワーに変換できる“ENERGY SURGE MIDSOLE”を採用。この素材はEVA(エチルビニールアセテート)をベースにした特殊素材で、衝撃を吸収した際に変形しても、その復元率が速いことも特徴である。

CONTAGRIP FA
コンタグリップ FA
確かなグリップ力で走行時に安定をもたらすコンタグリップアウトソール。吉田香織氏による600Kmを超える走行でもあまり減りが見られないように、耐摩耗性にも優れている。

 


REVERSE CAMBER PROFILE
リバースキャンバープロファイル
ソールユニットは、前方方向への推進力を損なわない船底のような形状“リバースキャンバープロファイル”を採用することで、踵からつま先への移行を加速させ、ロッキングチェア効果によって推進力を倍増する。

 


ORTHOLITE MEMORY FORM
オーソライトメモリーフォーム
ランナーの脚の動きを分析し、必要な箇所にのみメモリーフォームを配置。快適な走行をサポートし、的確なフットホールドを実現する。

 

S/LAB
エスラボ
サロモン待望のオンロードレーシングモデルであるS/LAB PHANTASMは、アスリート自らが開発に携わり、デザイナー、エンジニアと三位一体となって創り出す革新的プロダクトレーベルS/LAB(エスラボ)からリリースされる。

 

S/LAB PHANTASM
22,000円(税込)
サイズ:23.0cm~28.5cm

INFORMATION
サロモンコールセンター
TEL:03-6631-0837
URL:https://www.salomon.com/ja-jp

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