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SPECIAL

最注目のランニングシューズ「Cloudmonster 2」の開発ストーリーを聞く!

2024.03.01
JOEL FRIEDLIN
MASAHIRO MINAI

2024年春夏シーズンにおいて、最も注目されるランニングシューズのひとつに挙げられるのがOn<オン>のCloudmonster 2(クラウドモンスター 2)。このシューズの開発秘話を聞くべく、チューリッヒの<オン>のヘッドクォーターを訪れ、開発担当者に、このプロダクトに込めた想い、こだわり、コンセプト、ターゲットユーザーを聞いた。

Cloudmonster 2の開発にあたり、
特に留意したことと込めた想いとは?

On Cloudmonster 2 development story

<オン>において数々のプロダクトの開発を担当してきたのが、Product Strategy /Product Manager of Performance Running FootwearのMARIEKE STASCH(マリーク スタッシュ)である。今回、Cloudmonster 2を開発するにあたり、特に留意したことや込めた想いを聞いた。

2022年3月31日、1足のランニングシューズがリリースされ、ランニング業界のみならず、ファッションシーンでも大きな注目を集めることとなった。それが<オン>のクラウドモンスターだ。従来のシンプル&クリーンなブランドイメージを覆した大胆なアッパーデザインとボリューミーなソールユニットを採用することで、ランナーはもちろんのこと、ストリートファッションを愛好するユーザーも競ってこのシューズを買い求め、クラウドモンスターは、一躍ベストセラーの一角を占める存在となった。

「クラウドモンスターがリリースされると、私たちは、すぐにアスリートや一般ユーザーからのフィードバックを集め、次期モデルの開発をスタートさせました。つまりクラウドモンスター2の開発は、2年近く前から始まっていたことになります。デザインコンセプトは初代モンスターと同様にextreme(過激、極端)、自然な着地とセンセーショナルなクッショニングを次のレベルへと引き上げることを目指しました。クラウドモンスター2は、地球環境を意識して、リサイクル素材など、これまで以上にサステナビリティを意識したマテリアルを使い、ミッドソールを二分割して異なった硬度にし、スピードボードをミッドソール素材でサンドイッチする位置へと移動させました。スピードボードの素材も初代クラウドモンスターではTPU(サーモプラスチックポリウレタン)でしたが、今回はよりフレキシブルなナイロン系のマテリアルへと変更し、前足部が二股に分割された形状とすることで、推進力を向上させました。クラウドモンスター2は初代とデザインこそ似ていますが、機能面では前作からかなりアップしています」と、初代クラウドモンスターの開発にも携わったマリークは語る。

On Cloudmonster 2 development story
On Cloudmonster 2 development story

世界中で大ヒットしたシューズの後継モデルだけに、かなりのプレッシャーがあったと思うが、開発にあたってどのようなことを留意したかを聞くと、「ワールドワイドで数多くの人々に受け入れられたシューズの後継作なので、前作のよさを失うことなく、ランニング性能を向上させたり、アイレットのデザインのような細部のディテールを変更したり、より地球環境に優しい素材を使ったりといったことを行いました。初代モデルを好きだった人は、必ずやクラウドモンスター2も好きなってくれると思います」とのことで、この点には自信を持っているようだ。

「あくまでもランニングシューズであるという軸がブレないように気を付けて開発しました。」

クラウドモンスターは結果としてストリートでも高い支持を受けることとなったが、クラウドモンスター2のターゲットユーザーに関しては、「あくまでもランニングシューズとして、ランナーをメインターゲットとしています。もちろん初代モデルもランニングシューズとして開発されたのですが、クラウドモンスター2は、アスリートがより高いパフォーマンスを発揮できるシューズになっていると思います。クラウドモンスターがストリートで支持されたことは嬉しいですが、クラウドモンスター2を開発するにあたって、あくまでもランニングシューズであるという軸がブレることがないように気を付けました。ランニングをライフスタイルの一部として日々楽しんで走るランナー、私たちはエブリデイランナーと呼んでいますが、そんなランナーをイメージして開発しましたが、完成したのは非常に汎用性の高いシューズです」とコメント。

On Cloudmonster 2 development story
On Cloudmonster 2 development story

<オン>には、クラウドモンスター以外にクラウドストラトス 3、クラウドエクリプスといったボリューミーなソールユニットを有するシューズがラインアップされており、3種類のシューズの違いに関して聞くと、「クラウドモンスターはなんといってもモンスター級のリバウンド感覚を体感できることが一番のウリで、普段のランニングだけでなく、インターバルトレーニングなどにも対応してくれる爆発的な反発性があります。クラウドエクリプスは、クラウドテックフェーズを採用していることにより、スムーズなライドが楽しめるのでLSD(Long Slow Distance)に向き、クラウドストラトス 3は、クラウドモンスターと比較すると若干反発性は落ちますが、<オン>のラインアップのなかでは上位の反発性があり、あえていえば、この3足のなかでは一番安定性があるシューズですね」と丁寧に教えてくれた。

「クラウドモンスター2の外見はあえて大きく変えていません。せっかく初代を好きになってくれたユーザーをがっかりさせたくないので。」

プロダクトの開発にとって重要な要素であるフィードバックに関しては「開発にあたっては先ほども述べましたが、さまざまなアスリートからフィードバックを集め、スポーツサイエンスチームとも連動してデータを分析しました。そのなかにはOAC(On Athletics Club)のようなエリートアスリートから個人のランナーまで、あらゆるタイプを網羅しており、プロトタイプサンプルで300kmや500kmといった長距離を走ってもらい、新品のシューズと比較し、改良点などを抽出しました。クラウドモンスター2に限ったことではないですが、どのシューズを開発するときも『どのようなコンセプトのシューズを開発するのか?』を決定するための初期のプロトタイプ製作の段階が最も困難なフェイズです。こうしたプロトタイプのことを私たちはフランケンシュタインからイメージしてモンスターと呼ぶのですが、このステップは難しくもあり、楽しくもありますね」とマリークは笑った。

On Cloudmonster 2 development story

最後に「クラウドモンスターとクラウドモンスター2の外見はあえて大きくは変えていません。なぜなら、せっかく初代モデルを好きになってくれたユーザーをがっかりさせたくないので。しかしながら、先ほども話したように足を入れて実際に走ってもらえたら、ミッドソール構造とスピードボードの素材の変更、搭載位置の移行によるセンセーショナルなクッショニングの向上を始めとした機能性のアップを体感してもらえると思います。まさに『履けばわかる!』『走ればわかる!』といったところでしょうか」とマリークは語り、前作のヒットに続き、クラウドモンスター2の成功にも絶対の自信を持っているようだった。

 

最高のランニング環境が満足度の高いプロダクトを生む!
<オン>の新社屋に潜入。

On Cloudmonster 2 development story

<オン>は、2010年1月にスイス北部のチューリッヒで創業。チューリッヒは銀行・金融の世界的な中心地であり、チューリッヒ湖の北端に位置するスイス随一の都市。人口は約390,000人だが、チューリッヒ都市圏まで範囲を拡大すると、その人口は200万人ほどに達する。スイスは大別するとドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏に分けられるが、チューリッヒはドイツ語圏にある。<オン>の創業当時のオフィスは、チューリッヒ湖に近い旧市街地方面にあったというが、現在のヘッドクォーターは、チューリッヒ旧市街の北西4kmほどに位置する新規開発エリアにある。東京でいえば豊洲や東雲のような雰囲気だ。2023年に地上17階のビルへと移ったが、それまでのオフィスから500m、徒歩7分という至近距離での引っ越しとなった。

On Cloudmonster 2 development story

ヨーロッパ初のフラッグシップストア「On Labs」が1階に。一般開放され、誰でもショッピングを楽しめる。

新社屋にはあらゆる部署のスタッフが働いており、1階にはベジタリアンレストラン、カフェ、そしてブランドコンセプトストアである「On Labs」が営業している。この直営店は広々としたスペースにフットウェア、アパレル、アクセサリーがフルラインアップで展開されており、店内の一角にはチューリッヒの南西200kmほどの距離にある、著名な観光地として知られるエンガディン渓谷の岩のオブジェが飾られている。この岩のオブジェは東京のOn Tokyoにも飾られているが、東京のオブジェが岩を現地でスキャンし、そのデータを3Dプリンタで忠実に再現したものであるのに対し、チューリッヒのオブジェは、廃棄予定だったフットウェアサンプルやアパレルサンプルを、その原料として再利用している。ちなみにヨーロッパ初のフラッグシップストアの「On Labs」は、一般にも開放されている施設なので、社員以外もショッピングすることが可能。最寄り駅はトラム(路面電車)4号線のToni Areal駅など。Toni Areal駅からは徒歩7分なので、チューリッヒに行く機会があれば、ぜひとも訪問してほしい施設だ。月曜日から金曜日は10時~18時、土曜日のみ11時~17時までの営業。日曜日は定休日なので要注意。

On Cloudmonster 2 development story

開発部門もこちらのビルにあるが、このエリアは関係者以外の入室は厳しく制限されている。社内の一角にはマリークがモンスターと呼んでいたプロトタイプサンプルが飾られたエリアがあり、これらを眺めていると<オン>というブランドの急速な発展を振り返ることができる。

On Cloudmonster 2 development story
On Cloudmonster 2 development story

昼食時には社員が続々とランニングウェアに着替え、リマト川沿いへと走りに行くのである。

オフィスを訪問した2日間の昼食は、1階のベジタリアンレストランにて。1日目はビュッフェ、2日目は茄子味噌丼。肉好きな自分としては肉を食べたい気持ちもあったが、2日とも美味しくいただき、とても満足できた。社内にはキッチンスペースもあり、そちらで自炊したり、電子レンジを活用して食費を抑えている若手社員も少なくなかった。そして、昼食前後になるとスポーツカンパニーらしい光景が見られる。それは社員が続々とランニングウェアに着替え、オフィスから至近距離にあるリマト川沿いへと走りに行くのである。オフィス前にいる短い間に何組もの社員がランニングへと向かうのを確認することができた。リマト川までは徒歩3分ほど。舗装されていない土の道は脚にも優しそうだ。

On Cloudmonster 2 development story
On Cloudmonster 2 development story

走り終わった後は社内に完備されたシャワーでリフレッシュ。サイズ、モデルが豊富に揃うレンタルシューズも無料で借りることができ、洗濯機も自由に使うことが可能。たまたまシャワーを浴び終わったスタッフ2人に話しかけられ、少し会話を楽しんだが、「仕事で悩んでいたりしても走ることで気分転換できる!」「走っていると不思議にアイデアが湧いてくるんだ!」と語っていたように、<オン>の新しいヘッドクォーターは、すぐに走りに行くことができる立地、それをサポートする会社の姿勢もあり、最高のランニング環境が揃っていたのである。

On Cloudmonster 2 development story

Cloudmonster 2
21,780円(税込)
on.com

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