NNormal<ノーマル>の超限定生産のコンセプトモデル「Kboix」を試し履き。3つのインソールを共有するユニークなモジュラーデザイン。
トレイルランニングをする方にはすでにお馴染みのNNormal<ノーマル>は、2022年に、世界的な登山家でありトレイルランナーであるキリアン・ジョルネと、147年の歴史あるスペインのシューズブランド、カンペールが共同で立ち上げ、スタートしたアウトドアブランドです。そして、ただ単にパフォーマンス性だけを追い求めるのではなく、複数のアクティビティで使用できたり、耐久性を高めて長持ちしたり、修理やリサイクルができたりと、どのように環境に負荷の少ないプロダクトを開発するかも大きなミッションに掲げています。
そんな<ノーマル>が今回発表したのは、2025年3月3日(月)から<ノーマル>公式サイトのみで、超限定足数をリリースするコンセプトモデル「Kboix(ケボッシュ)」。このシューズの最大の特徴は、付属された3つのインソールを入れ替えることで、シチュエーションを問わず常に最適なシューズパフォーマンスを得られるようにしたということ。つまり、アウター一つで3つのシューズの役割を果たせる、耐久性と適応性を最重視したモジュラーデザインのプロダクトということなのです。
インソールは、より軽く、より楽に、より高いサポート性で走るEVAの「Kb1 Soft」と、速く、安定して、力強く走るTPUの「Kb2 Reactive」、そして、高いブースト性能と高いクッション性能、高いリバウンド性能を備えたPEBAの「Kb3 Bounce」という3タイプを用意。今回はトレイルで「Kb2 Reactive」を、ロードで「Kb3 Bounce」の2種類を試しました。
試したシチュエーションは、南高尾のトレイル約4kmの後にロード約3kmと、丹沢の大倉バス停から三ノ塔まわりで塔ノ岳まで約16kmのコース。インソールは、先述の通り南高尾のトレイルと丹沢が「Kb2 Reactive」、高尾のロードが「Kb3 Bounce」を使用しました。「Kb2 Reactive」は、足入れした瞬間から程よい柔らかさを感じられ、クッション性が高いのもすぐにわかります。それでいて、走っている最中にはしっかり反発を感じられるので、トレイルでのスピードの切り替えや、テクニカルな地形で安定した走りをサポートしてくれました。細かいアップダウンを繰り返す南高尾や、長い上りや岩場、砂利、今回は雪道まで、さまざまなサーフェスのあった丹沢と、トレイルでの使用にとても向いていた印象です。また、シューズ自体のつま先部分がゆったりしたデザインのため、下りでもつま先の詰まりがなく、走り終えた後、翌日のダメージも少ない印象でした。
一方、ロードでは「Kb3 Bounce」に入れ替えましたが、またこの違いがはっきりわかるほど。反発性と推進力があり、同時にクッション性や安定性も高いレベルで実現。今回はkm/6分15秒程度のゆっくり目のペースでしたが、スムーズに走ることができました。ロードシューズに多く採用されているPEBA素材なので、もう少し長い距離、そして早いスピードでも十分対応することは予想できます。ロードや林道セクションが多めのトレイルレースなど、こちらで走ってみるのもいいかもしれません(今回「Kb1 Soft」は未使用でした)。
使い方としては、替えのインソールをザックに入れて持ち運ぶのは向いていないので、その日のシチュエーションで決めたり、トレイルランの大会ならドロップバッグに入れておいたりして、3つの中からベストを選ぶというのがベーシックな使い方になりそうです。インソールの入れ替えも一度目は力が必要でしたが、二度目以降は比較的簡単に入れ替えることができたので、面倒臭くて一度入れたら変えない、といった心配もなさそうです。
この「Kboix」はインソールだけでなく、アッパーにはMatryxシリーズで最も優れ、耐性が高く、軽量なMatryx ジャカード EVOを採用し、ソールにはヴィブラム メガグリップとヴィブラム ライトベースを使い、乾いた路面でも濡れた路面でも素晴らしいグリップを発揮してくれます。今回は全世界極少数での展開で、日本ではなんと45足のみ販売。今作を手に入れたいという方は、<ノーマル>のオフィシャルオンラインストアからぜひ。秋以降は、このコンセプトモデルをベースに開発した新作も登場する予定とのことなのでそちらも楽しみです。
Kboix
価格:59,400円(税込)
発売日:2025年3月3日(月)
https://www.nnormal.com/ja_JP