日本人ランナーも愛してやまない記念すべき第50回を迎えた「ホノルルマラソン」!
2022年12月11日に「ホノルルマラソン2022」が開催された。今回で第50回を迎えたホノルルマラソンは、日本人ランナーにとって最も人気の高い海外マラソンとして知られている。今回はランチューバーのHAGI氏と南井編集長が走り、その模様は本誌に掲載されたが、ウェブスペシャルでも改めて紹介する。「世界で最も美しい42.195km」とも称されるホノルルマラソンの素晴らしさが伝われば幸いである。
心臓病のリハビリと予防のために、ホノルルマラソンは始まった!
ホノルルマラソンは、1973年に心臓病医師の「心臓病のリハビリと予防のためには、LSD(長距離をゆっくり走る)やフルマラソンを走るのが良い」という考えに基づき始められた。言うなれば健康市民マラソンの元祖といえるだろう。ホノルルマラソンに制限時間はない。自分のペースでフルマラソンを完走する意志さえあれば、参加資格を得るための抽選もなく、年齢が7歳以上であれば誰でも参加可能。前日までエクスポでエントリーもできるので、たまたまハワイに滞在していたランナーが「記念に走ってみるか!?」といった感じで走ったというのもよく聞く話だ。
大会の主催者は、ホノルルで活動しているNPO法人/非営利団体の「ホノルルマラソン協会」。大会の特徴は、地元の市民・ボランテイアに支えられて運営される、参加者を歓迎するハワイ独特の“アロハスピリッツ”に満ちたハートフルなイベントである点。ホノルルマラソンは今や、ハワイで最も大きなスポーツイベントとして認知されており、海外からのランナーを含め参加者全員を、ホノルル市を挙げて歓迎。かつて日本からハワイへの旅行者が少なかった12月第2週は、ホノルルマラソンのおかげで、年末年始やゴールデンウイーク、お盆に並ぶ繁忙期となったのである。
エクスポは例年通り、ハワイコンベンションセンターで開催!
ホノルルに到着後、ゼッケンピックアップのためにエクスポへ向かう。会場は例年と同様にハワイコンベンションセンターだ。スポーツ部門のオフィシャルブランドである<ミズノ>が最も大きな面積を占め、記念Tシャツを始めとしたオフィシャルグッズ、ランニングシューズが販売されており、売れ行き好調らしく、Tシャツの多くは金曜日の午後の時点でサイズ切れが見られた。50回記念大会ということで、歴代フィニッシャーズTシャツが飾られており、来場者からの注目を集めていた。
レースまでは、オックステールスープを始めとした地元グルメを堪能したり、アラモアナセンターでショッピングしたりと、ホノルルマラソンはビフォーアフターも楽しめるところが世界中からランナーを集める所以。レース前後を有意義に過ごすことができるのだ。
花火とともにアラモアナをスタート!
レース当日は、ワイキキ西部の滞在先からアラモアナのスタートエリアまで徒歩で向かう。方々から歩くランナーがアラモアナブルバードで合流し、その集団が同じ方向に向かって歩く様子は、人々が日本の祭りに向かう光景を思い出させる。誰もが早朝とは思えないほどテンションが高い。スタートは5時で、ケイティ ペリーのFireworkをBGMに、花火の合図とともにランナーが歓声ととともに走り出す。アロハタワー、チャイナタウン、カメハメハ大王像、ホノルル市庁舎のクリスマスツリーetc. 4回目の参加となるが、何度走ってもこのコース設定は楽しい。再びアラモアナに戻り、しばらくするとワイキキの中心部へ。6時前後という早い時間にもかかわらず、沿道には多くの人々が陣取り、声援を送ってくれるのが本当に有難い。
ホノルルマラソンで見る朝焼けは、本当に美しい!
カピオラニ公園で10kmのランナーはゴールするが、我々フルマラソン参加者は、これからが本番。最初に走った際は、ダイヤモンドヘッドのアップダウンにナーバスになったが、今では登り切ったあとの絶景が楽しみになった。到達時間によるが、朝焼けが本当に美しくテンションが上がるのだ。今回はいつもよりペースが速かったこともあり、16km地点で正面に朝焼けを見たが、これまでになく美しかったので、写真に収めた。
しばらくしてカハラを過ぎてハイウェイに乗る。ここは単調かつ応援が少なくなることでペースが落ちることも多く、今年は東風が強くてネガティブ要素に追い打ちをかけるが、履いていたシューズ、ミズノ ウエーブライダー25の推進力のおかげで、ペースの落ち込みを最小限にすることができる。ハイウェイを走っている途中で一緒に参加したHAGI氏とすれ違い、「前半はいけるところまでペースをキープして走りましたが、後半はホノルルマラソンを思う存分楽しみます!」と語っていたが、その表情からエンジョイしていることが読み取れた。ハワイカイエリアをグルっと回る箇所でもいつもペースが落ちるが、ハワイカイに戻ってきた箇所に、毎回そうめんを供してくれる私設エイドがあることを楽しみに走る。紙コップに入れられたそうめんは適度なしょっぱさで、塩分補給にもなった。
何度も走りたくなる大会
それがホノルルマラソン!
ここを過ぎると再びハイウェイへ。対面にはこれからハワイカイに向かうランナーが道にぎっしり。なかには歩いている者も見られるが、悲壮感がない。他のマラソンでは歩いてしまっているランナーは悲しげな表情をしていることも多いが、ここでは笑顔の人がほとんど。自分なりのペースで42.195kmを楽しもうとしているのだ。今回、新しい試みであると思ったのが、コース上に設置されたセルフ給水所。同様の設備は湘南国際マラソンでも採用され、個人的には初めての経験であったが、自前のコップがなくても手のひらで飲むことができるし、首筋に水をかけて冷やすことで体調回復に貢献してくれたので、特に南国のマラソンにはピッタリである。
ハイウェイを降り、しばらく走るとダイヤモンドヘッドへ。坂道では体力温存のためにあえて歩くこともあったが楽しい。和太鼓の演奏のある箇所から見る海を目指して、ひたすらストライドを重ねる。美しい海を眺めることができれば、残りは下り坂だ。ペースアップしてカピオラニ公園に入ると、グッと応援の人々が増え、歓声が本当に凄いので、さらにペースを上げて4時間49分51秒でゴール。ずっしりと重いメダルを受け取り、マラサダやココナッツウォーターを受け取り、芝生に座って仲間とレースを振り返って談笑する。このまったりした時間が本当に幸せ。HAGI氏は3時間18分31秒でゴール。「実はホノルルマラソンは10年ほど前に走って以来2度目。その頃は定期的に走っていなかったので、『フルマラソンはこんなにキツイのか…』と思いましたが、今回走ってみて、数多くの人がホノルルマラソンのリピーターになる理由がわかりました。速いランナーも遅いランナーも、各々がそれぞれの楽しみ方ができる大会だと思います。自分もまた走ってみたいですね」と語るように、ホノルルマラソンは自分のようなファンランナーからHAGI氏のようなサブ3ランナーまで、幅広い層のランナーがエンジョイできる大会である。今回記念すべき50回を迎えたが、これからもローカルランナーだけでなく、日本人ランナーを始めとした世界中のランナーを魅了し続けることだろう。
第51回となる「ホノルルマラソン2023」は12月10日に開催される。
https://www.honolulumarathon.jp/2023teaser/
ホノルルマラソン2022で活躍したランニングギア!
ミズノ ウエーブライダー26
ウエーブライダー史上最高のクッション性を備えるべく、ソール全面に搭載したミズノエナジーの厚みを増量。クッション性と反発性がさらに進化しており、ハイウェイやダイヤモンドヘッドなどレース中の辛い場面で、この反発性が推進力となって、ストライドをサポートしてくれた。さらに新形状のウエーブプレートにより、さらなる安定性を生み出し、接地から蹴り出しまでスムーズな体重移動と足運びを確保。レース翌日もほとんど筋肉痛を感じないなど、その高い保護性能を体感することができた。今回も前回に続き、ホノルルマラソンカラーがリリースされていた。
ミズノドライエアロフロープレミアムTシャツ
ミズノが誇るアパレルテクノロジーであるドライエアロフローが進化。クーリングマップ理論に基づき、クーリング効果の高い部位に高通気の組織を配置しており、ホノルルマラソンの42.195kmという長丁場でも快適に走り続けることができた。使用しているマテリアルは高級感があるので、ランニング時もギアにこだわりたいランナーにピッタリの1着である。
ミズノ ランニングマルチポケットパンツグラフィック(ホノルルマラソン2022)
ミズノのランニングアパレルを代表するベストセラーかつロングセラーである、ランニングショーツのホノルルマラソン限定バージョン。ストレッチ素材を使用したウエスト周囲に配されたポケットには、スマートフォンやエナジージェル、走行途中に脱いだジャケットetc.を収納可能。ホノルルマラソン限定プリントは、現地でも注目を集めた。
ミズノ ホノルルマラソン フィニッシャーTシャツ復刻(1976年)
今回は50回という記念すべき大会であったこともあり、エクスポには歴代フィニッシャーTシャツが展示されていたが、<ミズノ>からはいくつかの年のTシャツが復刻され販売された。1976年の第4回は、日本人ランナーが初めてホノルルマラソンを走った大会。オリジナルはコットン製だったが、復刻モデルは吸汗速乾性に優れたマテリアルを使用しているので、ハワイ滞在中はランニングシーンからオフシーンまでシームレスに活躍してくれた。
写真提供:ホノルルマラソン日本事務局、オールスポーツコミュニティ