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COLUMN

2025年のレースシーンを振り返るVol.1
惜しまれながら最終回となったハワイの伝統あるレース「GREAT ALOHA RUN」を走った!

2025.11.28
MASAHIRO MINAI
MASAHIRO MINAI

2025年のレースシーンを振り返るVol.1 惜しまれながら最終回となったハワイの伝統あるレース、「GREAT ALOHA RUN」を走った!

GREAT ALOHA RUN(グレート アロハ ラン)は、毎年2月の第3週末(アメリカ合衆国ではジョージ ワシントン誕生日)にハワイ州ホノルルで開催されていたロードレース。日本ではホノルルマラソンやハワイズ ハーフマラソン ハパルアのほうが有名だが、1985年に第1回が開催された、ホノルルマラソンとともに長い歴史を誇るハワイを代表するランニングイベントである。そんなイベントを南井編集長が走った。

グレート アロハ ランは、1985年に第1回が開催されたチャリティランニングイベントで、ハワイの著名人キャロル カイ オノウエ氏が運営する慈善基金「キャロル カイ チャリティーズ」を支援するものであった。カイ、ホノルルマラソン創設者であるジャック・スカフ医師、広報ジャーナリストのバック・バックワックが1985年に創設し、開始以来1,400万ドル以上をハワイの100以上の非営利団体に寄付してきた。ランニング専門誌の『Runner’s World』から「全米の優れたロードレース100選」に選ばれた実績もある。

自分がこの大会を走ろうと思ったのは、高円寺の古着屋で、1989年のこの大会のボランティアスタッフTシャツを見つけて購入したことから。大会自体の存在はうっすらと知っていて、このTシャツがカッコよかったのがきっかけだが、実はもうひとつ理由があって、この日程の前にデラウェア州とメリーランド州にあるゴアテックスの本社と研究開発施設の取材があり、フィラデルフィア、シカゴ、東京と乗り継ぐよりも、シカゴと東京の間にホノルルを経由させたほうが航空券が安くなったこともあり、エントリーを決めたのである。8.15マイル(13.12km)のコースは、アロハタワー向かいのニミッツハイウェイ沿いのホノルル中心部からスタートし、ニミッツハイウェイを西へホノルル港沿いに進み、ホノルル国際空港近くの州間高速道路H-1高架橋の下を抜け、カメハメハハイウェイ沿いを走り、アロハスタジアムの駐車場エリアでゴールする。アロハタワーからアロハスタジアムまでがルートとなっていることが、レースの名前の由来となっている。

エクスポ会場は、ホノルルのニール・S・ブライスデル・センター。ゼッケンの受け取りはもちろんのこと、オフィシャルグッズの販売、さまざまなブランドのブースが設けられ、アメリカで人気急上昇中の球技、ピックルボールとテニスの体験コーナーも設置されていた。ポカリスエットのブースがあり、サンプリングしていたので1本いただく。日本の方がスタッフで、ハワイ渡航が40回以上だという話で盛り上がると、さらにスポーツタオルもいただけた。オフィシャルTシャツやシングレットの購入は迷ったが、今年走ってみて、楽しかったら来年もエントリーして購入しようと決めた。しかしながら、この決定が後々大きな後悔になるとは、この時は予想もしなかった。

2025年のレースシーンを振り返るVol.1 惜しまれながら最終回となったハワイの伝統あるレース、「GREAT ALOHA RUN」を走った!

2025年のレースシーンを振り返るVol.1 惜しまれながら最終回となったハワイの伝統あるレース、「GREAT ALOHA RUN」を走った!

この大会を走ろうと思った理由のひとつであるTシャツ。ボディはステッドマン HI CRU 100%コットンで、バックプリントはスポンサーの免税店大手「デューティフリーショッパーズ(現DFS)」。

2025年のレースシーンを振り返るVol.1 惜しまれながら最終回となったハワイの伝統あるレース、「GREAT ALOHA RUN」を走った!

レースデイのアウトフィット。トップスはOTSOのポパイモデル、ウエストポーチはnakedランニングバンド、ショートタイツは2XUのメンズ ライトスピード リアクト コンプレッションショート、補給およびレース後のリカバリーには、アミノバイタルのアミノショット3600mgとアミノバイタル2200mgをセレクトした。

スタートは7時。ホノルルマラソンの5時、ハワイズ ハーフマラソン ハパルアの6時と比べると、距離が短いこともあり、ゆっくりだ。ランナーが日の出前の暗い中スタートエリアに集まってくる。スタートの7時がちょうど日の出の時間であり、号砲とともにランナーが走り出す。ニミッツ ハイウェイを西に向かい、今回はあくまでファンランで、走りながら「ここにこんなショップやレストランがあったんだ!?」と、いつもはバスやタクシー、レンタカーで足早に通り過ぎていた街並みをゆっくりと進むのは本当に新鮮だ。このときに見つけた「リリハベーカリー」の2号店には、レース後のランチにロコモコを食べに行ったし、その手前にある「サルベーションアーミー」で、レアな古着のTシャツを何枚もディグったりすることができた。ちなみにこのあたりはホームレスの人も多く、治安がよくないので、暗くなってから行くのはやめたほうがいい。そうこうして走っているうちに、ホノルル空港。正式名ダニエル・K・イノウエ国際空港のエリアへ。

高架下なのでGPSを拾わないか心配したが、問題なかった。このレースは一般のランナーだけでなく、ミリタリー、すなわち軍人の姿も目立つ。彼らは映画「愛と青春の旅立ち」の訓練シーンのように、軍歌を歌いながら集団走していたのが印象的だった。途中で和太鼓の演奏がある箇所があったが、高架下だけに音がより一層響いてテンションが上がる。しばらく走ると、開通したばかりの高架鉄道であるスカイラインの駅も通過して、アップダウンのあるコースは眺望も最高だ。しばらくするとゴールのアロハスタジアムも見えてきて、最後はペースアップしてゴール。ファンランで走る人が多いので、ほぼkm/6分00秒の1時間19分33秒(ネットタイム)のゆっくりペースで走っても、全参加者5,681人中847位、男性では2,924人中618位、男性の55歳~59歳の部では180人中29位であった。

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スタートエリアはアロハタワーそばのニミッツハイウェイ。集合時は日の出前でまだ暗い。

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ちょうど日の出のタイミングである午前7時にスタート。

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スタート後はニミッツハイウェイを西へと進む。早朝なのに沿道の応援が沢山で嬉しい。

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軍歌とともに集団走するミリタリーの皆さん。ドスの効いた声は迫力満点。

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途中ダニエル・K・イノウエ国際空港を通過。ハワイアン航空機体尾翼のフラガールが見える。

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和太鼓の応援はニューヨークシティマラソンのときもそうだったが、日本人の自分にはテンションを上げる最高の特効薬。高架下だけに、音の響き方も史上トップレベル!

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ハワイの高架鉄道スカイラインの駅もコース上にある。

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アロハスタジアムが正面に見えたらゴールはすぐ。

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長年行われてきた大会だけに、ゴールエリアからメダル受け取りetc.はとてもスムーズ。

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ハワイを代表するランナー、ジョナサン リャウ氏と。

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ダウンタウンへは、いかにもアメリカっぽいスクールバスで!

グレートアロハランは、41回開催している歴史ある大会だけに、運営スタッフもボランティアスタッフも手際がいい。帰りは家族が迎えに来てくれているランナー以外は、ボストンマラソンやカリフォルニアインターナショナルマラソンでもお世話になったボンネット付のイエローのスクールバスで、ホノルルダウンタウンなどへと送迎される。ホテルに着いた後はシャワーを浴び、プールでクールダウン。デッキチェアで仮眠を取ってランチタイム。距離が短く、ファンランだったので疲労感もほとんどなく、前述の通り午後も活動的に過ごすことができた。

「来年は海外マラソン好きランナーやハワイ好きなランナーを誘って4、5人で来よう! この時期ならそれほど航空券も滞在費も高くないし!」と思って、いろいろと計画を練っていた。しかしながら2025年9月、キャロル カイ オノウエ氏の完全引退、ゴールエリアであるアロハスタジアムの老朽化に伴う解体および建て替えに伴い、自分が参加した2025年大会をもって終了することが発表された。このことをYouTubeの番組「ポケットハワイ」で知った時は本当にショックだった。逆に言えば、前述の通り高円寺の古着屋で偶然にあのTシャツを見つけたこと、航空券の価格差がなければ、最終回に参加していなかった。そういったこともあり、この大会との不思議な縁を感じる。グレートアロハランがその長い歴史に幕を下ろすことは本当に残念だが、最終回に参加できたことをポジティブに捉えたいと思う。

2025年のレースシーンを振り返るVol.1 惜しまれながら最終回となったハワイの伝統あるレース、「GREAT ALOHA RUN」を走った!

完走メダルはいかにも南国の大会なトロピカルテイスト。

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フィニッシャーズTシャツは吸汗速乾タイプ。ちなみにゼッケン受け取りの際にゲットできるので、厳密には完走Tシャツではない(笑)。

今回のレースで活躍したランニングギア

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比類なき反発性を誇る次世代フォームであるIncredirunをミッドソールに採用した、サッカニーのエンドルフィン エリート2。一歩一歩跳ねるような走行感で、本来はもっと速いペースでの走行に向く1足だが、km/6分ほどの今回のレースにも対応してくれた。特に和太鼓が鳴り響く高架下では、自然とストライドが大きくなり、「ビョーン」といった感じで楽しく走ることができた。ちなみにこのシューズを履いたフリア パテルナイン(ウルグアイ)は、東京 世界陸上選手権 女子マラソンで3位入賞。銅メダルを獲得した。

Masahiro Minai
南井 正弘 フリーライター、ランナーズパルス編集長
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。「フイナム」「価格.comマガジン」「モノマガジン」「SHOES MASTER」「Beyond Magazine」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」「人は何歳まで走れるのか?」などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。
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