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COLUMN

「RETO RUNNING CLUBコーチ陣が2022年の活動を振り返る! 」 第14回活動レポート。

2023.02.06
Koyo Shibata

2022年5月にスタートを切った、プロランナー・神野大地氏が主宰する「RETO RUNNING CLUB(レトランニングクラブ)」。2023年1月30日には、第3クールの練習会を終え、2月から第4クールに突入する。公式の練習会だけでなく、多くのゲストランナーと一緒に走ったり、オンライン講座、合宿、自主練習会、協賛メーカーによる講習会など多くの取り組みを行ってきた。このような多彩な内容を経て、神野大地氏をはじめとする、3名のメインコーチにこの9ヵ月間の取り組みについて振り返ってもらった。

①ランニングアドバイザーの三津家貴也氏 ②スプリントコーチの秋本真吾氏 ③タレントの猫ひろし氏 ④ハリー杉山氏など多くのゲストが訪れてくれた。

 

神野大地選手
「みんなの強くなりたいという気持ちが、僕の気持ちを変えてくれた」

──  第3クールが終わり、RETO RUNNING CLUB(以下R.R.C.)がスタートして9ヵ月が経過しました。これまでの活動を振り返って、神野選手は、チームの成長をどう感じていますか。

「最初は正直、みんなの名前を覚えるのが大変で、どんな感じでやっていこうかなと手探りでスタートしました。でも、1回、2回と練習会を重ねるごとにみんなの名前を憶えてコミュニケーションを取りたいという気持ちが膨らみましたし、メンバーの強くなりたいという気持ちで練習に取り組んでくれる姿が出来る限りのサポートをしていきたい、そう僕の気持ちを変えてくれました。9ヵ月間やってきて、練習会だけではなく、SNS上でコミュニケーションを取ったり、自主練や合宿にも多くのメンバーが参加してくれたり、時間を重ねる度にチームがまとまり、チーム全体の力が上がってきていると思います」。

──  R.R.C.がチームらしくなったなと感じたのは、いつごろですか。

「昨年の6月、最初の富士見合宿が終わった時ですね。普段の練習会だと練習して終わって解散するので、メンバー同士も顔と名前を一致させるのが大変だったと思うのです。でも、あの合宿で練習はもちろん、食事の時やお風呂、交流会で個々のバックグラウンドやマラソンの経験とか、ざっくばらんにいろんな話ができたのはすごく大きかったと思うんですよ。それに合宿だと時間もあるので、僕に質問してくれたり、直接話をすることで、みんなの中に残るものもあったと思います。やっぱり全体を通して話をすることと、個別に直接言うのでは響くものが違いますからね。あれから全員の顔と名前が一致して、名前やニックネームで呼べるようになりましたし、みんなとさらにコミュニケーションを取りたくなりました。そういう気持ちが僕だけじゃなく、みんなにも芽生えたのがあの合宿なんじゃないかなと思います」。

──  R.R.C.を引っ張る中で、神野選手は、どこにやりがいを感じていますか。

「みんなが自己ベストを出すことです。陸上って、正しく練習をすれば必ず結果がついてきます。それは僕が中学の時から陸上を始めて、ここまでやってきた経験則でもあります。努力を続けて、それが報われる瞬間を何度も経験し、その時、どういう感情になるのか想像できるんですよ。メンバーは、すごい熱量を持って練習やレースに取り組んでいるので、目標をクリアしてほしいという気持ちが強いですし、一人でも多くのメンバーに自己ベストを更新してもらって、その感情を経験してもらいたいと思っています」。

──  これまで多くのメンバーが自己ベスト、目標をクリアしました。

「それは本当にメンバーの努力の賜物だと思います。どんどんその流れに乗ってほしいですね。レースの結果だけではなく、僕は個人の成長もすごいと思うんです。例えば、吉岡さんはスタート当初はCチームの練習にも着いていけていませんでしたが、今では余裕を持ってこなせていて順調すぎるくらいに成長しています。ただ、全員がうまくいっているわけではないのも分かっています。美和ちゃんは、ランニングに本気になってくれたのは嬉しいけど、それで大きな怪我をしてしまった。それでも僕としては、全員の目標達成を目指したい。縮められるタイムはR.R.C.に入ったタイミングでの状態や元々の走力によるところもあるのであまり気にしなくて良いと思うんです。大事なのはメンバーそれぞれが心から達成したい目標を後押しすること。特に長くいるメンバーはその取り組みもわかっているので、目標を達成した時の喜びは大きいと思います」。

──  メンバーの陸上への姿勢、目標達成が神野選手のモチベーションにつながる?

「メンバーのがんばる姿から刺激を受けて、僕も練習をがんばることができています。でも、みんなからモチベーションを高めてもらうだけではなく、僕はチームのキャプテン的存在として、結果で示して引っ張っていきたい。僕が結果を出すことで、メンバーもあとにつづいてくれると思うので、そこは自分の役割をしっかりと果たして行きたいなと思っています」。

──  R.R.C.が他のチームと違うところは、どういう点だと思いますか。

「メンバー同士の交流が深い、みんな、練習に対する熱量が半端ないとかいろいろありますが、僕はR.R.C.には強くなるための情報が非常に多いところがポイントだと思っています。聖也さん(高木コーチ)が考えた練習メニューを始め、オンラインの講座もそうですし、走ること以外にも力を入れている。そして、一番大きいのは、メンバーが大会に出た時のフィードバックです。マラソンに出て、なぜPBを達成できたのか、こうしたらすごく良かったとか、その情報量が多いので、自分がマラソンに出る際の参考になっています。R.R.C.は本当に情報の宝箱だと思いますね」。

──  年末の忘年会では、人生変わったという声も出ていました。

「みんなと向き合ってやってきた中で、メンバーに人生変わりましたと言ってもらえたことは、僕らにとっては一番うれしいことです。でも、ここで満足してはいけない。メンバーの目標達成をサポートするために、よりグレードアップ、バージョンアップしていきたいですね」。

 

 

高木聖也コーチ
「日本一のランニングクラブにしたい」

──  この9ヵ月間のチームの手応えについて、どう感じていますか。

「僕らが充実感を感じているのも大事ですが、参加してくださったメンバーがどう感じているのかというのが一番大事だと思っています。そこについては個別にお話しさせてもらったり、アンケートに答えてもらったりする中で満足度、継続率も高かったですし、忘年会で人生が変わったと言ってくれる人もいて、僕らがやっていることがシンプルに誰かの人生を豊かにできているのはうれしいですね。R.R.C.をやってよかったなとすごく感じています」。

──  R.R.C.がチームらしくなったなと感じたのは、いつごろですか。

「6月の富士見合宿は、ひとつのキッカケになったと思います。練習会で黙々と練習をするチームだったのが、メンバー間でコミュニケーションを取るコミュニティになるキッカケになりました。そこから僕らもそうですけど、SNS での発信が活性化し、広がっていったので」。

──  facebookでの投稿が活発になっていきました。

「facebookグループの機能をうまく利用して、サブグループを作りました。投稿する敷居を下げたいという狙いです。僕が参加者の立場になって考えると、投稿するのって勇気がいるし、あえて投稿しなくてもいいかなって考える人も多いと思うのです。でも、R.R.C.のメンバーは積極的に投稿してくれるじゃないですか。僕としてはリアルな回数が少ない分、オンラインでもコミュニティが成り立つようにしていきたかったですし、そういう場をみなさんが活用してくれているのがすごくうれしかったですね」。

──  高木コーチ自身、R.R.C.での喜び、楽しみはどういうところに見出していましたか。

「ふたつあって、ひとつはメンバーの皆さんとのコミュニケーションです。バックグラウンドも職業も年齢も違ういろんな方がランニングというひとつのことを通して集まっているので、そこで共通の目的を持ったメンバーとコミュニケーションを取るのはすごく楽しいですね。もうひとつは、メンバーが目標を達成した時です。僕らは、目標を達成するためのクラブということをポリシーにして、みなさんは目標を持って入って来られている。そこで一緒に練習を重ねながら、個々でも努力して、結果を出してくれた時は本当にうれしいです。ただ、結果を出すことに対してちょっとプレッシャーに感じるクラブにしてしまったという反省点もあります。僕は結果も大事ですが、プロセスの方がより大事だと思っています。結果が出なくても、マラソンで結果を出すためにどうすべきかを考えて努力することには価値があるんですよ。マラソンは1日、1週間頑張っただけで結果が出るスポーツではないし、本気でやるほど怪我のリスクも高くなる。それにタイムに関しては当日の気象コンディションにも左右されます。走るというシンプルだけど、結果を出すことは難しいスポーツだと思います。1度、2度、ダメでも最終的に乗り越えて結果を出してくれた時は、最高にうれしいですね。自己ベスト=自分史上最高って、本当にすごいことだと思います」。

──  そうしたことがコーチ自身の陸上へのモチベーションアップにつながっている。

「もちろんです。ただ、僕の場合、責任感的な部分が大きいかもしれないですね。みんながチャレンジしてくれているので、自分もそういう姿を見せつづけていきたい。だから、自分自身も目標を持って頑張る。そういう気持ちです」。

──  他チームにはない、R.R.C.というチームのウリはどういうところにありますか。

「神野をはじめ、タムケン(田村健人コーチ)と自分がやっている強みは、陸上を競技としてやってきたことだと思うんです。その強みを活かし、これまで学んできたことをみなさんに提供していますし、僕らが及ばない専門的な分野に関してはプロの人達を巻き込んで、みなさんに理解を深めてもらう。単純に走って終わる練習だけじゃなく、総合的に力をつけていけるのは、他にはない魅力だと思います」。

──  次の第4クール終わりで、1年になります。R.R.C.の今後のビジョンとして、どのようなことを考えていますか。

「まずは1年やってみようということでR.R.C.を発足させましたが、この先、5年後、10年後、どういうクラブにしていきたいのかというビジョンを持とうという話をするようになりました。これは実際に運営してきた中でのやりがいと提供するサービスに対する手応えがあるからです。ランナーの目標達成をサポートするチームやサービスを提供していく中で、事業としても本気で取り組みたいなと。そのくらい熱を注ぐことができる仕事になってきています。そして、やるなら日本一のランニングクラブにしたいという思いがあります。例えば、東京のR.R.C.の形はそのまま変えず、地方にも拠点というか、チームを作っていく。R.R.C.に携わることで、人生が変わった、人生が豊かになったと言ってくれる人が増えていくのが理想ですし、それがR.R.C.の社会的な価値を高めていくということにもつながると思っています」。

 

田村健人コーチ
「R.R.C.のために自分のアスリートとしての力、実績を上げていく」

──  9ヵ月間のチームの手応えについて、どう感じていますか。

「みなさん、いろんな思いをもって参加してくれている中、目標を達成し、自分の人生を豊かにするということの実現に向けて、練習会や合宿、自主練がとてもいい雰囲気で出来ているので、本当にいいチームになったなぁと思いますね。個人的にはメンバーのみなさんとコミュニケーションを取って、みなさんのことを深く知ることで、もっと走れるようになってほしい、目標を達成してほしいという気持ちがどんどん強くなっています」。

──  R.R.C.がチームらしくなったなと感じたのは、いつごろですか?

「最初の富士見合宿ですね。スタートから、みんな、意識が高いなって思っていましたけど、そこでよりみんなの個性が分かって、お互いを理解するようになってまとまりが出てきたのかなと思います。その後、facebookのグループをみなさんが活用するようになり、お互いに応援したり、励まし合ったり、自主練ができたり、どんどん輪が膨らんで、本当にチームらしくなってきました」。

──  R.R.C.の中での自分の役割について考えていますか。

「パーソナリティの部分と仕事の部分とふたつありますが、神野さんはチームのキャプテンみたいな位置付だと思うのです。先頭に立ってチームを引っ張っていく存在で、聖也さんは全体を見る感じで、練習メニューを考えたり、R.R.C.のいろんな施策を考えています。僕は、神野さんと聖也さんがビシッとやる感じの中、性格的なものもありますが、明るく元気に、笑顔で、みたいなテーマでやっています」。

──  コーチとしての仕事についてどう考えていますか。

「例えば、普段の練習で引っ張る時は、めちゃくちゃペースを考えています。タムケンのおかげで走れたよっていわれると、すごくうれしいですね。ペースを守って走ると、その人にとってすごくいい練習になると思うので。あと、最近は合宿の責任者になったのですが、まだまだ力不足で、どうやったらうまくいくのかなぁ? と考えながらやっています。ほんと、旅行代理店の人とか、すごいとか思いますよ。タムケン練もやらせてもらっているので、これからもR.R.C.のメンバーのために自分ができることをやっていきたいですね」。

──  チームに携わる中、自分のモチベーションになることはありますか。

「メンバーがPBを更新するのはすごくうれしいですし、練習や合宿でみんなと話をしたり、飲んだりするのがすごく楽しいですね。そこで、みんなから刺激をもらって、トレイルのレースで優勝したいと思っていますし、日本一になるために練習を頑張れているところがあります。僕が強くなって結果を残すことがR.R.C.のためにもなると思っているので、アスリートとしての力、実績をもっと上げていきたいですね」。

──  今後、R.R.C.でどんなことをやっていきたいと考えていますか。

「他のチームとの差別化を考えていきたいですが、そのためにもまずは自分がアスリートとしての実力を上げて、人に教えられるような知識をもっと身に付けていかないといけないと思っています。R.R.C.の中には、驚くような急成長を見せる人がいるじゃないですか。最近では桜井さんのビヨンドでの結果にめちゃくちゃ震えました。年齢を言い訳にせず、練習もケアもしっかりされていますし、向上心も強い。やっぱり練習をすごくされているので、そういうところは僕自身の刺激になります。そういうメンバーのために、チームとしての練習もタムケン練もこれからバージョンアップして、コーチとしての役割をしっかりと果たしていきたいと思っています」。

コーチ全員がキーポイントにあげた、6月の合宿。


第3クールの練習会では、KT TAPEによる試貼り会も行われた。

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Shun Sato
佐藤 俊
北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て93年にフリーランスに転向。現在はサッカーを中心に陸上(駅伝)、卓球など様々なスポーツや伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「駅伝王者青学 光と影」(主婦と生活社)など多数。
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