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COLUMN

“挑戦”をサポートする、RETO Running Club powered by Runners Pulse 第10回活動レポート。

2022.10.17
YoshiJosefToomuch

10月に入り、RETO Running Clubは、マラソンに向けての本格的な練習をスタートした。髙木聖也コーチが、その意図についてこう語る。

「これまでスピードをつけるためにインターバル系のトレーニングを主としてやってきました。練習でのみんなの走りやストラバでの個人練習を見る限り、各チームの目標に対してのスピードは十分過ぎるくらいついてきていると思います。ただ、スピードがついたからといってマラソンで走れるかと言ったら別の話。これからはマラソンで結果を出すための練習をしていきましょう!」

この日、さっそく練習メニューとして提示されたのが、10kmのMペース走だ。Mペースというのは、マラソンのペースを表している。Mペース走は一定のペースで長時間・長距離走ることが多いので、心肺機能を高める効果がある。また、Mペース走は日常的に行っているEペース走(イージーランニング:会話して走れるくらいのランニング)よりも負荷が高く、レースに近い走りを確認することが出来るため、レースの時期に実施するのは大変有効と言われている。

この日の各チームの設定は、以下になった。
★皇居10km
Aチーム:4’15”~4’05” 1600m×2 3’50” rest3min
Bチーム:5’00”~4’55” 1600m×1 4’30”
Cチーム:5’45”~5’30” 800m×1 3’50”

練習についての注意点が高木コーチから告げられる。「今日は、設定通り、集団について走ることを意識してください。余力のある人は、1600mでペースを上げてもいいので、Mペース走では設定維持でお願いします。」

各チームのメンバーは、各自の練習ではわりとペースが早い、質の高い練習をこなしているケースが多い。強化練習としてはいいが、マラソンはMペースを意識してイーブンで走り切るのが理想的だ。調子がいいとペースを維持して走ることに焦れてしまうこともあるが、そこでペースを上げるよりもMペースをしっかりと維持して後半に備えることが、最終的に目標をクリアするための大事な要素といえる。

二重橋に集合し、神野大地選手とともにいつものストレッチをこなし、軽くジョグをこなす。皇居の外周に移動し、Aチームは神野選手、Bチームはタムケン(田村健人)、Cチームは高木コーチが担当となり、練習がスタートした。故障で走れない小渕さんは声出しをして、新沼さんは前回につづき写真を撮影してくれている。個々ができることでサポートしてくれるのは、チームとしては本当にありがたいことだ。

結果的に、どのチームも大幅に遅れたり、ついていけないメンバーはおらず、無事に10kmのMペース走は終了した。初めてMペースで10kmを走り切れたメンバーも多く、練習をやり遂げた充実感が漂う。集団走でMペース走をやるメリットは大きい。前を引っ張るコーチの背中を追うだけで良いので、時計をいちいち確認せず、走りに集中できる。そして、そのコーチのリズムに合わせて走ることでラクに走ることができる。星さんは「タムケンの後ろがすごく走りやすかった。」と感動していたが、ひとりではなかなかできない設定でも集団ならやり遂げることができる。

逆に1600mは荒れた。どのチームも設定を越えたスピードで競った。Aチームは、スタート直後から集団がばらけた。Bチームは、設定通りは800mだけで、そこから一気に爆上げしていった。Cチームはラスト400mを切ったところでコーチから「上げられる人は先にいってください!」と、指示があり、走れるメンバーは攻めていった。ラストの直線では、走り終えたメンバーから「ラスト!!」「ファイト!!」の声がかかる。こういう声は本当に勇気づけられる。最後、粘れるメンバーが多いのは、こうした声掛けと無縁ではない。

この日の練習結果だ。
Aチーム:10km 41’33”(ave.4’09”/km) 1600m×2 6’00”-5’56”
Bチーム:10km 49’45”(ave.4’58”/km) 1600m 6’53”
Cチーム:10km 55’50”(ave.5’35”/km) 800m 3’48”

全員が集合し、神野選手から注意点が挙げられた。「最近、故障者が増えています。調子がいい時こそ、故障には注意してください。調子がいいからといって負荷の高い練習を継続していくと故障の原因になります。やりすぎないこと、痛みが出た時は止める勇気を持ってください。」

神野選手の声に全員がうなづく。意識が高いメンバーが多く、練習量も質も高い。だが、それを継続していくと疲労が蓄積したり、故障が起こり、裏目に出てしまうこともある。そうなるとレースに挑戦できなくなってしまう。経験者である神野選手の言葉は重い。

練習の終わりに、平川淳一さんが大阪への転勤により、チームを離れることが発表された。スタート当時、Bチームだったが2期目にはAチームに昇格し、「レベルが違う」といいながらも練習に喰らいついていった。そうした姿は、メンバーの多くが見ており、みな、刺激を受けていた。

最後の練習後、平川さんは、メッセージを残してくれた。「まだこれからっていう時に離れることになって、すごく残念です。練習は厳しいけど、楽しくて、メンバーのみなさんに助けられてこなすことができました。毎回、出し切ってやれたことは自信にもなりました。これからも練習を継続して、福岡マラソンでサブ3を達成できるように頑張っていきたいと思います。神野選手、高木コーチ、タムケンさん、メンバーのみなさん、短い間でしたが、ありがとうございました!」

チームが継続していく中でメンバーが転勤、転職、転居などでチームを離れることは、これからも出てくるだろう。だが、そこで「さようなら」ではなく、メンバーだったOBOGがいつでも戻ってこられる、あるいは何らかの形でチームとの関係を維持していくことは、長くチームがつづいていく上で大きな財産になり、メンバーにとっても時間を共有し、頑張った仲間たちとの関係を維持していくことは人生に彩を与えてくれるはずだ。平川さんのケースから、これから突然離れていくメンバーやいつか卒業していくメンバーのために「その後」をスタッフは今、いろいろと考えている。

次の練習会は、いよいよ2期目、最後の練習になる。RETO Running Clubがスタートしてから約半年、アッという間に過ぎていったが、メンバーの成長は著しい。恒例の1500mTTが行なわれる予定だが、それぞれ練習してきた成果を披露する場になる。


施設協力:ラフィネ ランニングスタイル Otemachi One
営業時間
平日 7:00~22:00(最終受付21:00)
土日祝日 7:00~20:00(最終受付19:00)
TEL.03-6269-9097
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Shun Sato
佐藤 俊
北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て93年にフリーランスに転向。現在はサッカーを中心に陸上(駅伝)、卓球など様々なスポーツや伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「駅伝王者青学 光と影」(主婦と生活社)など多数。
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