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スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
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COLUMN

“挑戦”をサポートする、RETO Running Club powered by Runners Pulse 第8回活動レポート。

2022.09.08
YoshiJosefToomuch

神野大地選手がアフリカのケニア・イテンの合宿から戻ってきた。現地では、中耳炎などで体調を崩し、思うような練習ができず、大変な時期を過ごしたが「逆にいい経験でした。」とプラスにとらえている。マイナス要素をネガティブにとらえるのではなく、ポジティブにとらえ、自分の糧にするところはアスリートだからというよりも人として素晴らしいところだ。

神野選手がチームに復帰し、メンバーのみんなの前に立つと雰囲気がパっと明るくなった。「2ヵ月半ぶりに練習会に参加しますが、この期間内、練習会やレースの結果を見ていました。8月の暑いシーズン、走り込んでいる姿を見て、すごくいいことだなと思いましたし、刺激をもらいました。これから気温が下がっていくと自分の成長を感じられると思うので、引き続きがんばっていきましょう!」と、頭を下げると大きな拍手が起こった。メンバーの多くは、神野選手が戻ってきた時、レベルアップした姿を見せられるようにと相当に走り込んでいた。永田龍司さん、平野友之さん、新沼径さん、中村修さんは、毎回ストラバの週間走行の上位に入り、ミワちゃん練、星練、リク練、西尾練など、自主練習も活発化してきている。そういうのを神野選手はSNS上でしっかりチェックしていたようだ。

つづいて、高木聖也コーチが今日のメニューを発表する。毎回、この瞬間だけは妙な緊張感が走る。一応、練習メニューに表記されているが、メニュー内容、ペースなど、チームごとに発表されるので、みんな息をのんで聞いている。

 A:400m×5 3set  400m:1-3本目80-82秒 4-5本目80秒以内
 ※400mのレストは70秒、set間のレストは4分-4分30秒
 B:400m×4 3set+200m×3  400m:1-3本目90-92秒 4本目90秒以内  200m:40秒
 ※400mのレストは70秒、set間のレストは3分  
 C:400m×5 2set+200m×5  400m:100-104秒
 ※400mのレストは70秒、set間のレストは4分45秒

高木コーチが、練習メニューの意図を説明する。インターバルトレーニングの目的はVO2 MAX(最大酸素摂取量)の向上が目的だ。VO2 MAX とは1分間当たりに体内に取り込める酸素量の最大値で、この数値が大きければ大きい程、走る能力が高くなる。VO2 MAXを鍛えると体内に取り入れる事ができる酸素量が増え、より速く、より長く走り続ける事ができる。「蒸し暑いので、最初は設定タイムを意識して、後半、余裕がある人は上げてください。」高木コーチからメニューの留意点について説明後、練習ポイントに移動。動的ストレッチをして、アップをした後、トレーニングがスタートした。

Aチームは、高木コーチが引っ張る中、永田さんがぶっ飛ばしている。メンバー間の競争意識が高いAチームだが、2期目メンバーとして今回、R.R.C.に入った島田和幸さんは北海道マラソンの疲れを見せずに走っていた。

島田さんは、中学では陸上部で長距離を走り、高校と大学ではオリエンテーリングをしていた。山の中のポイントを指定された順序で通過し、タイムを争うもので、高校や大学ではそれがレースになるという。ランニングは社会人になって始め、一時期離れたが7-8年前のかすみがうらマラソンに出場し、土砂降りの中で5時間30分かかった。「これは恥ずかしいし、嫌だなって思ってランニングクラブに入って練習するようになり、2017年の横浜マラソンでサブ3を達成しました。それ以降、バイクの転倒で怪我をして走れなくなったり、レースに出てもリタイヤすることが増えて。走れなくても遅くても、フルを走り切ったことを頭にインプットしないと初心に戻れないと思いました」。島田さんは長野マラソンで完走し、北海道マラソンでは3時間6分37秒で走り、コースベストを出した。初心に戻れた今、11月の岡山マラソンで、5年ぶりのサブ3達成を目指している。

島田和幸さん

Cチームは、タムケンが担当した。サブ4を目指すチームだが、このチームは一番実力差が大きく、ついていく選手、離れる選手が出てくる。それでも食らい付いて走るメンバーの姿に、タムケンは「苦しいけど、ついていくのを繰り返せばもっと走れるようになるので、我慢ですね。」という。

2期目からメンバー入りした中丸勘太郎さんは、2011年、義父に誘われて那覇マラソンに出場。ほとんど練習せずに出走したため、平和記念公園で時間切れになり、悔しい思いをしたが、翌年、再度トライして完走を果たした。もともと運動好きで、マラソンはひとりでもできる気軽さに魅かれ、それ以降、年に1‐2本、通算で10回以上レースに参加した。自己ベストは4時間13分、今年の東京マラソンでマークした。13分の壁を破り、サブ4を達成すべく、職場の先輩の新沼径さんに誘われてR.R.C.に入った。中丸さんは、自ら走るだけではなく、2年前からブラインドランナーの伴走もしている。2020年のかすみがうらマラソンの伴走ボランティアに応募し、今も月1回、練習を継続している。「自分が走ることで家族にも迷惑をかけているので、誰かのためになるようなことをしたいなと思って」。秋は千葉アクアラインマラソンに新沼さんと出走予定。「そこでサブ4を達成して、その次の那覇マラソンに繋げたいです。」と語る。

中丸勘太郎さん

美能友恵さんは、ランニングは未経験だが、幼稚園の頃からクラシックバレエを始め、その後、小中高まで約15年、ダンスをつづけた。高校時代は、ミュージカルの「マンマミーア」「ウエストサイドストーリー」などブロードウェイのコピーをしていた。「2時間、歌って踊っていたので、体幹とか柔軟性、体力はあると思います。」と笑うが、今でも余興があれば演じることも可能だという。走ることは、子供の頃から好きで中学の時は陸上部に入ろうとしたが部がなく、諦めた。これまでチームなどに入って走る機会がなかったが有本周翔さんに誘われて、R.R.C.に参加した。「ランニングは精神力をたもって走らないといけないので、ダンスと違う魅力を感じています。8月から5キロとか走り始めてタイムも1日ごとに伸ばせています。継続的に走っていければ行けるんじゃないかと思っています」。12月のビヨンドで、サブ4達成が目標だ。

美能友恵さん

渡辺恵三子さんが走り始めたのは、2020年、ダイエットがきっかけだった。当初は、ジム内のトレッドミルでランニングをしていた。だが、コロナで行く機会が少なくなり、外を走ったらすごく楽しく感じられた。それ以降、外でランニングを続けている。「長い距離はきついですね。」と語るが、中高時代は100mの短距離の選手であり、陸上経験者。体を動かすのが好きで、友人の星綾子さんの誘いもあって、R.R.C.に入った。入る前、こそっと練習会を見学しに来ていたそうで、「みんなで走るということがなかったですし、部活みたいで楽しそう!」と思ったという。現在、自営でエステをしており、土日は予約のお客さんが多いこともあり、なかなか自主練とかに参加できない。「秋のレースもほとんどが土日なので、参加するのが難しいですね。今は平日の空いている時間を利用して走っています。練習量が少ないので、毎回、練習会についていけるか、プレッシャーです!」と語る。まずは、長い距離を走れる足作りからスタートしていく。

渡辺恵三子さん

神野選手は、アフリカ戻りで大事をとって故障組に入って補強トレーニング。「かなりきっちりやったので、明日、筋肉痛になると思います。」とのことで、故障組にとっては走りではないところでもいい学びになったことだろう。まだ、蒸し暑さが残り、メンバーはウエアを汗で濡らしながらそれぞれメニューをこなした。練習後には、神野選手からのケニア産のブレスレットをひとりひとり受け取り、帰りにはすでに手首につけているメンバーもいた。こういう何気ない土産が実はとてもうれしかったりする。

次の練習会は、9月末になるが、その前に富士見合宿が開催される。合宿では、どんなメニューが行なわれ、どんな感じで進行しているのか。次回は、富士見合宿について、その詳細をレポートする。

第2クールR.R.C.メンバー

Team A

Team B

Team C

Team R.R.C.

施設協力:ラフィネ ランニングスタイル Otemachi One
営業時間
平日 7:00~22:00(最終受付21:00)
土日祝日 7:00~20:00(最終受付19:00)
TEL.03-6269-9097
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Shun Sato
佐藤 俊
北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て93年にフリーランスに転向。現在はサッカーを中心に陸上(駅伝)、卓球など様々なスポーツや伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「駅伝王者青学 光と影」(主婦と生活社)など多数。
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