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スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
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COLUMN

“挑戦”をサポートする、RETO Running Club powered by Runners Pulse 第6回活動レポート。

2022.07.31
YoshiJosefToomuch

RETO Running Club(以下、R.R.C.)の第1クールラストとなる第6回目の練習会が行われた。隔週での練習日が設定され、月2回、6月には富士見合宿、さらに3回のオンライン講座も開催され、実践と座学の両方でランニングの総合力を高めてきた。今回のメインは1500mのタイムトライアル。初回に1500mTTを行い、各自タイムを取っているので、比較することで3ヵ月やってきた成果を確かめることになる。それぞれ、どのくらいタイムを伸ばせるだろうか。

田村健人コーチが考えてきたアップと動き作りでスタートし、その後、ABC各チームに分かれて二重橋のコースを3周回って、いざタイムトライアルに入った。

まずはAチームからだ。1500mのペーサーの設定タイムは、5分。キロ3分20秒ペースだ。スタートし、400mを先頭集団で来たのは、溝口和也さん、片山絵さん、唐津孝二さん、野崎稔雄さん、町田祐磨さんたちだ。

唐津さんがランニングを始めたのは、仙台への転勤がキッカケだった。6年前、ひとりで何かできる趣味を考え、松島ハーフマラソンに出場した。思った以上に坂がきつく、つらくて、「もう二度と走るものか!」と思ったが、時間が経過すると、また走りたくなった。初フルは、2017年の東北復興マラソンで、3時間30分40秒で走り切った。レースの3ヵ月前から走り始め、それでこの記録はなかなかなものだが、実は中高時代、陸上経験者。だが、種目は幅跳びだ。長距離への応用はあまりないが、ポテンシャルは十分にあったのだ。その後、金哲彦さんの本を読み、練習メニューを参考にして、トレーニングを組み立てた。今年の東京マラソンにサブ3を目指して出走したが、ネットタイムで3時間24秒だった。レース後、「あと少しで・・・もう愕然としました。何がダメだったのかを考えると前腿だけ疲労して、お尻とか全然疲れていないのです。それで今フォームを修正しています。」とのこと。まず、北海道マラソンで足を慣らし、金沢マラソンでサブ3を狙う。

唐津孝二さん

野崎さんは、2017年の静岡マラソンで2時間56分35秒をマークしているサブ3ランナーだ。だが、目標をひとつ達成したことでモチベーションが下がり、コロナの影響でさらにロードから遠ざかってしまった。「走らなくなって体が重く感じるし、このままやめるのはもったいないという気持ちもありました。もう1回、復活しようと走り始めた矢先、神野選手のチーム発足を知って、妻と二人で申し込んだのです!」。最初はスピード練習の設定タイムに戸惑い、こんなペースで走れるのかなと思った。だが、この日の1500mTTでは3ヵ月前の5分13秒から4分56秒にタイムを上げ、スピードがついていることを証明した。「まだ、スピード持久力が足りていないので、これからはそこかなと思っています。」と課題にも取り組んでいく。レースは来年2月の愛媛マラソンにアスリートエントリー枠で出場可能なので、出走を考えている。ちなみに夫婦で走っているメリットは、お互いに応援しあえるし、一緒にレースに参加できることだという。

野崎稔雄さん

800mを越えても、溝口さんたちがトップ集団を形成する。全体の糸が解けていくように縦に流れてく。ここからが踏ん張りどころになるのだが、蒸し暑さが走りにどう影響してくるのだろうか。

高橋順一さんは、粘って走っていた。スピード系は少し苦手、ロング走は得意だということだが、3ヵ月前よりも8秒タイムを縮めた。ランニングを始めたのは、2015年だ。金哲彦さんのランニング教室を兼ねた館山若潮マラソンに「面白そうだから。」と思って参加し、いきなりサブ4(3時間45分23秒)を達成した。その時は、「きつくて二度と走らない。」と思ったが、時間の経過とともに走りたい気持ちが盛り上がり、本格的に走り始めた。マラソンにハマった動機は、もうひとつある。高橋さんは走る前、79キロあり、メタボ体質だった。走ることで徐々に体重を落としていき、それに比例するようにタイムがよくなった。現在は、60キロまで体重が落ちた。3年前の東京マラソンで3時間4分18秒を出し、2020年大会にサブ3を達成しようと考えていたが中止になり、仕事もコロナ関係のために急速に忙しくなった。激務で一時は月間100キロも走れなくなったが、最近ようやく300~400キロまで戻してきた。秋からは、金沢、神戸、別府大分、東京に出走予定だ。「ビヨンドはチームの皆さんも出られると聞いているので、初サブ3はそこで狙っています!」。

高橋順一さん

この日、残念ながら仕事などで参加できなかったAチームのランナーが2名いる。

小倉昌さんは、フルマラソン未経験だが、スピードはチームでトップクラス。それもそのはずで中高時代は100m、200mの短距離中心の陸上選手だった。その後、陸上自衛隊に入り、長い距離を走るようになった。退職後、6年前から中学生をメインに長距離などのコーチをするようになった。2019年に山形県南陽市のハーフに出て、1時間26分を出した。その後、コロナでレースがなくなったが、月間で500~600キロを走り、練習を重ねた。だが、長い距離に慣れるのは簡単ではないようだ。「短距離をしていたせいか、走っているとスピードが出てしまい、抑えられないのです。それで疲れてしまって、走れなくなってしまうのですが、持久系が課題ですね。」と語る。秋は、10月にハーフを1本、11月に神野選手がゲストランナーの富山県となみ庄川散居村縦断マラソンのハーフを予定している。年末にビヨンドに出て、来年の東京マラソンでサブ3達成を狙う。「息子に走れるんだっていうのを見せたい。それがモチベーションになっていますね。陸上経験者としても走ってやるという気持ちがあります!」。家族のサポートを受けて、サブ3達成を目指していく。

小倉昌さん

海野敬太郎さんがランニングを始めたのは、ダイエットがキッカケだった。もともと55キロくらいだったが、不規則な生活の影響で72キロまで増えた。「このままじゃマズい!」と思い、週2、3回、20キロを歩き、1年かけて体重を元に戻した。その時、横浜みなとみらいを歩いていたが、走っている人によく抜かされた。スポーツの経験も陸上経験もないが、走ってみたいと思うようになり、1キロ、2キロと距離を増やしていき、1年後神奈川マラソンのハーフに出場した。その後、金哲彦さんの「マラソンレース必勝法」「マラソンン100日」「マラソンメンタル強化」を3種の神器にして練習を重ね、昨年、金沢マラソンでサブ3.5を達成、最終的に3時間18分35秒までタイムを伸ばした。海野さんは、非常に丁寧に練習データを取り、分析し、レースに活かしている。「半分オタク」と笑うが、そういう熱心さがタイムを確実に上げてきている要因のひとつだろう。「練習で心掛けていることは、タレない、最後にペースを上げて終えることです。最後タレてしまうと実際のレースで歩いたり、足がつったり、我慢ができなくなるので。」と、その練習をつづけ、12月に青島太平洋マラソンで、まずはサブ3.15をクリアし、来年にサブ3達成を考えている。

海野敬太郎さん

ラストの直線、Aチームの選手たちが見えてきた。溝口さんが4分42秒でトップフィニッシュ。つづいて片山さんが43秒、野崎さん、唐津さん、町田さん、小坂さんがつづいて4分台だった。3ヵ月前から大幅にタイムを伸ばしたのは、熊田慶司さんだった。

熊田さんは、5分40秒から5分03秒と、37秒もタイムを縮めた。Aチームで最もタイムを伸ばした熊田さんは、2010年からトレイルランニングを始め、100マイル(160キロ)を4回も走っている猛者だ。マラソンを始めたのは、2015年、横浜マラソンでは3時間18分で駆けた。その後、トレイルが軸になっていたが、今年の東京マラソンに出場、3時間28分で前のタイムに届かなかった。「それが悔しかったんです。トレイルで100マイルは普通に完走できるので、次の目標として、マラソンでサブ3を出したいですね。難しいですが、50歳越えて出せたらすごいなと思いますし、挑戦したいのです!」。だが、マラソンにはトレランにはない独特のつらさがあるという。「トレイルは場所によって走りを考えるのですが、マラソンは3時間以上もずっと同じ走りをコントロールして、とにかく我慢じゃないですか。アスファルトの衝撃が体に与える影響も大きく、本当にきついです。」という。それでもなおサブ3を目指す。11月までは信越五岳110kなどトレイルがメインだが、12月に青島太平洋マラソンに出走する予定。スピード強化の成果がレースで発揮できれば意外と早く3時間の壁を突破するに違いない。

熊田慶司さん

Aチームでトップの4分42秒をマークした溝口和也さんは、2年半前、娘さんが生まれたことがキッカケで走り始めた。仕事柄、会社泊まりがあり、その間、家族は3キロ離れた妻の実家で過ごす。仕事から戻った後、走って実家に行き、食事して車で帰ってくるために走り始めた。その流れでランニングを始め、職場の仲間に誘われて走っているうちにハマった。初フルはユーチューバーのたむじょーのレースで、3時間30分45秒だった。だが、悔しさが残るレースになった。「レース前にコロナになって、3週間家から出られず練習ができなくて、それまでいい感じで練習を積んできたので悔しかったです。」と語る。溝口さんがサブ3を目指すのは、もうひとつ理由がある。「職場で同じ頃に走り始めた仲間が4月のかすみがうらマラソンでサブ3を達成したのです。すごいと思ったし、次は自分がという気持ちになりました。あと、今、家族が応援してくれているので、なんとか早くサブ3を達成したいですね。」と言う。スピードがあることは1500mTTで証明した。年末のビヨンド、1発で3時間を切れるか、溝口さんにとって大きな挑戦になる。

溝口和也さん

レース後、各チームのトップ、そして、一番タイムを縮めたメンバーの名前が告げられ、RETOソックスが贈られた。Bチームのトップは平川淳一さん、Aチームで走る強さを見せた。最もタイムを縮めたのは有本周翔さんで5分49秒から5分13秒と36秒の短縮だった。かなり痩せて、スピードが上がってきたようだ。Cチームのトップは新沼径さん、練習量はチームで1‐2位を争うほどで確実に強くになってきている。最もタイムを縮めたのは、小渕美和さんと吉岡美帆さん。小渕さんは7分50秒から6分25秒で、なんと1分25秒もタイムを縮め、4月末から走り始めたとは思えない驚異的な伸びを見せた。吉岡さんは、7分36秒から6分34秒と、こちらも1分02秒の大幅な短縮だ。他のメンバーも軒並み自己ベストを更新しており、涼しい季節になってトライすれば、もっとタイムが上がるだろう。練習メニューと個々の頑張りが結びつき、素晴らしい結果が出たことは、チームにとってもメンバーにとって大きな収穫になった。

次回、高木聖也コーチは神野大地選手がトレーニングしているアフリカに3週間行くことになり、第2クールのスタートは不在となる。新たなメンバーが加わる予定だが、どんな面子になるのか。また、もう間もなく、チームウエアも完成予定だ。そして、秋のレースシーズン、メンバーがどんな成績をおさめていくのか。R.R.C.の今後の展開が楽しみだ。

Team A

Team B

Team C

Team R.R.C.

施設協力:ラフィネ ランニングスタイル Otemachi One
営業時間
平日 7:00~22:00(最終受付21:00)
土日祝日 7:00~20:00(最終受付19:00)
TEL.03-6269-9097
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Shun Sato
佐藤 俊
北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て93年にフリーランスに転向。現在はサッカーを中心に陸上(駅伝)、卓球など様々なスポーツや伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「駅伝王者青学 光と影」(主婦と生活社)など多数。
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