KEEN<キーン>の新作トレイルランニングシューズ 「SEEK」を試してみた!
『ランナーズ・パルス』副編集長・榎本一生によるウェアリングインプレッション企画「走ればわかるさ! トレイル編」。今回取り上げるのは、アメリカ・ポートランド発のアウトドア・フットウェアブランドKEEN<キーン>が手掛けた新作トレイルランニングシューズ「SEEK(シーク)」。ブランドの持つアウトドアDNAとランニングの楽しさがどう融合しているのか、実際にフィールドで試してみた。
キーンらしさが詰まった意欲作。
<キーン>と聞けば、多くの人はキャンプやフェスで愛用されるリラックスサンダルや、街履き用のカジュアルスニーカーを思い浮かべるかもしれない。しかし、その歴史を振り返ると、<キーン>は水辺のアクティビティでつま先を守るスポーツサンダルからスタートし、その後ウォーターシューズやハイキングシューズなど、海や山を舞台に活躍するフットウェアを数多く世に送り出してきた、アウトドアの老舗ブランドである。
そんな<キーン>が2025年7月にリリースしたのが、トレイルランニングシューズ「シーク」だ。ブランドの強みである耐久性や快適性をベースに、「もっと自然のなかを、自由に走りたい」というランナーの思いをかたちにすべく、約2年をかけて開発。ランナーやテスターの声を反映しながら、細部まで緻密につくり込まれている。
まず目に入るのは、スタイリッシュで洗練されたフォルムと、色彩の美しさ。街でも違和感なく履けるデザイン性は、まさに<キーン>の真髄といえる。ミッドソールには高反発と柔らかなクッション性を兼ね備えた「QuantumFoamX」を採用。長時間のランニングでも脚への負担を軽減し、走り終えた後の疲労感を抑える。
アッパーはシュータンと一体化した構造で、足全体を優しく包み込みつつ、走行中のブレを抑える。さらに、小石や砂の侵入を防ぐことで、トレイル特有の小さなストレスを減らし、走りに集中できる環境をつくる。
アウトソールには、高耐久の「KEEN.ALL-TERRAINラバー」を採用。4mmラグパターンが土や岩、湿った路面でもしっかりと路面を捉え、安定感のある走りをサポートする。
「もっと速く」よりも「もっと楽しく」。
いざフィールドへ。今回のテストは、林道から始まり、緩やかな上りと木の根が張るシングルトラック、そして下りのガレ場という、バリエーション豊かなコースを選んだ。
最初の一歩を踏み出して感じたのは、アッパーの包み込むようなフィット感。シューズと足が一体になったかのような安定感があり、左右のブレが少ない。そのおかげで、足元の不安が減り、自然と視線が前方に向かう。走りながらでも安心して景色を楽しめるというわけだ。
次に印象的だったのは、ミッドソールの感触。QuantumFoamXは着地時に柔らかく衝撃を吸収しつつ、蹴り出しではしっかりと反発を返してくれる。上りでは軽く背中を押されるような推進力を感じ、下りでは脚への衝撃を和らげてくれる。
アウトソールのグリップも心強い。湿った落ち葉や小石の多い斜面でも、ラグが路面をしっかり捉え、滑る気配はない。とくに4mmのラグは食いつきと転がりのバランスがよく、走りのリズムを崩さない。
総じて、スピードを追求した軽量レーシングシューズのような尖った性能はないものの、そのぶん、どんな路面やペースでも安心して使える懐の深さがあると感じた。
「もっと速く」よりも「もっと楽しく」。その方向性こそ、このシューズの真骨頂。トレイル初心者が初めて履く一足としても、休日に自然を満喫するための相棒としても、心地よい時間を提供してくれる。履けばきっと、走り続けたくなる――それこそが「シーク」の魅力。ファンラン志向のランナーもぜひ試してみてほしい。
KEEN SEEK
価格:26,400円(税込)
INFORMATION
KEEN JAPAN
www.keenfootwear.jp