ブランドを代表する定番モデルとして、世界中のランナーから長く愛されてきた「BONDI（ボンダイ）」が、最大級のクッショニングはそのままにカーボンプレートを搭載し、「BONDI X（ボンダイ エックス）」として遂に今秋デビュー。果たして、そのライド感や如何に。編集長の南井正弘が、注目の最新作をレビューする。

“LEVEL UP FOR ALL”＝すべてのランナーのレベルアップのために。
ランナーのさまざまな目標達成をサポートする、「BONDI X」。

「BONDI」シリーズと言えば、そのボリューミーなルックスと軽量性で長く支持されてきたブランドのアイコン的モデルだが、そんな名作シューズが、“LEVEL UP FOR ALL”をテーマに掲げて進化。

今作「BONDI X」は、タイムを速くする、目標の距離を走るなど、ランナーのさまざまな目標達成をサポートするシューズとして、ボンダイシリーズの高いクッション性はそのままに、推進力のあるカーボンファイバープレートを搭載。スムーズな足運びを可能にし、ソフトでバランスのとれた履き心地を提供してくれる。また、安定感のあるソールで、スピードを求めるエリートだけでなく、ランニングのレベルを問わずに履くことができるカーボンプレート搭載モデルに仕上がっている。

長距離走行のためにクッション性を最大限に高めた革新的なロードシューズ。「CARBON X 2」や「ROCKET X」など、他のカーボンプレート搭載モデルを体験したことのあるランナーもぜひ試してみてほしい。

カーボンファイバープレートがスムーズな足運びを実現し、コンプレッションEVAミッドソールが優れたクッション性を提供する。

軽量化のため、必要な部分にのみラバーを配置したアウトソール。それでいてグリップ力が落ちることはない。

3Dホットメルト糸を使用した通気性の高いメッシュアッパー。

南井正弘編集長が「BONDI X」をレビュー。

弊誌でお馴染みのウエアリングインプレッション「走ればわかるさ」。編集長の南井正弘が、ボンダイ エックスを実際に履いて走って、その履き心地をレビューする。

ホカ オネオネのボンダイは、同ブランドのラインアップにおける最も衝撃吸収性能に優れたマキシマムクッショニングのオンロード向けシューズ。現在は第7弾となるボンダイ 7が展開されているが、これまでにいくつかの同シリーズのプロダクトを履いてきた。今回トライすることとなったボンダイ エックスはボンダイの系譜にあるが、ミッドソールにカーボンファイバープレートを内蔵するなど、ベースとなるボンダイシリーズの高いクッショニングはそのままに、ソフトでバランスのとれた履き心地を追求している。

実際に履いてみると、マシュマロクッショニングと形容される同ブランド独自の比類なきクッション感は保持しているものの、立っている状態ではオリジナルのボンダイと同じレベルのフワフワとした感覚はない。走り始めると、着地時の安定性を特に感じられ、ホカ オネオネ独自のメタロッカー構造によるゆりかごのような転がる感覚を確保しており、着地から蹴りだしまでをしっかりとサポートしてくれる。とても快適な走り心地で、「このシューズだったらいつまでも走っていられるなぁ…」と思えるくらい。この日は、アスファルトやコンクリートといった舗装路以外に公園の土の路面でも走ったが、ボンダイ エックスのアウトソールは十分なグリップ性能を発揮してくれた。

これまでボンダイで走るときに自分にとって最もピッタリだと思えたペースはKm／6分20秒ほどであったが、今回のボンダイ エックスの場合、そのペースはKm／5分50秒ほど。このあたりは新たに採用されたカーボンファイバープレートが着地安定性だけでなく、推進力向上にも貢献していることが理解できた。そしてボンダイ エックスがオリジナルのボンダイとの違いを感じさせたのが、ある程度のペースでカーブを曲がるときの安心感。従来のボンダイも見た目とは異なり高い安定性を保持しているが、どうしてもその極厚ミッドソールの構造からスピードを緩めてしまう傾向にあった。このボンダイ エックスの場合、それほど減速せずにコーナーに進入できたのだ。ボンダイ エックスはある程度重量を有するシューズなので、極端に速いペースでの走行には向いていないと思うが、L.S.D.などのゆっくりしたペースだけでなく、様々なランニングトレーニングに活用できる1足だと思った。（南井正弘）

BONDI X
White/Evening Primrose
30,800円（税込）
（Men’s）25.0cm～30.0cm、（Women’s）22.0cm～25.0cm

INFORMATION
デッカーズジャパン
0120-710-844
www.hoka.com/jp