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スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
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SPECIAL

グローバルで注目を集めるホカ オネオネの話題のニューモデルを徹底検証

2019.07.31
Daiki Suzuki, Kazumasa Takeuchi(STUH)
Masahiro Minai, Shin Kawase

5月にカリフォルニア州フォルサムで開催されたランニングイベント「プロジェクト カーボンエックス」で50マイルランニング(約80.5km)の世界記録が樹立された。その時にジム・ウォームズレイ選手が着用していたのがホカ オネオネの最新ランニングシューズ、カーボン エックス。

ファンランナー向けのイメージが強かったホカ オネオネが本格的なアスリート向けのシューズを開発したのだ。この記録は世界中のランナーとランニング関係者に衝撃を与え、ホカ オネオネの第2ステージの幕開けを予感させた。我々編集部は、この歴史的瞬間を目の当たりし、興奮冷めやらぬ間にホカ オネオネ本社があるサンタバーバラに飛んだ。

ホカ オネオネ
キーマン二人に聞く、現在と未来。

あくまでパフォーマンスブランドとして第一に機能性を強化していきます(リー・コックス)

「ボンダイ、クリフトンを始めとしたホカ オネオネのロードランニングモデルは、その機能性の高さが評価されて、ボストンマラソン、ニューヨークシティマラソン、ベルリンマラソンといった著名なロードレースでも着用率が急速に上昇しています。いつかはこういったメジャーなランニングイベントをスポンサーできるようになりたいですね。現在は、トライアスロンの最高峰イベントのひとつである、ハワイ島で行われるアイアンマン コナ、カリフォルニア州のモントレーで行われるビッグ サー インターナショナルマラソンといったイベントをサポートしていますが、これらは参加者からの評判もよいので、今後も継続していくつもりです。

来年は東京オリンピックが行われますが、現在、ホカ オネオネを着用したランナーが各国の予選を勝ち抜いて檜舞台に立てるよう、選手のサポートに全力を注いでいます。私たちのブランドは、現在ワールドワイドでファッションシーンにおいても人気となっていますが、あくまでパフォーマンスブランドであり、この部分をファーストプライオリティに考えています。しかしながら使用してくれるのはエリートアスリートに限らず、一般アスリートも多いので、見た目やデザイン、カラーリングは、そういったランナーの好みを取り入れることも忘れていません。

ホカ オネオネはスポーツブランドとして、これまで通りにプロダクトの機能性向上を第一に考えていきますが、現在、エンジニアド ガーメンツとのコラボレーションが好評なように、スタイリッシュな製品展開も並行して行っていきます。また、ホカ オネオネ以外にテバやアグを展開するデッカーズでは、サステナビリティ(持続可能)を重要視していて、リサイクルマテリアルの使用比率を拡大することなどによって、ユーザーの満足度を高めるのと同時に地球環境の保護にも考慮しています。ホカ オネオネもこの流れをフォローしていくようになるでしょう。今後のホカ オネオネの展開にご期待ください。」

リー・コックス
ホカ オネオネ グローバルマーケティング・セールス担当副社長

我々が新たに開発したカーボン エックスは、ホカ オネオネが誇る最新テクノロジーを一足に結集したプロダクトです(マシュー・ヘッド)

「ソールユニットに内蔵されたカーボンファイバープレート、進化したメタロッカー構造が、従来にないレベルの推進力を提供してくれます。メタロッカー構造は、そのゆりかご状の形状によって着地から蹴り出しまでのスムーズな動きを実現してきましたが、カーボンファイバープレートをアウトソール寄りに配置することで、これまで以上に足の動きとしっかりと連動するようになり、推進力を増すことを可能にしました。

また、このカーボンファイバープレートを搭載することで、これまでのホカ オネオネのシューズよりもメタロッカー構造の形状を、長くキープすることができる効果もあります。カーボン エックスは、100kmマラソンと50マイルの世界記録を目指した『プロジェクト カーボンエックス』において、すべてのランナーが着用したように、トップアスリートに対応するプロダクトですが、エリートだけでなく、フルマラソンでいえばサブ3.5、サブ4レベルのランナーでも履きこなすことが可能で、幅広い層のランナーが、自身の持っているパフォーマンスを最大限発揮できるシューズとして開発しました。

カーボン エックスに採用されている、スピードとクッションを両立する“PROFLY™X”(プロフライ X)を用いたソールユニットは耐久性もキープしており、カーボン エックスを履いて長距離練習で走り込んで、レースに出走しても問題ありません。またEVO カーボンロケットとの違いを聞かれますが、前述のように、カーボン エックスが全く新しい機能を一足に結集して、フルマラソン以上の距離を走るのに向くのに対し、EVO カーボンロケットのほうは既存のホカ オネオネのテクノロジーを応用し、フルマラソン以下の5kmや10km、ハーフマラソンのような距離に適しているというように、それぞれ異なったコンセプトで開発されています。」

マシュー・ヘッド
ホカ オネオネ デザイン ディレクター

 

ランニングイベント
プロジェクト カーボンエックス

カーボン エックスを履いたランナーが100kmマラソンの記録更新を目指したランニングイベント、「プロジェクト カーボンエックス」を振り返る。

カリフォルニア州の州都サクラメント郊外の街フォルサム。この湖畔のリゾート地で、現地時間5月4日(土)に行われたのが、100kmマラソンの世界記録に挑戦するイベント「プロジェクト カーボンエックス」だ。参加ランナー全員がカーボン エックスを履き、それぞれのランナーに専属のペースメーカー(カーボン エックス着用)が並走することで、記録達成をサポートする。

結果は、100kmマラソン世界選手権王者である日本の山内英昭選手が6時間19分54秒で制し、2018年に「ウェスタンステーツ エンデュランスラン」と「ソノマ湖50マイル」の両方でコース記録を樹立し、3年連続で「ウルトラ ランニング マガジン」が選ぶ「ウルトラランナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したジム・ウォームズレイ選手(アメリカ)が、4時間50分08秒の50マイル通過タイムの世界記録を更新した。

最終的に気温が30℃ほどまで上昇したために、100kmの世界記録こそマークされなかったが、山内英昭選手が自己記録に1分32秒遅れるだけの好記録をマーク。2位のパトリック・レーガン選手も6時間33分50秒でゴールし、自己記録を更新するなど、参加した選手すべてがそのパフォーマンス性能の高さを証明することに成功した。

参加ランナーに聞いたホカ オネオネ カーボン エックスの魅力とは?

山内英昭選手
これまでウルトラマラソンで履いていたシューズは、薄手で固い履き心地でしたので、それと比較するとフワフワしたクッション性を感じることができました。脚の保護性が高いので、ゴールした後の脚部の痛みは従来よりも明らかに少なかったです。また着地安定性、推進力も高いシューズですね。

髙田由基選手
カーボン エックスは、高い推進力を感じられるシューズで、特に上りでアシストしてくれることを感じました。今回のコースでは、かなり傾斜のある坂もあったので、本当に助かりましたね。レース翌日の疲労感が、これまでになく少ないことに驚きました。

兼松藍子選手
足を入れたときから履き心地のよさは感じていましたが、30km過ぎの周回コースに入ってからより一層足に馴染んできて、さらに走りやすくなりました。今回は熱中症のためにリタイアしましたが、レース後にラップを確認してみると、あまり落ちていない。シューズのおかげで脚力は残っていたようです。

左から、山内英昭選手、髙田由基選手、兼松藍子選手

 

「走ればわかるさ!」
最新3モデルのランニングインプレッション

恒例となったホカ オネオネの最新モデルを実際に履いて走ってレビューするランニングインプレッション。日本で誰よりもホカ オネオネに詳しい本誌編集長・南井正弘が今季を代表する3モデルのポテンシャルを検証した。

Impression | CARBON X

カーボン エックスは、ホカ オネオネの最新テクノロジーを一足に結集したプロダクトで、フルマラソンや、それ以上の距離のウルトラマラソンを走るランナーに最適なオンロードモデル。実際に足を入れてみると、一層のエンジニアードメッシュアッパーは柔軟で足を優しく包んでくれ、アウトソールに硬いソリッドラバーを一切使っていないので、立っている状態でも接地感はソフト。ソールユニット内部にカーボンファイバープレートを配しているので、安定感も高い。

実際に走り始めると、ホカ オネオネ独自のメタロッカーによる推進力を従来のモデルよりも感じられる。着地から蹴り出しまでの動きが、これまで以上にスムーズだ。そしてEVOカーボンロケットだと、知らず知らずにペースがアップしてしまったのとは対照的に、このカーボン エックスでは、無理をしなくても自分の脚力でKm/5分23秒~5分25秒をキープしてくれたように、スピードのコントロールがかなりしやすいシューズだと思った。これは2度目、3度目の6kmランでも同様であり、ここまで走りの効率がよいシューズは、なかなか存在しない。

途中公園の土の道も走ったが、そこまで滑るということはなかったものの、アウトソールに関しては、アスファルトやコンクリートといったオンロードで最高のグリップ性を発揮するパターンが刻まれている。着地に関しては、ヒール、フラット、フォアフットのいずれにも対応してくれるのもありがたい。昨今は極端に走行寿命の短いランニングシューズも存在するが、このモデルに使用されたスピードとクッションを両立する“PROFLY™X”(プロフライ X)テクノロジーのミッドソールは、一般的なホカ オネオネのミッドソールと同等の寿命はキープしているというので、その点もありがたい。

MEN’S
WOMEN’S

White / Red

White / Dresden Blue

CARBON X
価格:24,000円(税別)
「プロジェクト カーボンエックス」でジム・ウォームズレイ選手が50マイルランニングの世界記録を樹立したカーボン エックス。カーボン エックスは、ソールに内蔵されたカーボンファイバープレート(特許出願中)と進化したメタロッカー構造により、これまでにない新しい推進力を生み出す、ホカ オネオネのロードランニングシューズの最高峰モデル。あらゆるレベルのアスリートをサポートする機能を兼ね備え、どんな距離でも自己ベストに挑戦できる一足となっている。

 

Impression | RINCON

リンコンは新たにリリースされたオンロードモデルであり、そのボリューミーなシルエットからは想像できない軽量性を実現した一足。ちなみにリンコンというモデル名はカリフォルニアの有名なサーフスポットから命名されたという。足を入れてみると、計測はしていないものの、筆者の履くサイズ8(26.0㎝)だと「200グラムを切っているのでは?」と思えるほどに軽く感じる。サンプルサイズで7.5オンス(約213グラム)という情報もあるが、いずれにしろ、これまでのホカ オネオネと比較してもかなり軽量なシューズであることは間違いない。

実際に走り始めると、独自のゆりかご形状のメタロッカー構造から生まれる、着地から蹴り出しまでのスムーズな動きは、走っていて楽しく、ボンダイ、クリフトンといったロングセラーと同じ系譜にある。それに抜群のライトウェイトをミックスすることで、速いペースでの走行も可能とし、グイグイとスピードを上げられる。最終的にKm/4分15秒までペースを上げて6kmランを終了。アウトソールはラバーの使用を最小限とすることで、軽量性と屈曲性を両立し、固定式のインソールは足裏のフィット感がよく、速めのスピードで走った際もズレることはない。

これまでもEVOがモデル名の頭に付くシューズやトレーサーシリーズは、同社のラインアップでも高速走行を可能とし、これらのシューズはホカ オネオネの典型的な走り心地とは若干異なっていたが、今回リリースされるリンコンの走行感は、クリフトンやボンダイのそれの延長線上にある。メタロッカーによる着地から蹴り出しまでのスムーズな足の動きをキープしつつ、速いペースでの走行を可能としているのだ。前述の通りアウトソールのラバーの使用は最小限なので、個人的には日々のトレーニングはクリフトンやボンダイで行い、レース数日前からのランとレース本番はリンコンを履こうと思っている。

MEN’S

Barbados Cherry / Plein Air

Black / White

Oyster Mushroom / Nebulas Blue

Deep Teal / Lime Sherbet

WOMEN’S

Charcoal Gray / Aqua Sky

Black / White

Plein Air / Placid Blue

RINCON
価格:14,000円(税別)
リンコンは、ホカ オネオネの定番モデルであるボンダイ、クリフトンに継ぐロードランニングカテゴリーのニュートラルタイプの新モデル。とくかく速く走りたい人に、より滑らかな走行を実現するべく開発され、波が滑らかなサーフスポットとして世界的に有名な地名、リンコンから命名。超軽量ながら驚くほどのクッションを詰め込み、ソフトで重さを感じない走り心地を提供してくれる。非対称のアッパーデザインでシンプルな形状ながら、トレーニングはもちろん、タイムを狙うレースにも使える一足。(8月発売予定)

 

Impression | CLIFTON 6

クリフトンは、日本におけるホカ オネオネのベストセラーの一角を占めるオンロードモデル。筆者はこれまでクリフトン2からの歴代モデルを着用しており、その快適かつスムーズな走行性能に魅了されてきた。またクリフトンシリーズは、同社のラインアップでは、それほど厚さのないミッドソールを採用しているので、他ブランドのランニングシューズからの履き替えもスムーズである。

今回、そんなクリフトンシリーズの第6弾をトライすることができたのだが、まず足を入れてみて感じたのは、そのソフトなアッパー部分のフィット感。クリフトンシリーズでは第4弾となるクリフトン4の時代にアッパーに補強パーツを多数配することで、ガッチリとしたフィット感となり、そのスペックは賛否両論になった。前作のクリフトン5ではソフトなフィット感をある程度取り戻していたが、今回はさらに柔軟な足触りを感じられる。実際に走ってみると、クリフトンらしい快適かつスムーズな走行感は健在で、シューズの軽さも感じられる。数値上の重量のほうも前作より若干軽くなっているようだ。

フルモデルチェンジされたアウトソールは、ラバーの位置を変えたことで、耐久性とグリップ性の両方で改良されており、特に前足部のラバー配置は蹴りだしの際に強く蹴るように走るランナーにも対応するだろう。ミッドソールは衝撃吸収とメタロッカーによる転がりの絶妙なハーモニーが感じられ、これまで同様に様々な着地に対応してくれる。Km/6分30秒~5分30秒ほどのペースで日課の6kmランを走り終えたが、優れたトータルバランスのランニングシューズであることを理解できた。今回筆者が着用したのはブルーとイエローの大胆なコンビネーションのカラーバリエーションであったが、クリフトン6はシックなカラーリングもラインアップ予定であり、これまでのモデルと同様に、ランにライフスタイルに大活躍してくれそうだ。

MEN’S

Nebulas Blue / Lemon & WIDE

Ensign Blue / Plein Air & WIDE

Black / White & WIDE

Poppy Red / Rio Red

WOMEN’S

Plein Air / Moonlight Blue & WIDE

Poppy Red / Cactus Flower & WIDE

Black / Aqua Sky

Black / White & WIDE

CLIFTON 6
価格:17,000円(税別)
ホカ オネオネの顔ともいえる数々の業界賞を受賞したクリフトンシリーズから6代目となる最新モデルが登場。クリフトンは、ロードランニングカテゴリーのニュートラルモデルで、世界中のランナーの認識を変えたベストセラーシューズ。最高の特性を引き継ぐクリフトン 6は、柔らかさと軽さを完璧に兼ね備え、前作よりもさらに走り心地をスムーズにするための、快適なフィット性、安定性が向上し、より滑らかな走り心地を提供してくれる。

INFORMATION
デッカーズジャパン
TEL:0120-710-844
www.hokaoneone.jp

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