DESCENTEが真剣かつまじめに作ったランニングシューズコレクションが遂に登場。

DESCENTEランニングの実力と魅力を徹底検証。

その機能性の高さで、世界中のアスリートを魅了してきたDESCENTE（デサント）。特に各競技のユニフォームの分野、2012年にスタートした長年スポーツウェアの開発で培ってきたノウハウを活かしたあらゆるユーザー、シーンに対応するオルテラインといったアパレルのイメージが強いかもしれない。そんなデサントが満を持して、本格的にランニングシューズに参入するという。その技術開発力の高さは業界でも屈指なだけに、ランナーからの注目度も高い。そこで、今回のプロジェクトをリードした大辻氏に、その全貌を語ってもらった。

「ランナーが本当に必要とする機能だけを追求しました！」

デサントランニングシューズのプロジェクトリーダー、大辻俊作氏。

「デサントブランドはスポーツアパレルカテゴリーからスタートしましたが、今後総合スポーツブランドとして飛躍するためにフットウェア分野の強化が急務であるという結論に達し、今回ランニングシューズに本格参入することになりました。ちなみに韓国ではフットウェアビジネスはすでに成功しており、売り上げの20～30％を占めるまでになっていますが、日本においてはほとんど展開していなかったので、新たなチャレンジとなります。

次に『なぜランニングシューズなのか？』ということですが、少ないながらもこれまでバレーボールシューズやウォーキングシューズの展開はありましたが、ランニングはスポーツの原点であり、最も大きなマーケットサイズを有するカテゴリー。逆にいえば、いくつものブランドがしのぎを削る厳しい市場でもあるわけですが、デサントの開発力をフル活用し、他社との違いを明確にすれば、ランナーの共感を得ることができ、しっかりとシェアを確保することが可能だと判断。参入することが決定しました。

今回のランニングコレクションの大きなコンセプトとして挙げられるのは、日本のブランドとして日本人ランナーに合ったシューズを開発すること、走るための機能をあたりまえに有すること、シューズに合わすのではなく、自分の走り方や足型に合わせてシューズを選ぶこと、そして、機能をデザインし、無駄な装飾を付け加えないということであり、アッパーにブランドロゴを大きく入れていないのも、その理由からです。

今回メインで展開するのは3モデルで、共通しているのは接地感、フィット感、推進力を高いレベルで追求していることで、上位2モデルには高いグリップ性と耐久性を兼ね備えたグラフェンのアウトソールも装備しました。最上級モデルのGENTEN-EL（ゲンテン-EL）は、学生や実業団のエリートランナーにも対応するプロダクトで、カーボンプレートを内蔵しています。GENTEN-RC（ゲンテン-RC）は、フルマラソンをサブ3で走るような上級ランナーのための1足。GENTEN-ST（ゲンテン-ST）は、汎用性に優れており、上級ランナーの普段のトレーニングや、サブ4レベルのランナーのレース用としても最適なモデルです。これ以外にも、ランとカジュアルシーン兼用のモデルであるDR-MOVE（DR-ムーブ）、グローバル企画のトライアスロン向けモデル、韓国発信でグローバル展開されるシューズコレクションもありますが、ランニングカテゴリーにおいて日本で特に注力するのは、前述のようにGENTEN-EL、GENTEN-RC、GENTEN-STの3モデルとなります。

今回、特にこだわったのはフィッティングで、日本人のランナーが最高のパフォーマンスを発揮すべく、3モデルのラスト（木型）をすべて変えて、踵の収まり、土踏まずのサポート、足指部分が窮屈でないという究極のフィットを実現すべく、何度も修正を重ねました。この部分に関しては他ブランドと比較しても決して引けをとらないと思います。こうしたフィッティングの素晴らしさや高い推進力を体感してもらうために、全国各地で試履き会を行っていきます。

今回のコレクションは、デサントがこれまでに培ったモノづくりへのこだわりの精神を継承しており、注力3モデルはGENTEN（原点）とネーミングされていますが、これはランニングシューズにとって本当に必要なものは何なのか？　ということを再度見つめ直すという意味が込められています」。

大辻俊作（おおつじ・しゅんさく）
デサントジャパン株式会社フットウェア開発部部長。学生時代からバレーボールに親しみ、「スポーツを一生の仕事にしたい」と志して2002年に新卒で入社。最初は経理課に配属。以降、広報／IR、経営企画と社内スタッフ業務を担当。経営企画時に新規事業立案の中で関わった「デサント ランニングシューズ」の事業を自ら行うことになり、2018年4月に現担当となる。2019年4月時点で、デサントブランドに加えて、トレイルランブランドのイノヴェイトの国内マーケティング、各種ブランドの靴流通への販売も担当。

「走ればわかるさ！」GENTEN-ST編

Runners Pulse本誌でもおなじみの、南井正弘編集長によるランニングインプレッションコラムである「走ればわかるさ！」。今回はDESCENTE GENTEN-STの機能性の高さを最速レポート。

今回トライしたのは、コレクションで最も汎用性に優れたGENTEN-ST。上級ランナーのトレーニングから一般ランナーのレース用まで、あらゆるシーンに対応する一足だ。足を入れてみると、まず前足部のゆとりを感じ、シューレースを締めると踵から中足部のフィットの高さを感じる。ゆとりを持たせる部分とフィットさせる部分のメリハリがハッキリしているラスト（木型）を用いていることが分かる。

実際に走ってみると、まず感じるのは着地から蹴りだしまでの安定性の高さ。着地時にグラグラする感覚はないので、ビギナーランナーにも向いているだろう。上位2機種と異なり、GENTEN-STにはグラフェンアウトソールを用いていないが、アスファルトやコンクリートといった舗装路では高いグリップ性能を発揮してくれた。ゆっくりペースの際に最も感じられたのは安定性だが、ペースを上げるとしっかりと推進力も感じられる。スピードを上げるとシューズ内部で足が前方にズレることもあるが、このモデルは踵から中足部がしっかりとフィットしているので、その心配はない。ランナーの脚力をムダなく路面に伝達してくれ、効率よく走ることができるだろう。奇をてらったテクノロジーは搭載していないが、大辻氏のインタビューにもあるように、「走るための機能をあたりまえに保持する」シューズであることが、短時間の試走でも理解することができた。

デサント ランニングシューズの機能性を支える、こだわりスペックはコレだ！

フィット感
GENTEN-EL、GENTEN-RC、GENTEN-STとDR-MOVEというように、ランナーのタイプに合わせて3種類のラスト（木型）を用意。いずれのシューズも踵の収まりがよく、土踏まずをしっかりサポートし、足指部分が窮屈でないという究極のフィットを実現した。（写真はGENTEN-EL）

ミッドソール形状
接地の感覚を足裏に伝達するために、ミッドソールは薄め。そして中足部で一気にドロップがついた形状。着地時の衝撃からランナーを守りつつ、脚力を効率よく路面に伝えることができるスペックだ。

カーボンプレート
GENTEN-ELのソールユニットには軽量性と剛性に優れたカーボンプレートを配すことで、安定性を高めると同時に抜群の推進力を発揮してくれる。

グラフェンソール
GENTEN-ELとGENTEN-RCのアウトソールには、グリップ性と耐久性に優れたグラフェンを使用。軽量性を損なわないために、極限まで薄くしている。（写真はGENTEN-EL）

DESCENTE RUNNING SHOES COLLECTION FOR SPRING 2020

GENTEN-EL
学生や実業団のエリートランナー向けスピードシューズ。一般シリアスランナーのハーフマラソンまでの距離にも対応する、ランニングシューズコレクションのトップモデル。
【品　番】DR1PJF00NV
【価　格】16,000円（税別）
【サイズ】22.5cm～29.0cm
【27.0cm 片足重さ】約188g

GENTEN-RC
フルマラソンでサブ3（3時間切り）レベルのシリアスランナーのレース用、エリートランナーのトレーニング用シューズとしても最適なハイパフォーマンスモデル。
【品　番】DR1PJF01NV / BK
【価　格】14,000円（税別）
【サイズ】22.5cm～29.0cm / 30.0cm
【27.0cm 片足重さ】約200g

GENTEN-ST
安定性を重視したサブ4レベルの一般ランナーのレース用、練習用および一般シリアスランナー、エリートランナーの日々の練習用シューズとしても対応する汎用性に優れた一足。
【品　番】DR1PJF02NV / SL / OR
【価　格】12,000円（税別）
【サイズ】22.5cm～29.0cm / 30.0cm
【27.0cm 片足重さ】約224g

DR-MOVE
一般ランナーの毎日の練習用シューズ、もしくはすべてのレベルのランナーのオフシーンにも最適なスタイリッシュなランニングシューズ。リーズナブルなプライスも嬉しい。
【品　番】DR1PJF50SL / BK / RD / LV
【価　格】8,900円（税別）
【サイズ】22.5cm～29.0cm / 30.0cm
【27.0cm 片足重さ】約230g

INFORMATION
デサントジャパン株式会社
TEL：0120-46-0310
URL：https://www.descente.com/ja-jp/special/running_genten.html