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COLUMN

これまでにない斬新なランニングイベント
それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

2025.10.31
MASAHIRO MINAI, SAE MAKINO etc.
MASAHIRO MINAI

これまでにない斬新なランニングイベント
それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

2025年9月27日(土)に、大韓民国ソウル特別市のDDP(東大門デザインプラザ)にて、「SAUCONY THE MAZE SEOUL」が行われた。このイベントは、決められたコースを4人のランナーがバトンを繋ぎ、タイムを競うもの。エキサイティングかつ各国から参加したチームとの交流も楽しめた様子をレポートする。

これまでにない斬新なランニングイベント
それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

SAUCONY<サッカニー>が主催するランニングイベント「THE MAZE」は、ソウル大会が開催される以前に、フランスのパリ、インドネシアのジャカルタで行われ、地下駐車場や立体駐車場の螺旋スロープなどがコースとされたが、ソウル大会は、東大門運動場の跡地に2014年に完成した通称DDP、東大門デザインプラザが会場となった。この建物は、世界的に著名な建築家であるザハ ハディッド氏によるデザイン。彼女のデザインは日本の新国立競技場の当初案に採用されたことでも知られ、この施設は独特の球状のフォルムが印象的な建築物。施設は大型催物場の「アートホール」、韓国デザイン・トレンド発信地である「ミュージアム」、デザインビジネス拠点の「デザインラボ」、食事・買い物エリアの「デザインマーケット」で構成される。この施設内外におよそ500mのコースが設けられ、熱戦が繰り広げられた。

これまでにない斬新なランニングイベント
それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

「SAUCONY THE MAZE SEOUL」が開催されたDDP(東大門デザインプラザ)。独特の球状のフォルムが印象的で、世界的に著名な建築家であるザハ ハディッド氏によるデザインだ。

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それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

日本チームでコースを試走。メンバーは小生、1型糖尿病ながらさまざまなことにチャレンジする星南さん。ヨガインストラクター、MCなどマルチに活躍するまちょさん、陸上競技の実業団チームに所属した経験もあるファッションモデルでフォトグラファーとしても活躍する畔柳隼弥君の4名。

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それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

TEAM JAPANのメンバー。韓国語で日本はイルボンなので、自他ともに「チームイルボン」と呼んでいた。偶然なのか、畔柳君が変顔の写真が多い(笑)

これまでにない斬新なランニングイベント
それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

日本チームのモットーは“RUN FOR BEER”。満足できる走りをして、美味いビールを飲めるのか!?

これまでにない斬新なランニングイベント
それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

最低2回は走ることができ、ここを勝ち抜くとトーナメントへと進む。

今回参加したのはオーストラリア、中国、日本、タイ、台湾、インドネシア、香港の7チームがAPAC(アジア太平洋地域)から、そして地元韓国から13チームの計20チーム。1レースにつき5チームが参加し、1チームにつき最低2度はレースを走り、そのあとはトーナメント方式で優勝チームが決定する。

コースはDDPの外周と建物内部を組み合わせたコース設定。全チームを対象としたコース案内の際、建物から出る箇所、入る箇所のドアはあまり広くないから、万が一ランナーが重なった場合は譲り合うようにという指示があった。そしてコースを案内される途中で、強烈なアップダウンがあることがわかったので、日本チームは、事前にこの部分を何回も試走した。自分も日本チームの一員として参加したが、見渡してみると、20代、30代ばかりで40代も見当たらない。そんななか59歳の自分が参加するのは場違いな感じがしたものの、駅伝もそうだが、チームで走るとなると、実力以上のパフォーマンスを発揮できるのは世の常。第1組のレースを見て、そのスピードにビックリし、自分自身がスタートするまでは「肉離れしそうだなぁ…」「最後まで脚力が持つのだろうか?」とネガティブなことを考えていたが、走り始めるとアドレナリンが湧き、2レースとも無我夢中でスタートからゴールまで脚を回転させた。普段、こんな速いペースで走ることはないので、腿裏の張りなど長距離を走るときとは違った部分に筋肉のダメージがあったが、前日の「距離は700mらしい!?」という情報よりも短い約500mだったのは、自分だけではなく参加メンバーの全員がほっとした。もし200m長かったのなら、最後まであのペースをキープするのは不可能だったと思う。

これまでにない斬新なランニングイベント
それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

コースで最も難所だと思われる急坂を上る筆者。ここまで速いペースで走ったのは何年ぶりだろうか?

それにしても、バトンを受け取るとき、バトンを渡すときのテンションの上がり具合は相当なもので、ここまでアドレナリンが沸き上がるのは本当に久しぶりの経験だった。これは自分だけでなく、星南さん、まちょさん、畔柳君も同じだったようで、この「THE MAZE」は近い将来に日本での開催も模索しており、日本チームのメンバーの全員が機会があればまた走りたいと口を揃えた。

我々日本チームは、最終的に20チーム中ベスト5に入るなど健闘したが、今回優勝したのはオーストラリアチーム。12月にパリで開催される「Saucony Eiffel Tower 10K」への出場権を獲得した。チームリーダーのケントは、日本の血も引き日本語ペラペラのサブ2.5ランナーで、今年のゴールドコーストマラソンも2時間29分08秒でゴールしている。前日の夕食時から彼とはいろいろと話し、情報交換できたように、ただ走るだけでなく、ビフォーアフターで他チームと交流できたこともこのイベントの素晴らしいところ。

他チームとの交流ということでいえば、香港チームも忘れられない。香港チームは4人全員が女性のメンバー構成ながら、好タイムを記録。リーダー格のJUNYA(日本のジュンヤが語源らしく、ジュニアに近い発音で呼ばれていた)は、その素晴らしい走力に加えてファッションセンスも抜群。支給されたユニフォームTシャツを自分流にカットし、とてもスタイリッシュに着こなしていた。

これまで数々のランニングイベントに参加してきたが、これほど楽しかったイベントは少ない。スケジュール変更等々、改善すべき点はあったと思うが、日本で開催される際にはそういった点も是正され、今回以上に素晴らしいイベントになると思う。今から楽しみだ。その独特な雰囲気と盛り上がりは動画でないと伝わりにくいので、ぜひYouTubeやInstagramなどで”SAUCONY THE MAZE”と検索してほしい。

これまでにない斬新なランニングイベント それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

オーストラリアチームのアンカーがゴールし、優勝チームが決定!

これまでにない斬新なランニングイベント それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

優勝したオーストラリアチームのメンバー。4人とも素晴らしい走りだった。12月にパリで開催される「Saucony Eiffel Tower 10K」へ招待される。

これまでにない斬新なランニングイベント それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

オーストラリアチームのケント。フルマラソンサブ2.5だけに、短い距離も速かった。

これまでにない斬新なランニングイベント それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

香港チームと記念撮影。前列左から3人目がJUNYAだ。

これまでにない斬新なランニングイベント それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

目標達成。ビールを美味しくいただいた。ちなみにビールの銘柄は韓国でポピュラーなCASS(カス)。

これまでにない斬新なランニングイベント それが「SAUCONY THE MAZE SEOUL」だった!

高速レースを走ったランナーの足元を支えたのが、サッカニーのエンドルフィンスピード5。前作よりもアッパーのフィット感が向上しており、アウトソールパターンが変更されたことでグリップ性も確実にアップした。

協力/丸紅コンシュマーブランズ、Wolverine World Wide, Inc.

Masahiro Minai
南井 正弘 フリーライター、ランナーズパルス編集長
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。「フイナム」「価格.comマガジン」「モノマガジン」「SHOES MASTER」「Beyond Magazine」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」「人は何歳まで走れるのか?」などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。
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