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COLUMN

“楽しさ”と”本気さ”が融合した新しい世界観のイベント「Beyond」が、“ランナーの祭典”と呼ばれるワケ。

2023.08.07
Yu Hagi

ランナー界隈でよく耳にするようになった大会「Beyond(ビヨンド)」。コロナ禍で多くのマラソンレースが中止になった2020年に第一回大会が開催され、数多くのランナーがこれまで蓄えてきた力と想いをBeyond にぶつけた。第3回となる「Beyond2022」では、その結果、出走者854名に対して、自己ベスト更新者は376名。結果として44.1%ものランナーが自身の自己ベストを更新した。そのBeyondが2023年もさらにバージョンアップして帰ってくる。

Beyondは、表参道にある低酸素ジム「RUNNING SCIENCE LAB(RSLAB)」が主催している。2020年の新型コロナウィルスの感染拡大により、数々の大会が中止になったことが開催のきっかけとなった。次々と大会が中止になり、練習の成果を発揮する場所が失われていくランナーの姿を間近で見てきたからこそ、大会開催を決意。「どうせやるならRSLABらしい大会を、自己ベスト更新にフォーカスした大会を作ろう」。そんなRSLABの想いから生まれた大会がBeyondである。

そして、そのための舞台として用意したのが、茨城県の一般財団法人日本自動車研究所城里テストセンター高速周回路。コンセプトである「世界一自己ベスト更新率の高いレースを作る」の名の通り、あらゆる戦略で自己ベスト更新をアシストするための会場で、2022年12月29日(木)に、第3回大会は開催された。

「ランナーの祭典」として、そして「自己ベスト更新」が目指せる異色の大会。


果たして、2022年のBeyondはどのような大会だったのだろうか。

2022年の大会に参加したランナーからは、「ガチ勢が多くて圧倒されつつも、YouTuberのランナーが多く出ていたのも面白かった。周回コースだから速い人たちが追い越していくときに走りが見られて良かったし、『ホント速いなー!』って思いました。」「ノリのいい音楽が流れているのも良かったです! お祭り感が半端なくて、雰囲気もよく楽しめました。」など、どの参加者からも、「楽しめた」という声が多く聞こえた。カチッとした公式マラソン大会が多い中、Beyondには「ランナーの祭典」と呼ばれるだけのエンタメ性がつまっていたのだ。

一方で、自己ベスト更新をサポートするペーサー陣の豊富さは、ランナーにも大きな影響を与えた様子。参加したランナーの中には、「目標タイムごとにペーサーが少なからず最初は確実にいて、引っ張ってくれるから必死についていけばいいところは大きかった。」「ペーサーが速すぎず遅すぎず絶妙なペースで引っ張っていただけたので、今回の結果につながりました。」という声も。

2022年のBeyondでは自己ベストの更新をサポートするために、総勢200名にも及ぶペーサー陣を配置。ランナーの「自己ベストまであと少し」を後押しするペーサーの存在がここまでアツいのはBeyondだけなのではないだろうか。

Beyondは「世界一自己ベスト更新率の高いレースを作る」ことと「ランナーの祭典」を作ることを二大コンセプトに掲げている。RSLABの代表である邊見勇太氏は、「レース内では『自己ベスト更新』を目指して真剣なレースを、レース外では年末だからこそのお祭りムードを味わっていただき、一生の大会にしていただく。そんな想いで掲げた二大コンセプトは、相対的な関係でありながら良好な調和を生み出しており、Beyond独特の世界観のかたまりとなりつつあります。」と、年々アップデートされるBeyondの開催に手ごたえを感じていると話す。

2021年大会からさらに進化した2022年のBeyond。

「2022年は、特にチームで大会を作りあげているという感覚が非常に強かったです。(前出の邊見氏)」。

2022年度のBeyondが2021年度の大会より進化した理由には、運営側の変化もあったのだそう。2021年度大会と比較し、2022年度大会は、数ヶ月前から大会に向けた練習会を開催、協賛企業によるケアサポート、レースシューズ選定のための試し履きの機会やモチベーションを上げるためのオンラインレースの実施など、選手が万全の状態でスタートラインに立てるようなさまざまなサポートが実施された。その背景には、Beyondの勝手を知るスタッフがそれぞれの持ち場で活躍したことにより、できることの幅が一気に広がったことがあげられる。

RS LABには、競技の第一線で活躍してきた箱根駅伝出場選手や陸上国体優勝選手、実業団マネージャー、ランニング系Youtuberなどさまざまな経歴を持つスタッフが多く在籍している。常日頃から試合に出場したり、選手をサポートしたり、自らイベントを開催したり。大会を多角的な視点で見ることができるプロがそろったことで、よりバージョンアップした大会の開催につながったのかもしれない。

「2021年はBeyondという大会を知るところに労力を使っていた。しかし、2022年はそれぞれの強みを活かしてペースメーカー管理やボランティアスタッフの統括などのオペレーション部分を、従来のものから何十倍も親切な形にアップデートすることができました」と邊見氏は話す。

楽しいも本気も。ランニングの多様化を象徴したイベントに。

コロナが世界を巻き込んだ年、ランニング界にも大きな変化が訪れた。ファンランを楽しんでいた層が本気でタイムを狙うようになったり、本気で競技として走っていたランナーが楽しく走ることにシフトしたり、ランニングの価値自体が多様化していった年。

ランナーが多様化され細分化される中で、Beyondというランニングを楽しむための魅力と、ランニングに本気で取り組むための魅力の両方を兼ね備えた新しい大会を生み出した。だからこそ、「ランナーの祭典」として注目されているのではないだろうか。

ランニングをこよなく愛する市民ランナーからシリアスランナー、インフルエンサーからプロの競技者、トライアスリート、トレイルランナー、スパルタンレーサーなど、さまざまな選手がやってくる大会。

「Beyondの良さは普段交わることのない色んなランニングコミュニティやカルチャーが一斉に集結することなので、目指すべきゴール的なところでは今の型は割りと完成系に近いかもしれません。だからこそ僕らはこれからもBeyondを継続的に開催することで、ランニングのすべてが交わる特異点として、新しい文化を作れればと思っております。(邊見氏)」と、これまでの開催と今年の開催を見据える分岐点に立つ今の心境を語ってくれた。

楽しい雰囲気の中で、真剣に記録を目指せるBeyondは新感覚かつ、多様化するランニングの価値を象徴する特別なイベントのひとつとも言える。さまざまなランナーたちの熱意や想いをエネルギーに、新しい形の大会として作り出されたBeyond。今年の開催からも、ますます目が離せない。

Beyond2023公式ホームページ
https://rslab.tokyo/beyond/

Beyond2023申込ページ(モシコム)
https://moshicom.com/88750/

Yu Hagi
萩ゆう
住むところは中国地方や関西など、全国各地を転々と暮らすWebライター。温泉メディア、女性メディアなどで執筆中。特技はマラソンでフルマラソン3時間ギリの記録をもつ。先日開催された岡山マラソンで2時間53分台の自己ベストをマークしつつも、今シーズンさらなる記録更新を目論んでいる。
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