スタイリッシュに速く走りたい、すべてのランナーへ
COLUMN

連載第9回「Breaking Limit」 ~3ヶ月の練習note~

2021.09.02
Shun Sato

第9回 キヨさん(市民ランナー) コツコツと11回連続PB更新中。-サブ3.15ブレイク-

9月に入りマラソンシーズンも近づいて来ました。今回登場するキヨさんは、マラソンのどこに楽しみを感じ、走るたびに記録を更新できているのか? ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

キヨさん
職業:会社員
ラン歴:6年
フルPB:3時間14分12秒(2021年3月14日 名古屋ウイメンズマラソン)

3months Challenge—breaking 3’15”

Start(走ることのキッカケ)
最初は、娘のママ友に「走ってみない?」と誘われていたのですが、「ごめん、無理。」って断っていました。学生時代はハンドボール部でしたが、走るのが遅くて、「走るなんて何が面白いんだろう?」と思っていたからです。でも、2015年1月1日、年始に1年間の目標を決めるのですが、その時は年間というよりも1月は人から誘われたらどんなに嫌なことでも「はい!」と言おうと決めました。そうしたら3年間断り続けていたママ友に「走ってみない?」と誘われて・・・。それが走り始めたキッカケです(笑)。

First marathon(初マラソン)
最初は500mぐらいしか走れなくて、もう大変でした(苦笑)。やっぱり無理と思ったのですが、ママ友に「とりあえず大会に出てみよう。」と言われて、断れないのでハーフマラソンにエントリーしました。走り始めて半年ぐらいだったので、2時間30分もかかって、ビリから10番目ぐらいでゴールしたんです。みんな、すでにゴールしていたので周囲には誰もいなくて、写真も私一人だけ。でもゴールする手前で、みなさんが見ず知らずの私に「がんばって!」「あと少し!!」と応援してくださって(笑)。それに感動して、「マラソンって、なんて素敵なの!」って思い、やろうと決めました。

Motivation(マラソンの楽しさ)
マラソンの魅力は、コツコツ努力することで結果が出るところです。今まで11回マラソンを走っているのですが、すべて自己ベストを更新することができました。どこまでいけるか分からないですけど、「もうちょっとがんばろー!」って思っています。あと、今は仲間の存在が大きいですね。最初は、競技場でも一人でスピード練習をしていたのですが、「いつも来てるね。」「がんばってるね。」と声をかけられるようになって、周囲の人と一緒に走るようになりました。大人になって刺激し合えたり、ゴールした後に達成感で泣いたり、予想タイムを切れなくて泣いたりすることって、なかなかないと思うんです。マラソンはいろんな感情を豊かにしてくれるので、やめられないですね。

Training Menu(トレーニングメニュー)

★3months(3ヶ月前)/Training Menu Point



(1)jog(ジョグ)
年末にジョグを続けたのは、名古屋ウイメンズに向けて足作りをしたかったからです。この月からとにかく距離を踏みたかったのですが、普段は仕事をしているし、子育てもしているし、家のこともやらないといけないので、なかなか走る時間が取れなくて、うまく隙間を見つけて、「今だ!」と走りに行く感じでした。でも、年末はお休みじゃないですか。「走らないと損だな。」と思って、毎日、しっかりと距離を踏むようにしました。

(2)road race(30キロロードレース)
私の目標は、大阪国際女子マラソンに出場することなのですが、その標準記録が当時30キロで2時間11分だったんです。そのタイムを切ろうと思って走りました。基本的にハーフマラソンよりも30キロが好きですね。ハーフはフルの半分で、ゴールまでまだ倍の距離があるので42キロのマラソンのペースがちょっと掴みづらいと思うんです。でも、30キロをレースペースで走れると残り12キロでタイムが見えてきますし、その距離ならきつくてもアドレナリンと声援とメンタルでなんとか乗り切れると思うんです(笑)。大阪ロードレースは、30キロを4分18秒のペース、2時間11分を切るタイムでそんなに苦しくなく走れました。残り12キロ、キロ5分に落ちても3時間一桁はいけるので、すごく自信になりましたね。

★2month (2ヶ月前)/Training Menu Point


(1)tempo running(ペーサー)
2ヶ月前で一番いい練習になったのは、友人のペーサー(30キロ、35キロ)です。最初は4分半で30キロを走れるかな? って、思ったのですけど、友人に頼まれたので引き受けました。初めてペーサーをしたのですが、一定のペースで走りながら30キロを走り切らないといけないじゃないですか。ちゃんと走らないといけないというプレッシャーもありましたが、それが逆に良くて友人のために走ることができましたし、それが自分のためにもなりました。でも、名古屋では彼女の方がペーサーの私よりも早くゴールしたんですよ(笑)。

(2)long running(3時間走)
毎回、キロ4分30秒ぐらいで走っていると疲労が残ってしまうと思ったので、少し疲労を抜くことも考えてのメニューです。あと、フルマラソンを走る時って、3時間ずっと足を動かし続けているわけじゃないですか。止まることがないですよね。ゆっくり目なタイムでも3時間、とにかく足を動かし続けることは、マラソンを走る上で大事なことだと思うので、こういう練習も私は効果的かなって思って入れています。

★1month (1ヶ月前)/Training Menu Point


(1)supplement(貧血)
6日の練習時、キロ5分でも心拍数が上がって、呼吸が苦しくなって明らかに走れなくなりました。ランナー専門の接骨院の先生に聞いたら「貧血」かもしれないと言われて病院で血液検査を受けたのですが、貧血という診断はされませんでした。でも、「もとの数値が高ければ、今の数値だと苦しくて走れないこともある。」と接骨院の先生に言われたので、健康診断先の病院から過去の血液の数値を送ってもらって調べました。そうしたら、もともとの数値が男性並みに高くて、そこから女子の低いぐらいの数値に落ちていたんです。それから鉄のサプリメントを摂ったり、レバーを食べたり、貧血対策をするようにしました。貧血は、大阪のロードレースでサブ3を狙えるタイムが出たので、欲を出して走り過ぎたのが大きな原因の一つかなと思います。

(2)build up running(ビルドアップ)
練習メニューを見返すとビルドアップと書いているのが少ないのですが、基本的にジョグとかもわりとビルドアップ気味な走りをしています。最初の入りをちょっとゆっくり目に入って、調子が上がってきたらペースを上げていきます。この時は、最初6分ぐらいのペースで入って、4分まで上げています。ペースを上げる距離は5キロとかではなく、1キロごとですね。例えば、5分30秒、5分25秒、5分20秒とちょっとずつ上げていきます。ビルドアップは仲間と一緒ではなく、一人でやっていますが、わりときちんとペースを刻めています。

★Race month(レース直前)/Training Menu Point

(1)tempo running(ペース走)
貧血前は、キロ4分15秒内で走れていたのですが、貧血の症状が出てからは全く走れなくなっていたので、この結果によっては名古屋を諦めようかなって思っていました。今、どのくらい走れるのか。その確認のためにキロ4分15秒にしたペース走をいれました。最初はどうかな? って思って走ったのですが、途中からやっぱりすごく苦しくなって・・・、それでも最終的にキロ4分13秒ペースで走れたのは気持ち的に大きかったですね。なんとか3時間一桁台は狙える手応えを感じたので、名古屋を走ることに決めました。

Another Point -1
Q.「今後の目標は?」

A. まずは、3時間一桁台です。欲をかくと痛い目に合うので、次も自己ベストを目指して走るだけですね。レースは、10月に東京マラソンに出場予定です。コロナの影響もあってどうなるか分からないですが、もし開催されたら東京で達成できればいいかなって思います。それが達成できたらサブ3ですね。3時間を切って1分、2分を縮めるのは大変ですが、高い目標を持つことはとても大事なことなので頑張りたいと思います。

Another Point-2
Q.「さらに上を目指すために新たな取り組みを考えていますか?」

A.マラソンを早く走るには近道も特別なこともないのかなと思います。普段やっている練習を淡々と続けていくだけですね。水曜日にスピード練習をして、週末にロング走を入れるパターンはずっと変わっていません。最近は金曜日にトラックでLT走(閾値走)をしたりしています。トラックは新鮮ですし、走りやすいのでテンションが上がっていいですね。いつもは仕事終わりの夜、河川敷を走ることが多いです。河川敷は信号がないので止まらずに走れるので、ガチで走っていますが、「いつもいるね。」っていろんな人によく言われます(笑)。

2021年3月14日 名古屋ウイメンズ マラソン 3時間14分12秒。
0km -5km 22分38秒
5km-10km 22分09秒
10km-15km 22分55秒
15km-20km 22分54秒
20km-25km 22分42秒
25km-30km 23分02秒
30km-35km 23分05秒
35km-40km 23分53秒
40km-FINISH 11分04秒

名古屋ウイメンズは、最初は良かったのですが、35キロぐらいから貧血の症状が出てきて、呼吸が荒くなってすごく苦しかったです。でも、マラソンの35キロからはメンタル勝負だと思っているので、「メンタル、メンタル、自分に負けない!」と言い聞かすようにして走りました。名古屋ドームが見えて来て、ラスト振り絞って走ったので、ゴールしてから倒れてしまい、そのまま車いすに乗せられて医務室に運ばれました。その間、3時間一桁を達成できなかったので悔しくて車いすでめちゃくちゃ泣いていたんです。それを見た人は、「この人、大丈夫?」って感じだったと思うのですが(苦笑)、それほど悔しかったんです。

■関連記事
第8回 小山成祐(市民ランナー) 12年間のブランクを経てリスタート、サブ2.5を目指す。
第7回 芦野さやか(市民ランナー) 楽しく、できっこないをやりきる -サブ3.10突破-。
第6回 廣瀬ゆう子(市民ランナー) 初フル、ヨガ効果でサブ4ブレイク。
第5回 田中友浩(市民ランナー) 20キロ減でサブ4クリア。
第4回 マリランさん(市民ランナー) ロングでの脚作りが生命線 -サブ4突破-。
第3回 大城絵里奈(市民ランナー) 早朝4時半からのチャレンジ -サブ3.15突破-。
第2回 海野敬太郎(市民ランナー) ネガティブスプリットでサブ3.5をブレイク。
第1回 神野大地 「継続」の先に、サブ4達成が見えてくる。

runnerspulse
runnerspulse
CATEGORIES